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『天幕のジャードゥーガル』、6話までと7話からでは景色が違う――そして、いよいよボラクチン

※TVアニメ第7幕までの内容を中心に書いています。

『天幕のジャードゥーガル』を見ていて、ふと思った。

あれ? このアニメ、7話から急に面白さの種類が変わってない?

もちろん、1話から6話までも面白かった。

むしろ、あの6話までがあったからこそ、7話からの面白さが効いてくる。

6話までの『天幕のジャードゥーガル』は、シタラと一緒に「知らない世界」を見ていく物語だった。

そして7話からは、その世界にいる「人間たち」が一斉に動き始める。

特にオルド。

ここからが、かなり怖い。

そして、かなり面白い。


まず、ファーティマなんですよね

この作品を語るとき、私はどうしてもファーティマから話したくなる。

シタラに文字を教え、知識を与えたファーティマ。

シタラにとって、ファーティマは単なる「育ててくれた人」ではない。

世界を見るための目をくれた人だった。

だからこそ、そのファーティマをモンゴル軍によって奪われることの意味が大きい。

シタラの人生は、そこで完全にひっくり返る。

そして皮肉なのが、

「自分からすべてを奪ったモンゴル帝国の中で、ファーティマからもらった知識を使って生き残る」

ことになるところ。

これが本当に面白い。

剣を持って復讐するわけではない。

軍隊を率いるわけでもない。

シタラが持っている武器は、

知識。

これだけ。

でも、その「知識」が、モンゴル帝国の中では思った以上に強い。

公式サイトでも、第1幕からシタラとファーティマ、そして「知」をめぐる物語が描かれている。

『天幕のジャードゥーガル』公式サイト・第1幕〜第7幕のストーリー


シタラと一緒に「モンゴル」を知っていく

1話から6話までを見ていると、私たちもシタラと一緒にモンゴルの世界を知っていくことになる。

最初は、

「モンゴル=自分の故郷を奪った敵」

だった。

でも、オゴタイが出てきて、トルイが出てきて、ソルコクタニが出てきて、さらに宮廷の人間関係が見えてくると、

「あれ?」

となる。

モンゴル帝国って、全員が同じ方向を向いているわけじゃないんだ。

当たり前といえば当たり前なのだけど、巨大な帝国を「モンゴル」という一つの塊として見ていた自分に気づかされる。

皇帝にも事情がある。

皇族にも事情がある。

妃たちにも事情がある。

そして、もちろん奴隷として連れてこられたシタラにも事情がある。

そうやって少しずつ、

「帝国」

という大きなものが、

「この人」

「この人」

「この人」

という、人間の集まりに変わっていく。

ここが『天幕のジャードゥーガル』の好きなところだ。


そして6話。

6話「メルゲンの民」で、もう一人の女性の人生が見えてくる。

ドレゲネ。

ここで私は、

「あ、この作品はシタラだけの復讐の話じゃないんだ」

と思った。

シタラはペルシアから奪われた。

ドレゲネもまた、モンゴルによって人生を奪われた。

立場も違う。

生きてきた場所も違う。

性格も違う。

でも、

「奪われた側」

というところでつながる。

この二人が出会うことで、物語の見え方が変わってくる。

それまでシタラの復讐は、かなり個人的なものだった。

「ファーティマを奪ったモンゴルが憎い」

それは当然だ。

でもドレゲネと出会うことで、

「自分以外にも、奪われた人がいる」

と知る。

そして、

復讐するなら、どうする?

