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「クロスロード ~救命救急の約束~(第3話)」不法滞在、無保険、それでも命は同じという矛盾の中で闘う

最後に磯村勇斗が今田美桜に「闇医者でもやりますか」という問いを投げかける。すると今田は「そうでもしないと助けられない患者がいるのなら……」と答える。ここで今田は、あくまで人命を守ることに徹する医師として描かれている。ドラマ内で扱われる政治的問題に彼女を直接関与させない構成は、巧みな脚本上の工夫と言えよう。それゆえ、彼女の内面には大きな矛盾が生じていない。

今回の主題は、外国人の不法滞在および就労問題である。こうした人々が病気になった際、病院を受診できないという困難な状況が描かれる。また、本作に出演する外国人俳優たちも、日本において俳優という職業に従事するために来日しているのであろう。彼らを抱える事務所の管理も、決して容易ではないと推察される。近年、日本における移民問題がしばしば議論の俎上に載せられているが、日本はこの問題を軽々に語ることのできる国ではない。そして、こうした政策を決定しようとする立法機関こそが、当該事象を最も理解していないように思われる点は、看過し難い事実である。

本作の舞台である医療現場は、こうした問題が可視化されやすい場であるのかもしれない。事故現場から搬送された男性が、傷の癒えぬうちに逃走する。その住居には、感染症の疑いがある人々が身を寄せている。彼らを、言語を解する医師(森崎ウィン)が診察するのである。数々の規範に反する行為を経て初めて、彼らの生命が守られるという状況が浮かび上がる。

この事実を知った磯村は、外国人が搬送されてきた際、一度はこれを拒む。それはごく自然な反応であろう。しかし、命の重さに貴賎はないという信念を持つ今田は、目の前の命を救うことに全力を尽くす。

この問題を扱うにあたり、本作は警察や救命士をも巻き込む構成をとっており、その点でわかりやすい。実際、様々な法的制約がある中でも、日本を「稼げる国」として来日する人々が今なお多いという現実は変わっていないのかもしれない。だが、この不況下にあって、それを是正しようとしない政府の姿勢があるならば、当事者たちはこうした状況において一層の困惑を強いられるであろう。日本があらゆる意味において安全な国とは言い難いことも、本作は描き出している。

ある意味で中途半端な立場ではあるが、森崎の演じるような医師も存在するのだろう。そして、それと対峙しながら思い悩む磯村のような医師もまた存在する。これは難しい問題である。今田はこの問題に深く踏み込まない役どころであるがゆえに、彼女はいわば女神のような存在として映る。すなわち、役柄への不満が過度に増幅しないよう、病院に勤務するベトナム人との交流場面を意図的に簡略化し、彼女の医師としての心理的均衡が崩れないよう描かれている。これはこれで妥当な演出と言えよう。

そうした意味において、本作にはかなりの脚色ないし濾過が施された描写も少なくないが、それでもなお視聴者にこうした問題への関心を喚起することには成功している。各話ごとの焦点が明確に定まっている点も評価に値する。今後、今田の演技がいかに勢いを増していくのか、楽しみである。


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