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ノクターン第2番 楽曲分析

今回はショパン(1810~1849)ノクターン第2番変ホ長調の楽曲分析を行います。ショパンはノクターンを約20曲遺しましたが、この第2番が彼のノクターンの中で特に有名なものとなり、ショパン全楽曲の中でも知名度が高いものとなりました。クラシックを知らない方でも聞いたことがある経験があると思います。いったいどのような構造をしているのか、さっそく見ていきましょう。


1 拍子、調、構造

12/8拍子、調は変ホ長調
AーA'ーBーA'ーBーA'ーC
の構成です。
ABを繰り返しながら最後はコーダにあたるCで曲を締めくくります。
コーダ付きのロンド形式ととれるでしょうか。

この曲はショパンの作品でも特に初期の作品であり、この他にノクターン第1番、第3番とまとめられ、作品9として出版されました。この作品群はノクターンの創始者であるジョン・フィールド(1782~1837)の影響が強く反映されており、まだ彼らしい作曲語法は見受けられません。

2 解説

① A 0:00~

A

Andante(アンダンテ。歩くような速さで)の指示があり、♪=132の指定があります。12/8拍子舟歌のような雰囲気を出す中、Aの部分は4小節からなる簡潔なものです。

変ホ長調ですが、2小節目ですぐにへ短調に転調し、3小節目ではハ短調に転調、4小節目で元の変ホ長調に戻るという1小節ごとに転調を繰り返しています。

② A' 0:32~

A'

A'ではAの変奏が行われます。和声は変わらずに、Aのメロディを基に16分音符で装飾が加えられています。今後再現されるAA'の方であり、Aの部分は今後現れません。

③ B 0:59~

B

Bの部分は変ロ長調で開始し、2小節目変ホ長調準固有和音(サブドミナントマイナーのこと。長調の曲であるとき、同主調(ここでは変ホ短調)の下属和音、およびその代理和音を借用すること)が現れすぐに変ホ長調に戻ります。

3小節目では変ロ長調におけるII(C7/E)ーV(F7)ーVI(Gm)の進行(セカンダリードミナントと偽終止を用いている)が現れ、続く4小節目1~6拍目IV(Cm)ーV(F7)の和音が現れ変ロ長調で終結すると、7拍目からは1拍ごとに和音が変わります。

Bの4小節目の7拍目から順にB♭ーB7/AーE/G#ーC7/GーF7ーB♭7の和音が現れます。ショパンならではの半音階を生かした和声の部分でしょう。
Bの部分全体的にリタルダンド、ラレンタンドを利用してテンポを揺らしていますね。

③ A' 1:29~

A

2回目のA'は1回目のA'とほぼ変わりはありませんが、A'の1小節目の6拍目の和音の変更、4小節目のフレーズが更に細かくなるという2つ変更点があります。

④ B 1:59~

B

2回目のBもほぼ変更は無く、2小節目のフレーズの一部が変更されたのみです(赤丸で囲った部分)。

⑤ A' 2:29~

A'

3回目のA'です。2回目のA'との違いはこちらも最後の小節のフレーズがまた変えられているのみで、他の変更点はありません。

⑥ C 3:00~

C

Cの部分は変ホ長調準固有和音(A♭m)主和音(E♭)の和音の繰り返しのもとメロディが奏でられます。2小節目の7拍目からは"poco rubato(ポコ・ルバート)"の指示があります。これは「少し自由なテンポ」でという意味です。だからと言っていきなり早くするのはお門違いです。楽曲の雰囲気を壊さないようなテンポ設定をしましょう。3小節目では"sempre(常に)"の指示がありますので、"poco rubato"を維持しながら曲が進みます。10拍目からは"dolcissimo(ドルチッシモ。大変柔らかく)"の指示がありますので、全体的に甘美なイメージで演奏するとよいでしょう。

C後半

Cの5~6小節目1~2小節目のフレーズを変形させたものです。
2小節目では"con forza(コン・フォルツァ。力を持って)"の指示がありますが、ここではP(ピアノ。弱く)のままなので乱暴にならないようにしましょう。6小節目10拍目からは"stretto(ストレット。緊迫して)"の指示がありますので、少しずつテンポを速めます。この部分では最低音が半音ずつ上がっていくので、緊迫していく雰囲気が出しやすいと思います。

8小節目で”senza tempo(センツァ・テンポ。自由なテンポで)”となり変ホ長調の属和音(B♭7)を打つと、16分音符C♭ーB♭ーCーAの音型を12回繰り返し、"rallent. e smora(ラレンタンド・エ・スモルツァンド。だんだん遅く、そしてだんだん静まりゆくように)"のとおり、テンポと音量を落として、最後は"a tempo(ア・テンポ。テンポを戻して)"の指示のもと、変ホ長調の主和音のアルペジオを奏で、3回変ホ長調の主和音を鳴らして曲を締めくくります。

3 総括

以上となります。いかがでしたか?
構成は非常にシンプルで特に難しい部分もありませんでした。
ただ転調はショパンの他の作品と変わらずに多いので、和声の流れには気を付けなければいけません。ショパンの作品の中では技術的には簡単な部類に入ります。ある程度ピアノが弾けるようになったら挑戦してみたい1曲です。

作品9の他の解説はこちらから

それでは、ご覧いただきありがとうございました。

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