【サブ3は走力じゃなく思想】黒マグーロ社長と姫路対談・宍粟市で見つけたランニング観
春の兵庫県を舞台に繰り広げられた、ランナーたちの想いと挑戦の物語
姫路城周辺でのジョギング対談から、翌日の宍粟市さつきマラソンまで、濃密な2日間を振り返ります。
春風そよぐ姫路で、ランナーの本音が交わる
4月18日(土)
新緑が気持ちよく香る季節に、YouTuber「朝ランナーとも」と、マグーロ実業(社長)の黒マグーロさんが姫路城周辺で走りながら対談するという、従来のインタビュー形式とは異なるアプローチが実現しました。笑
「走りながら対談」
この企画が面白いのは、単なる移動手段ではなく、ランナー同士が一緒に走る時間の中で自然と言葉が交わせることです。
どこかに座って質問に答えるのではなく、共に歩みを進めながら互いの経験や考え方を共有する。その中にこそ、リアルなランナーの声が隠れています。
黒マグーロ社長が語る、サブ3達成への道のり

対談の中で最も印象的だったのが、黒マグーロ社長のマラソン経歴です。
2024年の神戸マラソンで3時間16分という見事な完走から、わずか2回目の出場となった2026年の姫路城マラソンで2時間47分を記録
その劇的な進化は、単なる努力だけではなく、戦略的なトレーニングに支えられていました。
特に注目すべきは、彼が語った「サブ3達成の秘訣」です。
多くのランナーが陥りがちな落とし穴について、黒マグーロ社長は率直に語ります。サブ3を目指すランナーの多くは、1kmあたり4分15秒というサブ3の目標ペースに注目します。
2時間59分20秒でゴールできるこのペースは、確かに一つの指標になります。しかし現実のレースでは、コース上の起伏や給水、混雑、疲労など無数のロスタイムが存在
一般的にはサブ3達成には1km当たり4分15秒から12秒程度の走力が推奨されています。しかし、黒マグーロ社長はこの標準的なアプローチではなく、「壁を作らない」という哲学を貫きました。
彼は4分15秒という「サブ3のためのペース」にこだわるのではなく、より速い4分ペースで日々の練習を意識したのです。
このアプローチは、「上のレベルを目指して練習すれば、目標以下のレベルは自動的に達成できる」という単純だが強力な論理にあります。
月間走行距離や週単位でのトレーニング計画も重要ですが、サブ3を目指すランナーの月間走行距離は200~300km以上が多いという統計的事実と比較すると、黒マグーロ社長がどの程度の走り込みを実施していたか推察できます。
短パン漢、黒マグーロ社長のこだわり

対談では、黒マグーロ社長の「短パン」という個性的なランニングスタイルについても話題になります。
年間を通じて短パンで走るというスタイルは、一見するとただの好みのように見えますが、実は走力とメンタルの強さの表れです。
特に冬場での短パン走行に関して彼は率直に「気合いですね」と答えています。
気象条件の悪い環境下での練習に対して、精神的な強さで向き合うというアプローチは、長距離走の本質的な側面を示しています。
練習環境の快適さよりも、設定した目標に向かう意志の強さを優先するというメンタリティは、成績向上に直結します。
興味深いことに、黒マグーロ社長は愛用の短パンについてのエピソードも披露しています。
プロジェクトBの関係者から贈られた「ミトパン」という、サイズが大きめだったため下着の上から履くといった注意書き付きのショーツについて
こうした細部にわたるこだわりやユーモアが、ランナーたちの日常の中に溶け込んでいます。
ジョグシューズは「10足以上」~シューズ選びの哲学

黒マグーロ社長が保有するジョグシューズは10足を超えるという、多くのランナーにとってうらやましい状況を語った際、その選択基準が明確に示されました。
彼が最も信頼を置くシューズはアシックスの「スーパーブラスト2」です。
シューズ選びにおいては、自身の足型、走り方の癖(プロネーションタイプなど)、トレーニング内容(デイリーラン、ペース走、スピード練習)に合わせて最適なシューズを選ぶことが重要という原則を、黒マグーロ社長も実践しています。
彼の評価では、スーパーブラスト2は「柔らかすぎず、反発もそこそこあり、リアクションが良い」とのこと
ジョグのペースを4分10秒程度まで広げられるという汎用性の高さも評価のポイントです。
また、アシックスの「ノヴァブラスト4」について語ってくれました。
「5よりも好きである理由は、ふわふわすぎず安定感がある」と説明
ニューバランスの「レベル5」についても軽さと反発力のバランスが秀逸だと語ります。
こうしたシューズの詳細な評価から見える点は、高いトレーニング水準を保つランナーほど、使用ギアに対する知識が深いという現実です。
最後に黒マグーロ社長が打ち明けた「嫁さんの許可がないため、バレないようにシューズを増やす方法を考えている」という発言には、多くのランナーが共感することでしょう
この何気ない一言に、ランニングコミュニティの人間臭さが詰まっています。
月間1000kmにチャレンジ

