イグアナを見に行く
I can still remember
When I was just a kid
When friends were friends forever
And what you said was what you did
クルマの中ではパートナーが持って来たCDを流していた。
中学時代に大好きだった曲がかかる、だが中年になって聴けば苦い。
口にすることは、やり遂げることだったか。
友達はただ友達で在り続ける、そんな季節はあったと思うのに。
彼らはもう何年も会っていないのだ。
それでも「電話をくれよ、駆けつける」と歌っている。
「血の盟約だ」、と。まだ誓いが果たせるみたいに。



ガラスの水槽で、人工的な光を浴びながら生きている。
陽光だというように風があるように、自分を保ち続ける。
これだけ囲われても命は命なのだろうか。
その野性に惹かれても、彼の姿を見続ける生活には耐えられそうにない。
これは孤高じゃない、孤独だ。
誰も見ていない瞬間に、そっとパートナーに触れる。何度も。
出会った頃は、30代と40代だった。夢を口にした。今はちがう。
あと何回の晩餐、あと何回会える?
平気な顔で生きるのが苦しい。こんな暮らしは狂ってる。
米を 10kg 買ったらパートナーが支払ってくれた。
なぜそんなことをするのか。
他人なのに。
もうじき別々の水槽に入れられてひとり死を待つのに。
どうしてクルマを手放せないか、分かってる。
逃げられる気がするからだ。一緒に死ねるチャンスだからだ。
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