見出し画像

ただの脱水だと思っていたら、娘が医療的ケア児になることになりました

娘の入院と、胃ろうのこと

5歳の娘が、いま入院しています。
娘には自閉症があり、言葉での意思疎通が難しいです。

これまでは保育園と療育に通いながら
生活していましたが
今回の入院をきっかけに食べることも
飲むこともできなくなり
現在は胃ろうを検討しています。

「医療的ケア児」という言葉は以前から
知っていました。

それでも、自分の娘がそうなる可能性について
真剣に考えたことはありませんでした。

発達障害のある娘との生活に
ようやく慣れてきたところに
突然出てきた医療的ケア。

まだ自分の中でも整理できていません。
だからこそ、胃ろうをして退院してから
振り返るのではなく
今のこの段階で一度書いておこうと思いました。

始まりは、ただの脱水でした

7月24日、保育園から
「何も食べず、ぐったりしている」
と電話がありました。

暑い日だったので
最初は熱中症だと思いました。

迎えに行くと
確かにいつもより元気がありません。

そのままクリニックへ向かいました。
クリニックでも熱中症の可能性が
あるとのことでしたが、
詳しい検査ができないため、
大学病院を紹介されました。

大学病院で検査を受けた結果は「軽い脱水」
点滴をしてその日の夜はいったん帰宅しました。

翌朝、再び外来を受診しましたが
娘は相変わらず何も食べず
水分もとりません。

検査の数値も前日より悪くなっていたため
そのまま入院することになりました。

先生から聞いていた入院期間は、2日ほど。
私も
「点滴で脱水が治ればまた食べるようになって退院できるだろう」
と考えていました。

実際、点滴を始めると
脱水の数値は改善していきました。

けれど
食べない・飲まない
その状態だけは変わりません。

ケトンが出ていたため
「気持ち悪くて食べられないのかもしれない」と
説明を受けました。

それならケトンがなくなれば
食べるだろうと思っていたのですが
なくなっても状況は変わりませんでした。

7月28日頃には
最初に考えていた
「脱水が治れば退院」というゴールが
見えなくなっていました。

食べることが大好きだった娘が、食べなくなりました

娘はもともと
食べることが大好きな子です。

最近は少し偏食も出ていましたが
自閉症の特性によるものだと思っていました。

基本的にはよく食べる子で
特にフルーツが大好きです。

幸せそうな顔をして
かぶりつくくらい食べていました。

そんな娘が
今は食べ物を見るだけで怒ります。

病院食が嫌なのかもしれないと
家から食べ慣れたものを
持ち込ませてもらいました。

点滴の量を調整して
お腹が空くようにもしてもらいました。

でも、どれもだめでした。

先生からは、今回の脱水で経験した
「気持ち悪い」という感覚が強く残り
自閉症の特性も重なって
食べることや飲むこと自体を
拒否している可能性があると説明されています。

