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留学したら日本の大学受験に遅れる?「実は逆」で、選べる道が一気に広がります!【海外の高校を卒業した子の未来③】

全3回シリーズの最終回です。

第1回では、正規留学が短期留学とは全く別物の挑戦だという話を。
第2回では、その3年間を走り切った子が何を手にしているのかをお話ししました。

ここまで読んで、それでもこう思っている方がいるかもしれません。

「でも、日本の大学受験には不利になるんじゃないの?」

「実は、逆」なんです。
海外の高校を卒業した子には、日本の高校に通っていたら知ることもなかった入り口がいくつも用意されています。
そして、その先に選べる仕事まで変わってきます。

最終回は、大学進学から将来の仕事まで、できるだけ具体的に見ていきましょう。

【大学進学】海外の高校を卒業した子だけが使える"帰国生入試"という入り口

日本の大学受験と聞くと、多くの方は一般入試か総合型選抜を思い浮かべると思います。

ところが、海外の高校を卒業した子には、それに加えて「帰国生入試」という特別な枠が用意されています。

受験資格は、「海外に2年以上滞在し、現地の高校を卒業していること」。

つまり、第1回でお話しした正規留学をやり切った子だけが持てる資格です。
数週間や数ヶ月、あるいは1年に満たない短期留学では、この条件には届きません。

入試の中身も、日本の一般入試とはまったく違います。
科目は「英語と小論文」という学校が多いのですが、最近は多様化していて、「面接だけ」「書類審査だけ」という学校もあります。
そして、この枠は国公立にも私立にも存在します。

日本の高校生が3年間、受験勉強に膨大な時間を注ぎ込んでいる、まさにその同じ期間に、うちの子は海外で単位を積み上げている。
そして帰国後、受験勉強に多くの時間を割くことなく大学に進学できる。

「遅れる」どころか、まったく別の入り口が開いているんです。

【評価される中身】偏差値ではなく「3年間、何をやり切ったか」を見られる

もう一つ知っておいていただきたいのが、日本の大学入試そのものが大きく変わってきているという事実です。

私立大学では、総合型選抜と学校推薦型選抜を合わせて、年内に入学が決まる人がすでに6割を超えています。
そしてこれらの入試で見られるのは、偏差値ではありません。
自分で課題を見つけて、解決に向けて実際に行動した経験があるかどうかです。

ここで、正規留学をした子には、他の受験生が絶対に持っていない中身があります。

第1回でお話しした通り、海外の高校では、どの科目も最低限の成績評価(一般には「C評価以上」)を取らなければ単位として認められません。
授業に出て、課題を提出し、発言をして、それを3年間積み上げてはじめて卒業証書が出る。
落とせば落第、そして強制帰国が待っている環境で、やり切ったという事実です。

面接でこの3年間を語る子と、参考書の名前しか語れない子。
どちらの言葉に重みがあるかは、聞く側にはすぐ伝わります。

【なぜ高校なのか】大学生になってからの留学とは、まったく別物です

「それなら、大学生になってから留学すればいいのでは?」
そう思われるかもしれません。

でも、高校までの留学と大学留学は、まったくの別物なんです。

大学は、語学力を磨きに行くような場所ではありません。
学問を極めに行く場所です。

そのための基礎を磨くところからスタートするので、短期留学で少し英会話が上達したくらいのレベルでは、到底太刀打ちできるものではないんですね。
これはアメリカの大学を卒業した僕が言うので間違いはありません。

第1回でお話しした「英語はできて当たり前。英語を使って何を学ぶか」という段階に、高校のうちにすでに立っていること。
これが決定的な差になります。

しかもこの時期は、自分がどんな人間なのかがまさに形づくられていく年齢です。
できあがった自分を海外に持っていくのではなく、まだ何者でもない時期に、まったく違う仕組みの中に自分を置く。

同じ「留学経験あり」という言葉でも、いつその経験をしたかで、中身の重みは大きく変わるんですね。

【選択肢】そもそも、世の中に仕事がいくつあるか知っていますか?

