【全5回でわかるNZ公立高校留学】第5回:お金と帰国後の進路の話。留学を大成功に導く事前準備
気になる費用感。1年間の公立高校留学にかかるお金の全体像
「うちの子を留学させてあげたいけれど、現実問題としてお金はどれくらいかかるの?」
保護者の皆さんにとって、避けては通れないのが留学費用のお話ですよね。
ニュージーランドは、アメリカやイギリスといった他の主要な英語圏と比べると、学費や物価が比較的抑えられていて、コストパフォーマンスが良い留学先として知られています。
それでも、1年間の長期留学となれば、やはり数百万円単位のまとまった資金が必要になります。
ワーキングホリデーを利用する大人のように現地でアルバイトをして稼ぐことは、中高生の場合はできません。
学業に専念するためにも、事前にしっかりとした資金計画を立てておくことが大切です。
ニュージーランドの公立高校に1年間留学した場合、トータルでかかる費用の目安は“約300万円〜450万円”です。内訳のイメージとしては以下のようになります。
学費(授業料・入学金等): 約80万円〜130万円(公立高校の相場です)
滞在費(ホームステイ費用): 約80万円〜100万円(平日の朝夕食、休日の3食、基本的な光熱費が含まれます)
航空券・保険料: 約26万円〜35万円(渡航時期や、国が指定する厳格な保険への加入費用です)
ガーディアン(保護者代行)費用: 約30万円〜35万円(現地で親に代わって24時間サポートを行う機関への依頼費用です)
現地生活費・お小遣い: 約30万円〜50万円(通学バス代、昼食代、休日の娯楽費など)
費用を大きく左右する要因の一つが“滞在する都市”の選び方です。
最大の都市であるオークランドや、世界的なリゾート地であるクイーンズタウンは、利便性が高い一方で物価やホームステイ代も高めです。
もし全体の費用を少しでも抑えたいのであれば、クライストチャーチ、ハミルトン、首都のウェリントンといった地方都市の公立校を選ぶことで、生活費の負担をグッと軽くすることができます。
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現地の高校を卒業する!「正規留学」ならではの多様な進路
1年間の留学だけでなく、現地の高校を卒業することを目的とした「正規留学」を選ぶ中高生も増えています。
費用も時間もかかりますが、無事に海外の高校を卒業した皆さんの進路は、本当にバラエティに富んでいるんです。
まず多いのが、日本の大学への進学です。
一般入試だけでなく、「帰国生入試(帰国子女枠)」という特別な枠を利用して、受験勉強に多くの時間を割くことなく日本の大学に進学できる方法として人気があります。
もちろん、そのまま海外の大学へ進学する道もあります。
TOEFLやIELTSといった英語力を証明するスコアや、高校でのしっかりとした成績が求められますが、留学経験が活かされるのは間違いありません。
また、大学進学だけではなく、実践的な知識や技術を学ぶために、海外の専門学校へ進むという選択肢もあります。
さらに、日本にはないユニークな選択肢として「ギャップイヤー」を取る人もいます。
ギャップイヤーとは、高校卒業後すぐに進学や就職をせず、ボランティアやアルバイト、海外旅行などをしながら自分の将来を見つめ直す期間のことです。
実は娘のエリンも、カナダの高校を卒業した後このギャップイヤーを取り、現地のカフェでバリスタとして1年間働きました。
この期間で学校外の人たちから学んだことが、留学生活以上に大きかったと言います。
海外の高校を卒業するということは、人生の選択肢が世界規模で広がるということなんですね。
帰国後の大きな壁。「単位認定」と「留年リスク」の真実
ニュージーランドでの充実した1年間を終えて、いざ日本へ帰国!となった時に、多くの留学生と親御さんが直面する現実的な壁があります。
それが、日本の高校への「復学」と「単位認定」の問題です。
「1年間留学しても、帰国後は元の同級生と同じ学年に戻れるの?」と、進路への影響を心配される方はとても多いです。
現在、日本の制度上は海外の高校で修得した単位を“最大36単位”まで認定することが可能になっています。
国際教育に理解のある高校であれば、現地での頑張りを認めてもらい、同級生と一緒にそのまま進級できるケースもたくさんあります。
しかし、ここで絶対に知っておくべき事実があります。
それは、海外で取得した単位を日本の高校の単位として認めるかどうかは、最終的に“在籍している日本の高校の校長先生の裁量”に完全に委ねられているということです。
学校の規則や方針によっては、留学期間が単なる「休学」扱いとなり、帰国後に元の学年の1年下(後輩と同じ学年)に編入され、事実上の“留年”となってしまうケースが現在でも存在します。
この取り扱いの違いは、お子さんのその後の人生設計に直結する大きな問題です。
留学を決断する前に、必ず日本の在籍校の担任の先生や進路指導の担当者と、単位認定の条件について綿密な話し合いと確認を行ってくださいね。
日本の学習の遅れをどう取り戻す?強く求められる自己管理能力