発達障害の専門家にも相談しましたが
見立ては同じでした。

ただ
「どうすればまた食べられるようになるのか」
という答えは、今も見つかっていません。

言葉で意思疎通ができない難しさ

娘は、言葉で自分の状態を
伝えることができません。

「どこか痛い?」
「気持ち悪い?」
「何が嫌なの?」と聞いても
本人から答えを聞くことができません。

だから
食べない理由が自閉症の特性によるものなのか
それとも何か大きな病気が隠れているのか
分かりませんでした。

本人が痛みや不調を
伝えられないだけだったらどうしよう

その怖さもあり
CTやMRIも受けました。

結果として
食べられない原因になるような
大きな異常は見つかりませんでした。

何もなかったこと自体はよかったのですが
「では、どうしたら食べるようになるのだろう」
という不安は残りました。

今回、何度も考えたことがあります。
娘と会話ができたら
「食べたら帰れるよ」と伝えられたのに
ということです。

少しでも食べて
水分をとれるようになれば
家に帰れる。

それを説明して
理解してもらうことができません。

病気を探すときも
食べてもらう方法を考えるときも
本人の意思を確認するときも
言葉で意思疎通ができないことが
大きな壁になっています。

そして「胃ろう」の話が出ました

食べない状態が続く中で
先生から胃ろうを提案されました。

点滴だけで補えるものには限界があり
このままではカロリーや脂質などが
不足していくため、
点滴以外の方法で
栄養を補う必要があるとのことでした。

鼻から胃にチューブを入れる方法もあります。
ただ、娘の場合は自閉症の特性上
自分で抜いてしまう可能性が高いそうです。

そこで現実的な選択肢として出てきたのが
胃ろうでした。

話を聞いたときは
頭が真っ白になりました。

手術が必要なのか。
家で管理できるのか。
感染したら対応できるのか。

それ以上に不安だったのは
その後の生活です。

保育園には今まで通り行けるのか。
療育は続けられるのか。
外出や家での生活はどう変わるのか。

発達障害のある娘との生活にも
時間をかけてようやく慣れてきたところでした。

そこにさらに、医療的ケアが加わる。

「発達障害×医療的ケアは、さすがにハードすぎる」
と思いましたし
「なんで私にばかり、こんなに壁が来るのだろう」
とも思いました。

「とりあえず、生かしてほしい」と思いました

胃ろうについて
分からないことも
怖いこともたくさんあります。

それでも先生から話を聞いたとき
一番に思ったのは
「とりあえず、生かしてほしい」
ということでした。

入院前に17kgあった娘の体重は
14.5kgまで減りました。

食べない・飲まない状態が続き
目に見えて体重が減っていく。

それを見ていることの方が
怖かったです。

家族に胃ろうの可能性を話したところ
義母から
「胃ろうは絶対させない」
と言われました。

その場では言い返しませんでしたが
心の中では
「生きることが優先でしょう」
と思っていました。

もちろん
私も胃ろうにしたいわけではありません。

手術をすれば身体に傷が残りますし
これまでなかった制限も増えると思います。

何より娘自身に
「胃ろうにしていい?」と聞いて
意思を確認することができません。

本人の身体のことを
私が決めてしまっていいのか
という迷いはあります。

それでも本人が決めることが難しい以上
親が決めなければならないこともあります。

正解かどうかは分かりませんが
それも親の責任だと思っています。

胃ろうは、まだしていません

この記事を書いている今
娘はまだ胃ろうを造っていません。

病院と調整しており
予定は約2週間後です。

それまでは点滴だけで
栄養と水分を補っています。

この2週間で
まだ口から食べられるようになる方法がないか
探したいと思っています。

胃ろうを避けるためだけに
入院を長引かせるつもりはありません。

ただ、手術までの間に
食べられるようになるのであれば
その可能性は残しておきたいのです。

もし2週間後も食べられない状態が
続いていたら、胃ろうを選ぶつもりです。

先生からは
また自分で食べられるようになれば
胃ろうを閉じることもできると説明を受けています。

今は、そこまでの間にできることを探しています。

胃ろうよりも、今は家に帰してあげたい

今も胃ろうへの不安はあります。
でも、それ以上に強いのが
「早く家に帰してあげたい」
という気持ちです。

入院中、娘は安全のためのベッドで
過ごしています。

必要なものだと分かっていても
私には檻のように見えてしまうことがあります。

毎日のように泣いていて
声も枯れました。
そして、笑わなくなりました。

娘はもともと
よく笑う子です。

特に私とくっついているときに
よく笑っていました。

今は面会に行って一緒にいても笑顔がなく
私が帰ることを察すると泣き出します。

その状態の娘を病院に
置いて帰らなければならないことが
つらいです。

だから「胃ろうにすれば家に帰れる」
と聞いたとき、怖さはありましたが
「それなら早く家に帰してあげたい」
とも思いました。

発達障害じゃなければ、と思っていたこともありました

娘との生活は
入院前から正直かなり大変でした。

それでも少しずつ慣れて
ようやく私たちなりの日常が
できてきたところでした。

今回、その日常が突然なくなりました。

そうなってみると
以前あれだけ「発達障害じゃなければ」と
思っていたことが
今はどうでもよくなっています。

発達障害があっても
癇癪があっても
手がかかってもいい。

生きていてくれたらいい。

大変だと思っていたあの生活に
今は戻りたいと思っています。

娘が入院しても、それ以外の生活は続いています

娘が入院しても
家族の生活や仕事まで
止まるわけではありません。

私は仕事を続けていますし
上の子の生活もあります。

朝早くから仕事をして
上の子のお弁当や支度を済ませて病院へ行き
仕事のために一度帰宅してから
また病院へ向かう日もあります。

夜にミーティングをして
その後に仕事をすることもあります。

上の子の学童のお迎えにも
今までのようには行けなくなりました。

しんどくないと言えば
嘘になります。

それでも私の場合
「仕事を続けられるだろうか」というより
「続けなくては」という感覚の方が近いです。

家族も、チームも、クライアントも
私にとって守るべきものだからです。

娘がこんな状況で仕事をしていていいのか
と思う一方で
仕事があることで自分を保てている部分もあります。

何が一番しんどいのかは
自分でもまだ分かりません。

今は必要なことを調べて
考えて、決めながら
毎日を回しています。

「発達障害×医療的ケア」の生活が、想像できませんでした

胃ろうの話が出てから
実際に医療的ケア児を
育てている方の体験談を探しました。

私が知りたかったのは
医学的な説明だけではなく
家に帰ったら実際にどんな生活になるのか
ということでした。

けれど、いろいろ調べても
自分たちの生活に置き換えて
イメージできるものは
なかなか見つかりませんでした。

特に分からなかったのが
もともと発達障害があり
言葉での意思疎通が難しい子に
医療的ケアが加わった場合です。

今回も、自閉症の特性があることで
経鼻チューブが難しかったり
本人から症状を聞けなかったり
「食べたら帰れる」と説明して
理解してもらうことができなかったりしました。

私たちの場合
「発達障害」と「医療的ケア」を
切り離して考えることはできません。

それでも、胃ろうになったとしても
できるだけ胃ろう以外の生活は
変えたくないと思っています。

医療的ケアが必要になったからといって
娘自身が変わるわけではないからです。

今のゴールは、娘を家に帰すことです

正直、今も胃ろうにすることが
正解なのかは分かりません。

傷も残りますし
今までなかった制限も増えると思います。

それでも
食べられない状態が続くのであれば
胃ろうを選びます。

「発達障害じゃなければ」と
思っていたこともありました。

大変すぎて、普通だったら、
と思ったことも何度もあります。

でも今は
そんなことはどうでもよくなりました。

生きていてくれたらいい。
そして、早く家に帰してあげたい。
今考えているのは、それだけです。

そのために
まずは手術までの2週間で
できることをやります。

それでも食べられなければ胃ろうを選び
退院後の生活に向けて必要な準備を進めます。

まだ分からないことばかりですが
その都度調べて、考えて
決めていくつもりです。

ここまで読んでくださって
ありがとうございました。

また状況が変わったら
その続きを書こうと思います。

いいなと思ったら応援しよう!