春の花を追いかける日は、心を整える日だった。五大尊つつじ祭りから森林公園のポピーとルピナスへ
春は、花の予定に追いかけられる季節です。
桜が終わったと思ったら、つつじが咲き、ポピーが揺れ、ルピナスが色を重ねる。
「今しか撮れない」と思うと、つい予定を詰め込みたくなります。
この日は、まず五大尊つつじ祭りへ行き、そのあとお野菜ダイニングレストランMORINIWAで昼食。午後は国営武蔵丘陵森林公園へ向かい、ポピーとルピナスを撮影しました。
花を撮るための一日。
でも振り返ると、それはただの花めぐりではありませんでした。
仕事や日々の用事で少し硬くなっていた心を、春の色が少しずつほどいてくれた一日でした。
五大尊つつじ祭りへ

最初に向かったのは、五大尊つつじ祭り。
五大尊つつじ公園は、埼玉県入間郡越生町にあります。越生は梅林が有名ですが、ここも関東屈指のつつじの名所。
五大尊境内には、樹齢300年を超える古木が多数あり、12種類、約1万株のつつじが咲き誇ります。

つつじは、桜とはまた違う華やかさがあります。
桜が空に向かって淡く広がる花だとしたら、つつじは地面に近い場所から、ぎゅっと色を押し出してくる花。
赤、ピンク、白。
ひとつひとつの花もきれいですが、斜面や道沿いにまとまって咲く姿には、春の勢いがあります。

写真を撮るときは、つい花に近づきたくなります。
けれど、つつじは少し引いて撮るのも楽しい花です。
花のかたまり。
道の曲がり方。
人が歩いている姿。
木漏れ日が当たる場所。
そういうものを一緒に入れると、「つつじを見に来た日」の空気まで写せる気がします。
近づいて一輪を撮る。
少し引いて花の群れを撮る。
さらに引いて、春の景色として撮る。
同じつつじでも、距離を変えるだけで写真の印象が変わります。
写真を撮る楽しさは、ここにあるのかもしれません。
目の前の景色を変えるのではなく、自分の見方を少しずつ変えていくこと。
花を撮るときは、背景も主役になる
つつじのように色が強い花は、主役がはっきりしています。
だからこそ、背景が大切です。
背景に人が多く入りすぎると、せっかくの花が散らかって見えることがあります。
逆に、木の幹や石段、道の奥行きが入ると、写真に落ち着きが出ます。
この日は、花そのものだけでなく、背景の暗さや明るさも意識しました。

明るい花を、少し暗い背景の前に置く。
奥に続く道を入れて、視線の流れを作る。
花のすき間から、遠くの景色をのぞかせる。
スマホでもカメラでも、少し立つ位置を変えるだけで写真は変わります。
花の前で「どこから撮ろう」と考える時間も、写真旅の楽しみのひとつです。

そして、五大尊のつつじ公園にはところどころに写真のような石⁉︎が設置されています。
平成28年度に越生郷黒岩村出身の江戸日本橋商人「鈴木金兵衛」の夢を実現する事業として、四国88箇所写し霊場コースと西国・坂東・秩父を合わせた百観音の霊場コースが整備され、(写真に写っている石がそれぞれの霊場の名前になっていました)この霊場を巡ることにより、全国の霊場を巡るのと同じご利益を得ることができるとされているそうです。
今年はつつじの開花が早いので、終わっている株もありましたが、5月3日には五大尊明王祭典として、お神輿も出るとのこと。五大尊明王まつりの見物におでかけもいいかもしれません。
お野菜ダイニングレストランMORINIWAで昼食
さて、花を見たあとは、お昼ご飯。
この日のお目当ては、お野菜ダイニングレストランMORINIWA。
ここは、グランピングや、お風呂などがある施設、オーパークおごせの中にあるレストラン。

埼玉県産の野菜をふんだんに使った料理を楽しめます。

花を撮りに出かける日は、食事の時間も大事です。
撮影だけを詰め込みすぎると、だんだん疲れてきます。
でも、途中でおいしいものを食べると、そこで一度、気持ちが整います。

野菜を中心にした食事は、春の花巡りにもよく合います。
彩りのある料理を見ると、つい写真を撮りたくなります。
花の色とは違う、食卓の色。
器の形。
窓から入る光。
湯気やソースのつや。
料理写真は、旅の記録としても残しておきたい一枚です。
花の写真だけだと「きれいだった」で終わってしまうことがあります。
でも、途中で食べたものを入れると、その日の流れが思い出しやすくなります。
どこへ行って、何を見て、何を食べたのか。
それがそろうと、写真はただの記録ではなく、一日の物語になります。
午後は国営武蔵丘陵森林公園へ
昼食のあとは、国営武蔵丘陵森林公園へ。
ここは、とにかく、広い!
はじめに観に行きたい場所をしっかりと定めて回る順番を決める必要があります。
ここでは、ポピーとルピナスを撮影しました。
(ネモフィラの花畑もあるのですが、先日ひたち海浜公園へ行ったので、ポピーとルピナスを優先しました)