という話になってくる。

ここからシタラの「知識」が、いよいよ本格的な武器になっていく。


そして7話。

ここで空気が変わった。

タイトルは「兄弟」。

……いや、兄弟の話なんだけど。

見ている側としては、

「いやいや、その兄弟関係だけじゃないでしょ!」

となる。

なぜなら、その裏側で女性たちが動いているから。

シタラとドレゲネが、それぞれの立場を利用して動き始める。

ここから、

「誰と誰が味方なの?」

「この人、今どっちを見てるの?」

「その笑顔、本当に笑ってる?」

みたいな世界になってくる。

そして、これが楽しい。


オルド、怖い。

『天幕のジャードゥーガル』を見ていると、

オルドって怖いな……

と思う。

戦場じゃない。

剣を抜いているわけでもない。

みんな普通に話している。

でも、その会話の裏側で、

「この人をどう使うか」

「この情報を誰に渡すか」

「誰を信用するか」

「誰を利用するか」

が動いている。

笑顔でお茶を飲みながら、帝国の未来を左右する話をしている。

怖い。

でも、

めちゃくちゃ面白い。

そして、ここから「人物相関図」を見るのが楽しくなってくる。

公式サイトには各幕の相関図も掲載されているので、7話まで見た人はぜひ見比べてほしい。

「あ、この人とこの人、そういう関係だったのか!」

という発見が結構ある。


そしてボラクチンですよ

ここで、いよいよ気になってくるのがボラクチン。

公式サイトには、すでにボラクチンのキャラクターページも登場している。

公式サイト「ボラクチン」キャラクターページ

この人がオルドに入ってくると、どうなるのか。

いや、正確には、

「この人が入ってきたら、今までの人間関係がどう見えるようになるのか」

が楽しみなんですよね。

シタラ。

ドレゲネ。

ソルコクタニ。

そしてボラクチン。

女性たちがそれぞれ違う立場から帝国を見ている。

そこに「知識」を武器にするシタラがいる。

これは絶対に面白い。


女性たちが本当に面白い

この作品、男性皇族だけ追っていても面白い。

でも、女性たちを追い始めると、さらに面白くなる。

ドレゲネ。

ソルコクタニ。

そしてボラクチン。

みんな「皇族の妻」という立場にいる。

でも、考えていることは全然違う。

夫のために動く人。

自分の一族のために動く人。

自分自身の生存のために動く人。

復讐のために動く人。

そして、帝国そのものを見ている人。

そこにシタラが入ってくる。

奴隷として連れてこられた少女が、

「知っている」という一点だけを武器にして、彼女たちの世界へ入っていく。

この構図が面白すぎる。


海外でも、この作品はどう見られている?

