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ゴルフをレジャーから習慣へ 「アポイントメントゴルフ」の可能性

今回は、米国で近年盛り上がっている「ゴルフリーグ」について取り上げたい。NGF(National Golf Foundation)のレポートによると、ゴルフ場が独自に運営したり、Twilight GolfSpark Golfといった全国組織が運営したりするゴルフリーグへの参加者数は、2019年から2026年にかけて68%増加(見込み)している。

同期間にゴルフ場でプレーするオンコースゴルファーは20%増加しており、現在その16%が何らかのゴルフリーグに参加している。

ゴルフリーグの伸び率(データ:NGF)

米国で盛り上がる「ゴルフリーグ」とは?

たとえば、Twilight Golf Leagueは、米国各地のゴルフ場で平日夕方に開催される9ホールのチーム対抗リーグだ。4人チームで参加する「3-2-1ベストボール」は、パー3では4人中上位3人、パー4では上位2人、パー5では1人のベストスコアを採用し、バーディ以上で3ポイント、パーで2ポイント、ボギー以下で1ポイントを獲得できる。このポイントを積み上げて、年間王者を決めるといった仕組みである。

Twilight Golf Leagueの案内

これらのリーグの多くは、性別や年齢、競技レベルを問わずに参加でき、ハンディキャップ不要で、1人からでもエントリーできるのが特徴だ。競技性よりも「仕事帰りに9ホールを仲間と楽しむこと」が重視されている。

米国ではパブリックコースの約3分の2が、受け入れ可能なプレー数の上限に達していると言われている。そのため、平日夕方など決まった時間に開催されるゴルフリーグは、ゴルフ場とゴルファー双方にとって、安定したプレー枠の確保というメリットにもつながっている。

米国で展開されている様々なゴルフリーグ

このような、決められた曜日や時間にゴルフをプレーするスタイルを、NGFは「アポイントメントゴルフ(約束されたゴルフ)」と定義している。誰と、いつ、どこに行くかを調整せずに、決められた日時に、決められた場所に行けば、さまざまな人とゴルフができる。この手軽さと社交性が、多くの人々を惹きつけているのだ。

さらに重要なのは「習慣化」だ。ゴルフリーグ参加者の年間ラウンド数は、参加していない人の2倍以上に達し、リーグに興味を持たないゴルファーと比べて、継続的にゴルフをプレーする可能性が高いことも分かっている。ゴルフが思いつきの行動ではなく、ルーティン化された日常に組み込まれることで、プレーに行くハードルが下がり、プレー頻度が上がるのだ。

一人予約との共通点

この「アポイントメントゴルフ」という考え方は、日本でもすでに別の形で芽生えている。先日、出張終わりに一人予約を利用して、熊本県内のゴルフ場でプレーをした。一緒になったのは、熊本市内に住む50代後半と60代後半の男性2人だ。

そのうちの一人に、なぜ一人予約を使うのかと聞いてみると、こんなことを言っていた。「地元の仲間でやると握るんです。この間もプレー代くらいを取られてしまって⋯」。だから、そんなしがらみのない一人予約が好きなのだという。「キャンセルも気兼ねなくできるし、予定の調整もいらないですから」

GDO1人予約」の顧客数は2025年、前年比9.9%の成長を遂げた。株式会社バリューゴルフが展開する「1人予約ランド」も、2026年1月期の総予約件数は約375万件と前年比8.9%増を記録しており、同社は「プレー日時やゴルフ場、交通手段等を自分の都合で決められる利便性がゴルファーに浸透していることで、今後一層の伸長が期待できます」と展望している。コロナ禍の特需以降、ゴルフ場全体の利用者数は減少しているにもかかわらず、一人予約の利用者数は右肩上がりに伸びている。

株式会社バリューゴルフの決算資料より

実際、この日同組で回ったお二人はとても親切でラウンドしやすく、ホールアウト後は挨拶をして即解散という手軽さも実に心地のよいものだった。

確かに、友人らと行くゴルフは、日程やゴルフ場、交通手段やラウンド後の予定などを考えて、調整する必要がある。それも特別な一日には違いないが、もっと手軽に一人でゴルフを楽しめる手段があれば、プレー機会が増えることは間違いない。一人予約もゴルフリーグも、支持される理由には多くの共通点がある。

ゴルフを「習慣化」する仕組み

日本には、ゴルフ場の月例競技などはあるものの、まだ全国組織のゴルフリーグは見当たらない。ゴルフリーグの本質は、「競技」そのものよりも「アポイントメントゴルフ」を生み出す仕組みをつくり、ゴルフを「特別なレジャー」から「習慣」へと変えていくことにある。

より自由で多様なゴルフの楽しみ方が広がる現代において、ゴルフリーグが担える役割は小さくない。新たなニーズに合わせた柔軟な仕組みづくりこそ、これからのゴルフを考えるうえで重要な視点となっていくだろう。

もっとゴルフに触れやすくするために

<了>

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