固有感覚を知らないと、やばい。
こんにちは。今日もつらつらと書き連ねていこうと思います。
今回は、小児のリハビリに関わるすべての人──特に、脳性麻痺の子どもたちと日々向き合っているセラピストや、それを志す人に向けて、ちょっと強めのメッセージを届けたいと思っています。
テーマはズバリ、
「固有感覚を無視した脳性麻痺児のリハビリは、子どもの可能性を潰している」
という話です。
リハビリが"空回りする理由"に気づいてますか?
脳性麻痺のお子さんたちのリハビリが難しいのは、もう目に見えて明らかですよね。でもその難しさの一部は、**私たちセラピスト自身の「固有感覚の見落とし」**にあるのかもしれません。
私自身、小児リハに携わって10年以上が経ちました。でも最初の頃は、固有感覚の重要性に全く気づかず、リハビリをただ"やらせるだけ"になっていた時期がありました。
今思えば、それは単なる時間の無駄ではありません。**「子どもの限られた時間と可能性を奪っていた」**んだと、心から反省しています。
こんな子、あなたの周りにもいませんか?
こんな子どもたち、見たことありますよね?
視覚情報に頼って姿勢をコントロールしている子
すぐに姿勢が崩れる子
姿勢が崩れても自分で気づけない子
転倒しそうになっていても気づけない子
力加減がわからず、学童期には他の子とトラブルになる子
これ、固有感覚の未発達が原因かもしれません。
もしあなたが「なんとなくそんな気がしてた」と思えるなら、あなたはもう、子どもたちのリハビリを"次のレベル"へ進められるセラピストです。
でも逆に、固有感覚に無関心なままでいると、どれだけリハビリをしても、子どもの可能性を引き出すことは難しいかもしれません。
そもそも、固有感覚って何?
固有感覚とは、自分自身の体の位置や動きを知覚する能力のことです。これは体性感覚の主要な要素として重要視されています。
この固有感覚は、視覚に頼らずに、身体の状態を把握するために不可欠な感覚で、姿勢制御や運動制御の"土台"として働いています。
つまり、視覚に頼らず自分の位置や動きを理解するという能力が、姿勢コントロールや運動コントロール、ひいてはボディースキーマ(身体図式)の形成につながっているというわけですね。
脳性麻痺児は「固有感覚の欠損」がある
研究では、脳性麻痺児の46%〜82%に固有感覚の障害が見られるという報告があります。その結果、バランス機能や運動の調整が難しくなり、日常生活動作(ADL)にも支障が出ているとされています。
つまり、「ボディスキーマがうまく作れない状態」で重力のある世界と戦っているのが、脳性麻痺の子どもたちなのです。
固有感覚はどこで感じる?
固有感覚は主に筋紡錘や腱器官、関節受容器といった部位で感じています。そしてそれらの部位から感じた情報は、脊髄小脳路を通って小脳に行きます。そこで情報が統合されてネットワークを形成し、そのネットワークによってボディースキーマが形成されていくのです。
私たちセラピストが子どもたちを治療するにあたって、この固有感覚の入力は一つの大きな武器になります。もちろん、バランスを取る際には、固有感覚だけでなく、固有感覚と視覚、固有感覚と前庭感覚など、いろんな感覚を統合していくことも重要です。
姿勢制御の"根っこ"にあるのは、固有感覚
脳性麻痺の多くは姿勢コントロールの困難さを抱えています。その根底には、固有感覚の入力不良→ボディスキーマの不完全さがあります。
言い換えると、「固有感覚の育ち」がなければ、どんなアプローチも"土台が崩れたまま"になる。
つまり固有感覚にうまくアプローチできないと、脳性麻痺の子どものリハビリでは非常に不利になるということが言えるでしょう。逆に言えば、固有感覚を育てることこそが、姿勢・運動の質を変える"カギ"になるということです。
どう固有感覚入力を高めるか?
じゃあ、どうやって固有感覚を育てていくのか?大事なのは以下のステップです。
① 筋緊張のコントロール
固有感覚は、筋肉が「適度に動く」ことで初めて働く
緊張が高すぎると筋紡錘が動かず感覚が入らない
逆に低すぎても動きが起きないので、入力ができない
→ だから、筋緊張の調整(リラクセーション or 活性化)は最初の一歩。
② アクティブな運動の中で入力する
パッシブな刺激だけでは感覚は育たない
子ども自身が動いて、自分で重心をコントロールする状況を作る
重心を高い位置に保ちながら自分でコントロールしていく経験が重要
→ これが運動学習につながり、感覚と運動のリンクを強化します。
明日からできる!固有感覚を高めるための3つのアクション
評価を見直す:従来の関節位置覚テストだけでなく、視覚遮断時の姿勢保持能力や力加減のコントロールなど、日常生活での固有感覚の使われ方を観察しよう
治療前の準備:介入前に適切な筋緊張状態を作るための時間を設け、固有感覚の入力を最適化しよう
能動的活動の工夫:子どもが「感じながら動く」体験ができるように、遊びの要素を取り入れた能動的な活動を増やそう
最後に
私たちセラピストができることは、「やらせる」ことではなく、子ども自身が"感じて、動ける"身体を育てることです。
固有感覚を育むことは、そのための入り口であり、土台でもあります。ぜひ、明日のリハビリから「感覚の入力」を意識してみてください。子どもの未来は、"感じる力"から変わります。
もっと学びたい人へ
もっと小児のリハビリについて学びたい人はぜひぼくのInstagramのアカウントや公式LINEへのご登録をお願いします!
Instagram
公式ライン

このブログの内容が少しでも参考になれば嬉しいです。コメントや質問もお待ちしています。一緒に学び、成長していきましょう!