ここから将来の仕事の話をしていきますが、その前に一つ質問させてください。

世の中には、いくつの職種があると思いますか?

パッと答えられる人は、まずいないと思います。
僕自身もそうでした。

答えは、総務省統計局が設定した「日本標準職業分類」によると18,725種類。
日本国内だけでこの数ですから、世界を見渡せばさらに多くの仕事があるわけです。

中高生が将来の方向性を決められないのは、当たり前なんです。

正確に言うと、「決められないのではなく、選択肢を知らないだけ」と言えます。

そして日本の高校では、職業について学ぶ機会はほとんどありません。
一方、海外の教育は真逆で、人生設計を含めたキャリア教育をカリキュラムの中に本気で組み込んでいます。

ここから紹介するのは、日本にいるだけでは名前を聞くこともなかったかもしれない仕事です。
どれも、第2回でお話しした5つの力がそのまま効いてくる仕事なんですね。

【仕事①】国と国のあいだに立って、話をまとめる仕事

日本の企業が海外の企業を買収したり、一緒に事業を立ち上げたりする場面は、これからも増えていきます。
ここで一番の障害になるのは、実は語学力ではありません。

契約書に一言一句きっちり書き込むことを何より重んじる文化もあれば、まず人と人の信頼関係ができてから中身の話に入る文化もあります。
この前提のズレに気づかないまま条件だけを詰めていくと、話は絶対にまとまりません。
買収が決まった後も同じで、国も企業文化も違う2つの組織を一つにしていく過程では、現場から強い反発が起きます。

ここで必要になるのが、第2回でお話しした「相手の背景を想像する力」と「立場の違う相手に筋道立てて説明する力」です。

職種で言えば、
・国境をまたぐM&Aを支援するアドバイザリー
・買収後の組織統合を担当するスペシャリスト
・国をまたいだ企業間のトラブルを裁判ではなく話し合いで解決する国際商事仲裁の専門家

といった仕事です。

どれも、英語ができるだけでは絶対に務まりません。
だからこそ、代わりのきかない仕事なんです。

【仕事②】世界の動きを読み解いて、もめごとまで収める仕事

海外に進出する企業は、その国の政治や社会がこの先どう動くかを見極めなければなりません。

ここで効いてくるのが、同じ出来事でも、現地の新聞と欧米の通信社と日本の経済紙では書かれ方がまるで違う、という事実です。
どれか一つだけを読んでいると、判断を誤ります。

第2回でお話しした「訳されるのを待たずに元の情報を読める力」が、そのまま仕事になるわけです。

・進出先のリスクを分析する地政学リスクアナリスト
・環境や人権に関する基準を国ごとに読み解いて経営に落とし込む仕事
・違う国の企業同士でトラブルが起きた時、裁判ではなく話し合いで決着をつける専門家「国際商事仲裁人」や「クロスボーダー紛争解決ロイヤー」

などが、これにあたります。

【仕事③】国も文化も違うチームで、世界に売るモノをつくる仕事

どんなに優れた製品やソフトウェアも、その国の文化に合っていなければ受け入れられません。

ある企業の開発チームはインドや東欧、デザインチームは北米、マーケティングは日本、というふうにメンバーが世界に散らばっていることも珍しくありません。

・多国籍のチームを束ねて、世界に向けた商品やサービスを世に出す責任者「グローバル・プロダクトマネージャー」
・新しいアプリやサービスを海外で展開する時に、その国の人がそれをどう受け取り、どう使うのかを調べる仕事「UXカルチャラル・リサーチャー」

などの仕事も世界中で活躍できる職種になります。

画面の言葉を翻訳するだけでは、まったく足りません。
その文化圏で、あるデザインや機能がどう感じられるのかまで読む必要があります。
第2回でお話しした"生きた多様性"の経験が、ここで直接効いてきます。

