数週間の語学留学で、英語は本当にペラペラになる?【全4回シリーズ①】
この記事は全4回シリーズで「語学留学のリアル」をお伝えしていく企画の第1回です。
今回は多くの人が一番気になっているであろう「英語力」について、率直にお話ししていきます。
結論から言うと、数週間から数か月程度の語学留学で、英語がペラペラになることはありません。
厳しいことを言っているわけではなく、これはデータを見ればわかる、わりと明確な事実なんです。
「短期間でも英語が話せるようになりますよ」という言葉を目にすることも多いと思いますが、実際のところはもう少し複雑です。
とはいえ「じゃあ行っても意味がないの?」というと、それも違います。
伸びる力と伸びない力があるというだけの話で、そこを正しく理解しておけば、語学留学は十分に価値のある経験になります。
今回は"何が伸びて、何が伸びないのか"を、できるだけ具体的にお話ししていきますね。
数週間でも、リスニング力は確かに伸びる
日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、1か月に満たない短期の語学留学であっても、渡航前後でテストのスコアに変化が出ることが確認されています。
特に伸びが目立つのがリスニングで、プログラムによってはスコアが8.5%から15%程度改善したという結果も出ているんですね。
これは感覚的にも納得できる話だと思います。
毎日、英語の音が耳に入ってくる環境に身を置くわけですから、「聞き取れる量」が増えるのは自然なことです。
実際、参加した生徒へのアンケートでも、約4割がリスニング力の伸びを、8割近くがスピーキングやリーディングの伸びを実感していると答えています。
帰ってきた子どもたちが「行ってよかった」と口をそろえるのは、決して気のせいではないということですね。

一方で、語彙や文法は正直あまり変わらない
ただ、同じ調査には、少し都合の悪い話も含まれています。
語彙や文法、読解といった、コツコツ積み上げて身につけるタイプの力については、渡航前後でほとんど差が出なかったというデータもあるんです。
理由はシンプルで、語彙や文法は机に向かって繰り返し学ぶタイプの力だからです。
数週間、環境が変わったくらいでは劇的には伸びません。
それどころか、すでに英語が得意な子ほど、短期留学でのスコアの伸びが小さい、あるいはほとんど変わらないという結果さえ出ています。
逆に、基礎はあるけれど使う機会が少なかった子の方が、大きく伸びる傾向にあるんですね。
つまり「英語が苦手だから留学で底上げしたい」という目的には理にかなっていますが、「もう得意だからさらに磨きたい」という目的で数週間の語学留学を選ぶと、期待したほどの変化を感じられないこともあるということです。

語学留学は「学ぶ場」というより「試す場」
留学パパが書き下ろした書籍『中高生の海外留学〜知るたび、自分と未来が広がる本』でも触れているのですが、語学学校に期待しすぎない方がいい理由の一つに、「一緒に学ぶのはネイティブではなく、自分と同じように英語を学んでいる仲間たちだ」という点があります。
教室内でネイティブと呼べるのは先生だけで、それ以外は皆どこかの国から来た学習者同士なんですよね。
だから、そこにいるだけで英語力が魔法のように上がるわけではありません。
じゃあ意味がないのかというと、そうではないんです。
語学留学の本当の価値は、これまで学校や塾で覚えてきた英語を、実際に人に対して使ってみるという経験そのものにあると僕は思っています。
教科書の中の英語ではなく、目の前の人に「伝わった」という手応えをつかむこと。
これは点数には表れにくいですが、その後の子どもの英語との向き合い方を大きく変えるきっかけになります。

帰国してしばらくすると、実は英語力は気づかないうちに元に戻っていく
もう一つ、事前に知っておいてほしいことがあります。
留学中に伸びたリスニング力やスピーキングの度胸は、日本に帰ってきて日本語だけの生活に戻ると、じわじわと元に戻っていくということです。
これは特別なことではなく、言語習得の世界ではよく知られている現象です。
使わないスキルは、使う頻度が下がるにつれて衰えていきます。
数週間の留学で"英語耳"ができたと感じても、意識的に英語に触れる時間をつくらなければ、その耳は数か月でまた鈍ってしまうんですね。
せっかく勇気を出して踏み出した一歩を"その場限りの体験"で終わらせないためには、帰ってきてからの過ごし方が実はとても大事だったりします。
短期の経験を、"続きのあるもの"にしていくという考え方
ここまでの話をまとめると、数週間の語学留学は、英語力を根本から底上げする場というよりも、これまでの学びを試して自信をつける場、そしてこれからの学び方を見直すきっかけの場、と捉えるのが実態に近いと僕は思っています。
だからこそ、その経験を1回きりのイベントで終わらせるか、それとも継続的な学びや、もっと踏み込んだ留学へのステップにしていくかは、実はその後の設計次第なんです。
同じ数週間でも、その先の描き方によって得るものは大きく変わってきます。
例えば、帰国後もオンライン英会話を週に数回続けるとか、現地で仲良くなった友達とメッセージのやり取りを続けるといった小さな工夫だけでも、"耳"が鈍るスピードはずいぶん違ってきます。
逆に言うと、こうした続きの設計がないまま「行っただけ」で終わってしまうと、数週間の留学は本当に一回きりの思い出になってしまいがちです。
せっかく時間とお金をかけて踏み出す一歩ですから、行く前の段階で「帰ってきてからどうするか」まで考えておくと、得られるものの質がかなり変わってきますね。
「まだまだ気になることがある」という人は…
留学期間ごとにどんな成長のプロセスをたどるのか(3か月・半年・1年、それ以上でどう変わっていくか)については、さっきお伝えした『中高生の海外留学』でさらに詳しくお話ししています。
また、これから本気で留学の準備を進めたい、具体的なプランや現地の情報を相談したいという方に向けて、無料相談・無料カウンセリングも受付しています。
アメリカの大学留学経験者であり、娘の高校留学を応援してきた親の立場の留学パパと、15歳で英語力ゼロからカナダの高校に留学したエリンが、皆さんの不安や疑問について、一緒に考えていきます。
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