“お金の授業”で世界1位に!日本の学校では教えてくれない最高の学びがカナダ・アルバータ州にはある【全3回シリーズ②】
カナダ・アルバータ州の高校留学をテーマにした全3回シリーズ、第2回です。
第1回では「なぜバンクーバーでもトロントでもなく、アルバータ州なのか」をコストと英語環境の視点からお伝えしました。
今回は、多くの保護者が留学先を決める上で最も気にする「教育の中身」について、具体的にお話しします。
「費用が安いのはわかった。でも、教育の質はどうなの?」
その疑問に、しっかり答えていきます。
国際学力テストで「金融リテラシー世界1位」。でも、何の1位かご存知ですか?
OECD(経済協力開発機構)が世界各国の15歳を対象に3年ごとに実施する「PISA(学習到達度調査)」という国際テストがあります。
日本でも「PISA型教育」という言葉が使われるほど、世界的に信頼度の高い指標です。
2022年のPISAで、アルバータ州の生徒は「金融リテラシー」分野で世界1位を獲得しました。
ベルギーやデンマークといった教育先進国を抑えて、単独首位です。
さらに科学・読解力・創造的思考力でもカナダ国内トップ水準を記録しています。
「金融リテラシー」と聞くと少し堅苦しく聞こえるかもしれませんが、平たく言えば「お金と生活に関わる実践的な判断力」のことです。
税金・投資・ローン・家計管理といった、大人になってから絶対に必要になるのに、誰も教えてくれない知識を「自分ごととして考え、判断できるか」を測るものです。
ここで一つ、質問させてください。
皆さんのお子さんは今、「税金の仕組み」を学んでいますか?
「株式投資とは何か」を授業で考えましたか?
「もし自分がローンで家を買うとしたら、どんな方法を選ぶか」をリサーチしたことがありますか?
おそらく多くの場合、答えは「ノー」だと思います。
日本の学校教育では、これらのテーマはほぼ扱われないからです。
でも、アルバータ州の高校ではこれらが"必修"で学ばれています。

日本の学校にはない授業「CALM」—これが世界1位の秘密だった
アルバータ州の高校には、「CALM(Career and Life Management)」という必修科目があります。
直訳すると「キャリアと人生のマネジメント」。
卒業するためには必ず履修しなければならない科目です。
具体的に何を学ぶかというと、財務管理(予算の立て方・借金とのつき合い方・将来のための貯蓄)、ストレスへの向き合い方と精神的健康の維持、キャリア設計(自分に合った仕事の見つけ方・履歴書の書き方・職場でのマナー)、そして健康管理や人間関係の構築といったテーマが含まれます。
「それって、大学生になってから学べばよくない?」と思う方もいるかもしれません。
でも考えてみてください。
大人になってお金で失敗する人の多くは、「知識がなかった」からではなく「正しい判断の仕方を学んでこなかった」からです。
高校生のうちに、生活の中で直面するリアルな問題を「自分ごと」として学ぶ経験は、大学や社会に出てから確実に効いてきます。
アルバータ州がPISAの金融リテラシーで世界1位を取り続けているのは、このCALMという科目が長年にわたって積み上げてきた土台があるからだと思っています。

「答えを覚える」のではなく「自分で考える」—海外教育との根本的な違い
CALMの話だけでなく、アルバータ州の教育全体に通じる特徴として「自分で考え、意見を述べる力」を大切にしていることが挙げられます。
日本の授業では、歴史上の出来事であれば「何年に何が起きたか」を覚えることが中心になりがちです。
でも海外の授業では「あなたはその出来事にどんな意味があると思いますか?」「もしあなたがその立場だったらどう行動しましたか?」という問いかけが続きます。
正解はありません。
自分の解釈を持ち、他者の意見を聞いて考えを深める、このプロセスが学びの中心にあります。
お子さんが将来、世界のどこかで仕事をしたり、多様な人々と関わったりする場面を想像してみてください。
「覚えたことを答えられる力」よりも「自分の考えを持ち、伝えられる力」の方が、はるかに必要とされる場面が多いはずです。
「ディプロマ試験」という制度が、卒業資格の信頼性を保証する
アルバータ州の高校卒業資格が世界の大学から信頼されている理由の一つが、「ディプロマ試験(Diploma Exams)」という州共通の卒業試験にあります。
グレード12(日本の高校3年生にあたる学年)の主要科目では、州全体で統一された試験が実施され、その結果が最終成績の30%を占めます。
日々の授業や課題だけで成績が決まるのではなく、州が定めた基準で実力が客観的に評価される仕組みです。
これにより、「学校や先生によって成績のつけ方がバラバラ」という状況が生まれにくくなっています。
カナダ国内の一流大学はもちろん、世界中の大学がアルバータ州の卒業資格を高く評価するのは、こうした厳格な評価システムがあるからです。
ただし、この試験は正直に言うと、プレッシャーも大きいです。
試験当日に実力を発揮できるかどうかが成績に直接響くため、極度に試験に弱いお子さんには精神的な負担になる可能性もあります。
「良い部分だけを伝えるのではなく、留意点も含めて正確に伝える」のが僕のスタンスなので、ここはきちんとお伝えしておきます。
「名門大学に落ちても大丈夫」—アルバータ州だけにあるセーフティネット
アルバータ州には、「Alberta Transfer Program(アルバータ・トランスファー・プログラム)」という30年以上の歴史を持つ独自制度があります。
簡単に言うと、州内の大学・カレッジ間で単位をスムーズに移行できる仕組みです。
たとえばアルバータ大学(世界トップ100に入るカナダ屈指の名門大学)への直接入学が難しくても、まず入学ハードルの比較的低い州内のカレッジで1〜2年間学び、その単位をそのままアルバータ大学へ持ち越して編入する、という段階的な道が州レベルで整備されています。
留学生にとってこれは大きな安心感です。
英語力や成績に不安があっても、まず小さなカレッジで実力をつけながら環境に慣れ、その後に名門大学へステップアップできる。
「一発勝負ではない」という選択肢があることは、お子さんにとっても保護者にとっても、精神的な余裕につながります。
「日本の勉強が遅れてしまうのでは?」という不安について
留学を考える保護者から最もよく聞かれる心配の一つが、「日本の勉強が遅れてしまうのでは?」という不安です。
結論から言うと、基礎的な学力という意味では心配ありません。
どの国の教育システムも「その国の子どもたちに必要な学びの場」として設計されていて、数学・理科・社会といった基礎教養は海外でもきちんと学べます。
アルバータ州の学力水準はPISAの結果が示す通り、日本と比べても遜色なく、むしろ高い水準にあります。
ただ、日本独自の大学入試に向けた特定の受験対策という意味では、現地の授業では補えない部分が出てくるのも事実です。
帰国後に日本の大学進学を希望する場合は、この点を念頭に置いて計画を立てることが必要です。
帰国生向けの入試制度を活用するケースも多いので、留学前から進路の方向性を考えておくことをお勧めします。
次回(第3回)は「高校を卒業した後、何が待っているのか」—カナダ現地の大学進学、就労、そして永住権への道筋という「出口の話」をお伝えします。
「高校留学はゴールではなくスタートライン」という意味が、きっとよりはっきり見えてくると思います。
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アメリカの大学留学経験者であり、娘の高校留学を応援してきた親の立場の留学パパと、15歳で英語力ゼロからカナダの高校に留学したエリンが、皆さんの不安や疑問について、一緒に考えていきます。
無理な「押し付け」や「留学ありき」の話は一切しません。
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