【仕事④】会社の中の"違い"を、力に変える仕事

最後は、日本の会社の中の話です。

日本企業にも、多様なルーツを持つ人材がどんどん増えています。
その人たちが力を発揮できる職場をどう設計するか。

これを担うのが「HR CQスペシャリスト」や「D&I推進ディレクター」と呼ばれる仕事です。
CQというのは文化的知能、D&Iというのは多様性を活かす取り組みのことですね。

実はこの仕事こそ、正規留学を経験した人にしか本当の意味では務まらない部分があります。

第1回でお話しした、言葉が出ずに毎晩泣いていたエリンのように、自分が少数派の側に立って苦しんだ経験があるからです。

外国人社員が職場で感じている孤独や、文化の違いから来るしんどさに、本当のところで寄り添える。
そして、日本人社員との間に橋をかける施策を、机上の理屈ではなく自分の実感から組み立てられるんです。

【ギャップイヤー】エリンが卒業後に選んだ、1年間のまわり道

進路の話でもう一つお伝えしたいのが、日本にはないユニークな選択肢である「ギャップイヤー」です。

高校や大学を終えた後に、すぐ進学や就職をせず、自分の成長や経験のために1年ほど時間を取ることを言います。
過ごし方は人それぞれで、ボランティア活動、海外旅行、インターンシップ、語学や専門スキルの勉強、家族との時間など様々です。

娘のエリンも、カナダの高校を卒業した後にギャップイヤーを取りました。 現地のカフェでバリスタとして1年間働いたんです。

本人は今、こう言っています。
「この期間で学校外の人たちから学んだことが、留学生活で学んだこと以上に大きかった」

日本の感覚では、18歳や19歳で進学しないことを「遅れ」と捉えてしまいがちです。
でも、学びたいことがあれば大学や専門学校はいつでも行けます。
急いで進むことより、自分が何をやりたいのかを見つけることのほうが、はるかに大事だと僕は思っています。


ここまで3回にわたってお話ししてきましたが、 正規留学は、決して軽い挑戦ではありません。

でも、その先には帰国生入試という入り口があり、面接で語れる中身があり、日本にいるだけでは名前も知らなかった仕事が並んでいます。

実際、文部科学省の調査では、留学経験者の9割が「留学経験が就職活動に良い影響を与えた」と答え、採用担当者の8割も「今後、留学経験者を積極的に採用したい」と回答しています。

「進路が遅れるのでは」と心配される親御さんはとても多いです。
でも、遅れるどころか、選べる道はむしろ増えていきます。

知らない世界を、自分の足で歩いてきてほしい。
自分の人生を、自分の物差しで決められる大人になってほしい。

そう願う方にとって、高校生のうちの正規留学がどれほど大きな意味を持つのか、もう想像がついているのではないかと思います。


進路の選択肢は、知らなければ選ぶことすらできません。

僕も娘の高校留学(カナダの高校に3年間)をきっかけに、親として様々なことを考え、家族で対話を重ねてきました。

そして、この8年間、YouTubeなどで情報発信するかたわら、同じような不安や疑問を抱える皆さんの応援をしてきました。

そうしたすべての経験を1つのカタチにした書籍『中高生の海外留学 知るたび、自分と未来が広がる本』を出版しました!

留学の基礎知識から、英語力、生活の不安、そして親御さんの疑問まで、包み隠さず本音で語っています。 ぜひ手に取ってみてくださいね。

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また、これから本気で留学の準備を進めたい、具体的なプランや現地の情報を相談したいという方に向けて、無料相談・無料カウンセリングも受付しています。

アメリカの大学留学経験者であり、娘の高校留学を応援してきた親の立場の留学パパと、15歳で英語力ゼロからカナダの高校に留学したエリンが、皆さんの不安や疑問について、一緒に考えていきます。

無理な「押し付け」や「留学ありき」の話は一切しません。 ぜひお気軽にメッセージくださいね。

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