ニュージーランドでの留学中は、現地の授業についていくための英語の勉強や課題に、多大なエネルギーを注ぐことになります。
それは素晴らしい成長の機会ですが、裏を返せば、その期間中は日本の国語(漢字や古典、現代文)や、日本独自の高度なカリキュラムで進む数学、理科、社会などの学習が“完全にストップしてしまう”というリスクを意味します。
1年後に帰国した時、日本の同級生たちはすでに本格的な受験モードに入っています。
その中で1年分の学習の遅れを取り戻すのは、決して簡単なことではありません。
「うちの子、帰国してから日本の授業についていけるのかしら…」と不安になるのは当然のことです。
帰国生枠入試(帰国子女入試)を利用して日本の大学へ進学する場合であっても、英語力だけがあればいいわけではありません。
最低限の日本語での小論文や、基礎学力が課される大学は非常に多いです。
そのため、留学中であっても、日本の家族から必要な参考書を送ってもらったり、オンライン教材を活用したりして、自律的に日本の学習を補う“自己管理能力”が求められます。
海外の学びに全力で取り組みつつ、将来の進路を見据えて日本の勉強も細々とでも続ける。
そんなタフな自己管理ができるかどうかが、帰国後の進路を大きく左右します。
現地に行ってからでは遅い!渡航前にやるべき「英語の基礎体力」づくり
「現地に行って英語だけの環境にどっぷり浸かれば、自然と英語が話せるようになるはず」
中高生の留学において、もしこんな風に考えているとしたら、それは非常に危険な幻想です。
現地の学校生活は、容赦なくすべて英語で進行します。
ホームステイ先で複雑なトラブルが起きた時の交渉も、当然すべて英語です。
留学を大成功させるための最大の秘訣は、現地に到着してからの努力ではなく、日本にいる段階からの“周到な準備”にあります。
渡航前に、最低限“中学レベルの英単語と英文法”を完璧に復習し、知識の抜けをなくしておくことが必須です。
さらに、日本語に翻訳せずに、英語を英語の語順のまま理解して読む「多読」の訓練をしておくなど、英語の「基礎体力」を徹底的につけておくことも大事ですね。
事前の語彙力と文法力があればあるほど、現地でのスタートダッシュが格段にスムーズになります。
最初の数ヶ月をただ言葉の壁に苦しんで終わらせるのではなく、専門科目の学習や、多様な国籍の友人たちとの人間関係づくりにエネルギーを注ぐことができるようになるんです。
異文化を楽しむ柔軟性と自立心こそが、留学成功の最大の武器
全5回にわたって、ニュージーランド公立高校留学の「仕組み」「学びのスタイル」「成績評価」「ホームステイのリアル」、そして今回の「お金と帰国後の進路」についてお話ししてきました。
ニュージーランド留学の成功は、「両国の制度の違いを正しく理解すること」「自国の当たり前を捨てて、違いを受け入れる心を持つこと」、そして「困難に直面した時に、自ら考えて行動する積極性」にかかっています。
ホームステイ先での生活習慣の違いや、学校での探究型の授業スタイルなど、日本とは大きく異なる環境に飛び込むわけですから、「郷に入っては郷に従え」の精神が欠かせません。
日本の常識を相手に押し付けず、違いをストレスではなく“面白い体験”として受け入れる柔軟なマインドセットを持てるかどうかが重要です。
また、ニュージーランドの教育は「あなたはどう考えるか?」を常に問うシステムです。
先生が手取り足取り教えてくれるのを待つ“指示待ち”の姿勢では、何も得られないまま時間が過ぎてしまいます。
自ら将来を見据えて科目を選び、分からないことがあれば先生に質問に行き、ホストファミリーとも自分から積極的にコミュニケーションを取る。
そんな“自立心”こそが、留学生活を豊かにし、どんな困難も乗り越えるための最大の武器になります。
留学は、お子さんが自分自身の「軸」を見つけ、世界を広げるための最高のステージです。
この連載でお伝えしたリアルな情報を、ぜひご家族で共有していただき、明確な目的意識を持って素晴らしい留学生活への第一歩を踏み出してくださいね!
中高生の海外留学について、「もっと深くリアルな情報を知りたい」「事前の準備や心構えを親子でしっかり学びたい」と感じた方は、ぜひ留学パパが書き下ろした書籍『中高生の海外留学 知るたび、自分と未来が広がる本』を手に取ってみてください。
留学のメリットだけでなく、不登校からのチャレンジや、親御さんの寂しさとの向き合い方まで、経験者だからこそ語れる本音を詰め込んでいます。

また、これから本気で留学の準備を進めたい、具体的なプランや現地の情報を相談したいという方に向けて、無料相談・無料カウンセリングも受付しています。
アメリカの大学留学経験者であり、娘の高校留学を応援してきた親の立場の留学パパと、15歳で英語力ゼロからカナダの高校に留学したエリンが、皆さんの不安や疑問について、一緒に考えていきます。
無理な「押し付け」や「留学ありき」の話は一切しません。
ぜひお気軽にメッセージくださいね。

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