対談の大きなテーマの一つが、黒マグーロ社長が先月達成したという「月間1000km走破」です。月間900kmと1000kmの違いについて聞かれた彼の答えが印象的です。
まず、1000km走破に対する自己評価として「速くはなってない」「体重も増えた」という正直な回答が返されました。
月間900kmと1000kmの大きな違いは、「1日30kmでは足りない」という点に集約されます。毎日最低33km以上を稼ぐ必要があるため、平日でも休日でも一定のペースを保たなければなりません。
彼の表現を借りれば「フルマラソンで40km地点を過ぎてもまだ2km残っている、その感覚を毎日味わってた」ということです。
これは物理的な疲労だけでなく、精神的なプレッシャーの継続を意味します。
それでも黒マグーロ社長は「今後も1000km挑戦をする」と宣言しました。その理由は・・・「ジョグが好きだから」
この言葉の中に、ランニングの本質が凝縮されています。
マグーロ実業2026の目標

黒マグーロ社長が務めるマグーロ実業は、「尖がったグループ」であり続けることを目指しています。
2026年の具体的な目標として挙げられたのが、「会長のお膝元である香川での練習会開催」と「社員募集」です。
マグーロ実業への入社基準は「月間500km」
ただし例外的に、メンタルの強さで補っている人材や、「底抜けに明るい」という個性を持つランナーも受け入れているとのことです。
これは単なるスポーツクラブの枠を超えた、価値観の共有に基づくコミュニティ形成を目指しているという意思表示に見えます。
宍粟市さつきマラソン~春の兵庫を舞台に
姫路城での対談の翌日、舞台は宍粟市へ移ります。
宍粟市さつきマラソン大会は、「みんなで走ろう 春風そよぐ しそうの里を」をスローガンに、毎年全国各地から多数の参加を得て盛大に開催されている大会です。

会場となる山崎スポーツセンターは、中国自動車道山崎インターチェンジ近くに位置し、車でのアクセスが便利です。
コースは県道429号線の往復コースで、エイドステーション(給水所)は12箇所と多く、救護所やAED設置箇所も複数配置されているという安全・サポート体制が整備されています。
参加種目はハーフマラソン、10km、5kmの3つで、参加人数は1400~1500人規模です。
制限時間は2時間30分で、計測はグロスタイムのみ。
完走証は即時発行されるという運営の効率性も高く、大会後は気分良く過ごせるような配慮がされています。
参加費用は4500円程度で、参加賞にはミズノ製バッグが用意されるなど、参加者への心遣いが随所に感じられます。
この大会の特色は、ゴール時に満開の八重桜があなたのゴールを出迎えるという演出で、単なる記録狙いではなく、春の季節を体感しながら走るという経験を提供している点にあります。
4月という季節選択も、新緑と桜のコントラストを最大限に活かした、大会運営側の気配りが見て取れます。
コース上には複数の給水所が用意され、上牧谷給水所、学遊館給水所、上ノ下給水所、そして地域の有志による私設給水所(宇野・中野)など、ランナーのニーズに応える体制が整っています。
これらのエイドステーションは、単に水分補給のためだけではなく、地域のランナーと交流する場としても機能しており、マラソン大会の楽しさを引き出す重要な要素です。
実戦レポートー朝ランナーともの走り

レース前半は比較的落ち着いたペース配分で、1kmあたり4分8~12秒というペースを維持
折り返し地点での下りを活用しながら、後半へと向かいます。
具体的には、1km地点で4分9秒、2km地点で4分8秒というペースで進行し、3km地点で4分12秒、4km地点で4分20秒と、若干のアップダウンがありながらも安定したペースで走りました。
6km地点で4分11秒というペース回復をした後、最終スパートで8km地点では4分18秒、ラスト1kmを4分3秒という速いペースで追い込みをかけた結果のタイムです。
「思ったより下りでスピードが出ず、前半の上りでロスが大きかった」と分析。完全にベストを尽くしたわけではないという謙虚さが、彼のランナーとしての姿勢を示しています。
特に印象的なのは、コース特性を理解した上での戦術的な走りです。
上り区間では無理をせず、下り区間で積極的に時間を稼ぎ、最後の力をスプリントに集中させるというアプローチは、経験豊富なランナーならではの判断が働いています。
マラソンの段階的な目標設定

