「能面検事(第7話)」検察を相手に犯罪集団が動く世の中は危険すぎるだろう・・。
前回から犯人役を務める夙川アトム。彼が犯罪者を演じるのは比較的珍しい印象だが、切迫した心理状態を巧みに表現していた。近年、「犯罪者顔」と呼ばれるような特有の雰囲気を持つ俳優が少なくなっているため、今後彼に対するオファーが増える可能性もあるだろう。物語は、前回のテロ行為からさらに発展し、今回は「検察庁への立てこもり爆弾魔」へとエスカレートする。
犯人は庁舎入り口で荷物検査を受けるものの、爆弾を身体に装着していたため発見されなかったという設定である。彼の動機は「弟が無理な労働を強いられ死亡した」という恨みに基づく。しかし調査の結果、弟は独立して本格的にガーデニング事業を始めるため、自ら望んで金を稼ごうとしていたことが明らかになる。したがって、夙川のテロは根拠の乏しいものであり、上川隆也演じる検事は丸腰で爆弾魔と対峙する。これは通常であれば極めて困難な行為だが、彼の「能面のような表情」を持つ検事像がその説得力を担保していると言える。さらに夙川は、「安井順平を解放すれば人質を解放する」と要求する。彼が「ロスト・ルサンチマン」の一員である可能性は示唆されるが、背後に指揮系統が存在することも示され、安井自身も関与しているのかどうかは今回では明確にならなかった。
一方、人質となった場面では監視カメラが破壊され、観月ありさがスマートフォンを用いて内部の様子を外部に伝えようとする。しかし、この行為は極めて危険であり、実際の場面でも勇敢な素人が同様の行動を取る可能性は否定できない。テロ対策が頻繁に語られる現代においても、現場で生じる事態は想定を超えることが多い。特に日本は危機管理において甘さが指摘されており、本作はその問題意識を浮き彫りにしている。
物語は最終的に夙川の逮捕によって幕を閉じる。しかし大きな進展は見られず、むしろその後の展開が衝撃的である。吉谷彩子の帰宅を案じて上川が同行しようとした際、彼自身が刺されるのだ。このドラマで二度目の襲撃であり、真実を追求する上川の存在こそが犯人にとって最も厄介であると映ったのだろう。
刺客が背後の首謀者であるかは依然不明であるが、社会への不満を抱える者たちを糾合し、復讐という形で社会に脅威を与える構造は、現代日本においても十分に起こり得る。こうした集団的犯罪は、その全体像や構造が把握しにくい点に特徴がある。同時期に放送されている他局の「放送局占拠」とも重なる部分があり、現実に起こらないことを祈りつつも、集合しなければ強く発言できない人々が未だ多数存在するという事実を映し出している。こうした状況は「令和の日本人」の複雑さを示すものであり、もしそこに外国人が加わるなら、さらに事態は複雑化するだろう。だからこそ、差別や区別といった態度は避けるべきである。いずれ刃はその差別を行った者自身に向かう可能性が高いからだ。
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