繰り返しになりますが、森林公園は広いので、歩く時間も含めて楽しむ場所です。
目的の花まで向かう道も、ただの移動ではありません。
木々の緑、足元の草、風の音。鳥の声。
春から初夏へ向かう空気が、園内に広がっていました。

花の名所を一日にいくつか回るとき、どうしても「次へ行かなくては」と思いがちです。
でも、森林公園のような広い場所では、少しペースを落としたほうが楽しめます。
急いで花畑に向かうより、途中の光や木陰も味わう。
それくらいの余白があるほうが、写真も自然になります。
ポピーは風を撮る花
ポピーは、写真に撮るのが楽しい花です。

花びらが薄く、光を通します。
茎が細く、風に揺れます。
色は明るく、背景に緑が入るとよく映えます。

ただ、風に揺れるので、ピントを合わせるのは少し難しい花でもあります。
止まった瞬間を待つ。
少し連写する。
あえて揺れている感じを残す。
ポピーは、きっちり止めて撮るだけが正解ではありません。
むしろ、少し揺れているくらいのほうが、春の空気が写ることもあります。
花を撮っているようで、実は風を撮っている。
そんな気持ちになる花です。
この日は、アイスランドポピーが満開。そして、次のシャーレーポピーが咲き始めていました。

ルピナスは縦のリズムが美しい
ポピーのやわらかさに対して、ルピナスは縦の形が印象的です。

すっと立ち上がる花の形。
色が段々に重なる姿。
一本でも存在感があり、群れて咲くとリズムが生まれます。
ルピナスを撮るときは、縦構図がよく合います。

花の高さを生かして撮る。
手前の一本にピントを合わせる。
奥の花をぼかして、色の重なりを作る。
スマホで撮るなら、少し低い位置から撮るのもおすすめです。
目線の高さで撮ると、記録写真になりやすい。
少ししゃがむと、花がぐっと主役になります。
花と同じ目線に近づくと、見慣れた景色が少し違って見えます。
ルピナスのそばに大好きなデルフィニウムの花壇もあったので、ふんわり設定で撮ってみました。

一日に三つの春を味わう
この日は、つつじ、ポピー、ルピナスと、三つの春を味わいました。
つつじは、色の勢い。
ポピーは、風の軽やかさ。
ルピナスは、形とリズム。
同じ春の花でも、それぞれ表情が違います。
写真を撮っていると、花の違いだけでなく、自分の見方の違いにも気づきます。
色を撮りたい日。
光を撮りたい日。
風を撮りたい日。
花の形にひかれる日。
同じ場所へ行っても、同じ写真にはなりません。
そのときの天気、体調、気分、光の向き。
全部が重なって、その日だけの写真になります。
ここでは、おやつに「ルピナスソフトクリーム」を食べました。
(お味はいちごとバニラのミックスでした)

写真旅は、予定通りでなくてもいい
花の季節は、タイミングが難しいです。
少し早かったり、少し遅かったり。
思ったより人が多かったり、光が強すぎたり。
風が強くて、花が揺れすぎることもあります。
でも、写真旅は予定通りでなくてもいいのだと思います。
満開の花だけが、よい写真になるわけではありません。
咲き始めの花。
散りかけの花。
曇り空の下の色。
風に揺れて少しぶれた一枚。
そこにも、その日らしさがあります。
完璧な条件を待っていたら、出かける機会は減ってしまいます。
それよりも、行ける日に行く。
見られるものを見る。
撮れるものを撮る。
その積み重ねが、自分だけの写真の記録になります。
春は、撮りに行く理由をくれる
春の花は、出かける理由をくれます。
つつじが咲いたから。
ポピーが見頃だから。
ルピナスがきれいだから。
そんな小さな理由で、いつもより少し遠くへ行く。
すると、花だけでなく、食事や道中の景色、歩いた時間まで思い出になります。
写真を撮るようになってから、季節の変化に敏感になりました。
以前なら見過ごしていた花の名前。
光の向き。
風の強さ。
雲の流れ。
それらに気づけるようになると、日常の見え方も少し変わります。
写真は、特別な場所だけを残すものではありません。
その日に見たもの。
心が少し動いたもの。
あとで思い出したくなる時間。
それを、自分の目線で残していくものだと思います。
五大尊つつじ祭りから、MORINIWAでの昼食。
そして、国営武蔵丘陵森林公園のポピーとルピナスへ。
春の色を追いかけた一日は、花を撮りながら、自分の気持ちも少し整える時間になりました。
また来年も、この季節になったら思い出すのだと思います。
赤やピンクのつつじ。
風に揺れるポピー。
空へ伸びるルピナス。
そして、花を追いかけて歩いた春の一日を。
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