黒マグーロ社長の経歴と走りから、学べることは何か?
それは「段階的な目標設定の重要性」です。
サブ3.5を達成した多くの人が、サブ3を目指してトレーニングをしているという現実は、マラソンが継続的な改善を促すスポーツであることを示しています。
さらに、40~50代やマラソン初心者でもサブ3を達成しているランナーが存在するという事実からは、年齢やキャリアに関わらず挑戦が可能であることが分かります。
ただし、現実的には多くの努力が必要です。サブ3達成のためには、少なくともマラソン大会の4~5ヶ月前からレース向けの練習を始めていた方が良いというのが一般的な指針です。
トレーニングの実践的ポイント
スピードを重点的に鍛えたい方は、より短い距離をダッシュするショートインターバルを行うことがおすすめされています。
具体的には1kmインターバルを3分40秒程度で走る練習が、サブ3のペースに体を慣らすために効果的とされています。
同時に、速く走るには筋肉も必要であり、初心者の方は筋力トレーニング(筋トレ)で下半身の筋肉を中心に鍛えるのが良いという指摘も重要です。
黒マグーロ社長が実践した、「目標ペース以上で練習する」というアプローチは、これらの標準的なトレーニング理論を高いレベルで実装したものだと言えます。
スタミナを鍛える練習では、3時間走や30kmのペース走が活用されます。
レース本番1ヶ月前に30km走を1km当たり4分15秒のペースで余裕をもって走り切れば、サブ3達成はかなり現実味があります。
実際にトレーニング期間の初期段階では、このペースで走り切れないかもしれません。しかしそうした体験から「今の自分に足りないもの」を把握し、その後のトレーニングをしっかり積むことが成功への道のりなのです。
ランニングシューズの選択戦略
黒マグーロ社長が10足以上のジョグシューズを保有していることについて、単なる趣味の領域と捉えるべきではありません。
これは科学的トレーニング計画と密接に関連しています。
サブ3を目指すランナーにとってシューズの選択は、決して見過ごせない要素です。ご自身の足型、走り方の癖(プロネーションタイプなど)、トレーニング内容によって最適なシューズが変わるためです。
黒マグーロ社長がアシックス、アディダス、ニューバランスといった複数ブランドにまたがって選定している理由は、各シューズが異なる走りの目的に対応しているからです。
たとえば、日常のジョグであれば、クッション性と安定性を兼ね備えたシューズが好ましい。しかしスピード練習の際には、軽量性と反発力が重視されます。
インターバル練習では、脚への負担を考慮して反発力の強いシューズを選ぶというように、走種目ごとにシューズを使い分けることが、結果的にパフォーマンス向上と故障予防に繋がります。
加えて、レース本番用のシューズについては、軽量性と推進力の両立が求められます。カーボンシューズの活用も有効で、下への反発力を前方への推進力に変えるフォーム習得と組み合わせることで、最大の効果が期待できます。
月間走行距離と実現可能性
サブ3を目指すランナーの月間走行距離は「200~300km以上」走っているという統計があります。これは週に46~69km程度という計算になります。
黒マグーロ社長が月間1000kmを達成したことの重みは、この数字と比較するとより明確になります。
月間1000kmは日平均約33kmを走り続けることを意味します。
これは通常のサブ3トレーニングの3~5倍の走行距離であり、肉体的・精神的な負荷は想像を超えるものです。
彼が「速くはなっていない」と述べたのは、単なる謙虚さではなく、走行距離の増加がそのままタイム向上に繋がるわけではないという、マラソンの本質を示しています。
一般的には、質の高い練習を計画的に実施し、回復と筋トレのバランスを取ることが、長期的な走力向上に直結します。
月間200~300kmの走行距離で、しっかりと強度のあるトレーニングを積む方が、ジョグをベースに月間1000kmをこなしながら練習を重ねるランナーよりも、本番でのパフォーマンスは高い可能性があります。
とはいえ、月間1000km走るメンタルさと実行力は凄すぎます
春の兵庫県で見つけた、ランニングの本質
2日間の兵庫県での経験から浮かび上がるのは、マラソンという競技の奥深さです。
1回目の出場で3時間16分を記録しながら、なぜ2回目で一気に2時間47分まで短縮できたのか?
その答えは、単なる走行距離の増加ではなく、目標に対する向き合い方の変化にありました。「壁を作らない」という思想は、人生のあらゆる場面に応用可能な知恵として機能しています。
月間1000km走破という過酷なチャレンジも、黒マグーロ社長が「ジョグが好きだから」と語る時点で、苦行ではなく喜びへと転化しています。
この転換が、長距離走で最も難しく、同時に最も重要な要素ではないでしょうか?
さいごに
兵庫県での2日間は、姫路城の歴史的な景観と新緑の美しさを背景に、ランナーたちの想いが交わる貴重な時間になりました。
大会での記録更新も大切ですが、同じランナー同士が走りながら語り合い、刺激を受け、また明日への活力を得るという経験も同様に価値があります。
黒マグーロ社長は「マグーロ♂会長の背中を追い続けたい」と最後に語り、マグーロ実業の社長として、さらには一人のランナーとして、彼らが描く未来は広がり続けていきます。
4月の春風そよぐ兵庫県で、ランナーたちの人生が一つまた一つとリセットされ、新たなスタートを切っていく
今後も朝ランナーともは、マグーロ実業の活動を応援します
※2日間で出会っていただいたランナーさんありがとうございました