ここも気になるところ。

『天幕のジャードゥーガル』は日本だけで放送されている作品ではない。

英語圏では『Jaadugar: A Witch in Mongolia』として展開され、2026年にはAnime Expoでアメリカ初上映も行われた。

フランスのJapan Expoでも上映されている。

つまり、

ペルシアとモンゴルを舞台にした日本の歴史アニメ

が、その舞台とはかなり遠いアメリカやフランスでも見られている。

これは結構すごいことだと思う。

海外の反応を見ていると、

「こんな時代を扱うアニメは珍しい」

「絵が美しい」

「ペルシア文化を扱っているのが新鮮」

「モンゴル帝国をこういう視点から描くのが面白い」

といった反応が目につく。

特に面白いのが、

「かわいい絵なのに、話が重い」

という反応。

これは日本でも海外でも共通しているように思う。

確かにそうなんですよね。

絵だけ見ると、柔らかい。

でも内容は、

奴隷。

侵略。

復讐。

政治。

権力争い。

……全然かわいくない。


モンゴルの描写も、かなり本気

そしてモンゴル。

ここは制作側のこだわりがかなり強い。

モンゴルでロケハンを行ったり、現地の文化を実際に体験したり、モンゴル語の指導を受けたり。

さらに、モンゴル出身の力士・玉鷲関と玉正鳳関が声優として参加している。

単純に、

「昔のモンゴルっぽい風景を描いてみました」

ではない。

できるだけ実際の文化や生活を知ったうえで描こうとしている。

だからゲルの中の生活や、人々の動き、食べ物、服装などを見ていると、

「この世界、本当にそこで生活している人がいそう」

と思える。

こういうところが、作品に入り込みやすい理由なのかもしれない。


SNSで話題になっているのも、なんとなく分かる

放送後のSNSを見ていると、作品そのものへの驚きだけではなく、

「もっと早く見ればよかった」

みたいな反応もちらほらある。

そして、

「歴史アニメなのに見やすい」

「絵がかわいい」

「でも話が重い」

「シタラが頭を使って生き残るのが面白い」

「人物が増えてきて面白くなってきた」

という感じ。

特に7話まで来ると、

「人物相関が分かってくるほど面白くなる」

タイプの作品になってきたと思う。

最初はシタラを見る。

次にファーティマを見る。

モンゴルを見る。

オゴタイを見る。

トルイを見る。

ソルコクタニを見る。

ドレゲネを見る。

そして、

「あ、この人とこの人がつながってるのか」

と分かってくる。

その瞬間に、同じ会話が違って見える。


ところで、トマトスープ先生といえば……

ここで思い出したいのが、

『ダンピアのおいしい冒険』

です。

「タンビア」ではなく「ダンピア」です(笑)。

これ、まだ読んでいない人には本当におすすめしたい。

主人公は17世紀のイギリス人航海者・ウィリアム・ダンピア。

未知の土地を旅して、人々に出会い、動植物を観察し、そして食べる。

そう、

食べる。

『天幕のジャードゥーガル』を見ていると、

「トマトスープ先生って、歴史の中の人間の生活を見るのが好きなんだな」

と感じる。

戦争や王様だけじゃない。

その時代の人が、

何を食べていたのか。

何を知っていたのか。

どんなものを怖がっていたのか。

どんなものに興味を持っていたのか。

そこを見る。

『ダンピアのおいしい冒険』も、まさにそこが面白い。

『天幕のジャードゥーガル』から入った人が、

「この作者、前はこんな作品を描いていたのか!」

と読んでみるのも面白いと思う。


6話までと7話から。

こうして振り返ってみると、

6話までと7話からでは、作品の景色が違う。

6話まで。

シタラと一緒に世界を知っていく。

ファーティマから教わった「知識」を頼りに、知らない世界で生き残っていく。

モンゴル帝国を知る。

ドレゲネを知る。

そして、

「奪われたのは自分だけじゃない」

と知る。

そこから7話。

今度は、

その帝国を動かしている人間たちが動き始める。

オルドが面白くなる。

女性たちが面白くなる。

人間関係が面白くなる。

そして、その先にボラクチンがいる。


公式映像もぜひ見てほしい

文章であれこれ説明するより、一度公式映像を見ると、この作品の空気が分かる。

特におすすめなのが「モンゴル編開幕PV」。

シタラとドレゲネが、これからどんな世界へ入っていくのか。

作品の雰囲気がぎゅっと詰まっている。

公式YouTube「TVアニメ『天幕のジャードゥーガル』第1弾PV」

こちらは作品そのものの導入を見るのにおすすめ。

公式YouTube「TVアニメ『天幕のジャードゥーガル』ティザーPV」

そして、公式サイトではPVだけでなく、各話の場面カットや人物相関図も公開されている。

『天幕のジャードゥーガル』公式サイト

ボラクチンについてはこちら。

公式サイト「ボラクチン」


そして、次はボラクチンの天幕へ

『天幕のジャードゥーガル』って、結局、

「歴史を勉強するアニメ」ではなく、歴史の中にいる人間を覗き見するアニメ

なんじゃないかと思う。

王様が何をしたか。

戦争がどうなったか。

それももちろん面白い。

でも、それ以上に、

「この人、今なに考えてるんだろう?」

と思わせてくる。

そして、そう思い始めたら最後。

オルドから目が離せなくなる。

シタラ、ドレゲネ、ソルコクタニ、ボラクチン。

それぞれが何を見て、何を考えて、誰を利用するのか。

第7幕から、いよいよ天幕の中が騒がしくなってきた。

そして次は――

ボラクチンの天幕。

これは、かなり楽しみです。

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