保井先生とエリアマネジメントと僕
久々のnoteですが、自身の整理のためにも筆を動かさずにはいられませんでした。
2021年8月20日、1人の尊敬する先生が旅立たれました。残念でなりません。
保井美樹先生 とは、同じエリアマネジメントの専門で、たくさんの時間をご一緒し、研究会や本、論文なども議論させていただいたことは、今思えば、何かを僕たちは引き継いでいかないといけない。
思えば、エリアマネジメント人材育成研究会で、エリアマネジメントについてたくさん議論し、
ソトノバでも、エリアマネジメント×プレイスメイキング=AMPMについて議論し、新たな可能性について気づきもいただきました。これがコロナ直前で最後に対面でお会いしたのかな。
そして、ドクターや明大助教の時には、写真を見れば、いろいろ教えていただいたり、見守っていただいていた。
昨年まで勤めた東京大学先端科学技術研究センター助教は、保井先生が経験された同じポジションだった。
エリアマネジメントがこれだけ多くの人に知れ渡ったのは間違いなく、保井先生の功績です。それでも保井先生はエリアマネジメントという言葉や状況についてもいつも気にされていました。
自分の人生の使命としても、エリアマネジメント。これからも深め、広め、育てていきたいと思います。
RIP
ご冥福をお祈りします。
(以上、泉山Instagram、Facebook)
保井先生と書いた最初で最後の本
この本は,保井先生とエリアマネジメントを議論してつくった最初で最後の本でした。まえがきほか,保井先生のエリアマネジメントの想いが詰まっています。本当にこの本がもっと多くの人に届き,保井先生のエリアマネジメントの考え方がもっと広まってほしいと思います。
エリアマネジメント・ケースメソッド: 官民連携による地域経営の教科書
https://t.co/MGRd5wRDgK
保井先生との出会いは8年前
保井先生のエリアマネジメントや都市系の功績は自身のためにもまた改めて振り返りたいと思います。
保井先生と僕の出会いは、法政大学で行われたシンポジウムでした。
僕は当時、明治大学大学院博士課程で、エリアマネジメントを博士論文で取り組んでいた頃。当時は公共空間活用とエリアマネジメントのシンクロが高まっていた時期でもあり、一方で大阪市BID条例が制定された頃で、今思えば再び本格的にBIDの議論が再燃してきた頃とも言えます。
このシンポジウムでは、各地の事例の状況報告とともに、アメリカ、イギリス、ドイツなどの海外BIDを紹介いただいたのを覚えています。
多くの学びや気づきとともに、
明確なビジョンや戦略を持ち、海外調査やゲストアテンドまで行う保井先生の姿は憧れでもあったと思います。

2014年5月13日「人口減少社会におけるストラテジック・エリアマネジメント」の感想(以下、2014年5月14日泉山Facebook)より
昨日は、エリアマネジメントのグローバルセミナー。
アメリカBID、大阪BID条例、福岡経済圏、神山町と、
海外、大都市、過疎地と、多義なエリアマネジメントの紹介と議論。
海外BIDは、アメリカ、イギリス、ドイツなどのBIDの実態や、BIDでやっていること、大事なことを説明いただいた後、フィラデルフィア市のBIDをご紹介いただいた。
大阪BIDは、既存制度をうまく組み合わせつつ、新たな枠組みを作った。(都市再生整備推進法人、都市利便増進協定、都市再生整備計画、地区計画に、加え、分担金条例と、地区計画の地区整備計画にあたる、地区運営計画の2つを創設し、フロー化した。)
福岡は、天神、博多の2つのエリアマネジメントの上位に、福岡県の経済圏を視野に入れた協議会。そして、都市型観光のビューローがこれからできるとのこと。これは、広域観光エリアマネジメント(DMO)に相当する可能性も感じた。
神山町は、最近本も出ていたので、気になってましたが、過疎地で仕事をつくることを注力し、サテライトオフィスなどを作りつつ、移住促進を図っている。
やはり、エリマネは、行政の肩代わり、委託みたいな関係ではなく、適切な役割分担があってこそのエリマネであり、行政側もビジョンや担う役割が必要であること、
統計的なデータのみではなく、考現学やスペースシンタックスなどを用いて、意味のあるデータ収集と可視化による、戦略的な将来ビジョンを策定する必要があること、
行政やステークホルダーなど、クローズではなく、オープンプロセスで、将来ビジョンを策定し、実行し、フィードバックしていくこと、
が、今後のエリマネや行政も含めた都市経営に必要だし、この方法論を確立していく必要がある。
引き続き、詰めて行きます!
保井先生とのエリアマネジメント議論
保井先生と出会ってからはFacebookですぐ繋がり、様々な場面でご一緒させていただきました。
ミズベリング、都市計画家協会、ソトノバ、全国エリアマネジメントネットワーク、パークコンテンツ研究会。
保井先生とは一回りちょっとくらいの歳の差もあり、こちらからは大先生ではあるのですが、歳の離れた後輩か、子どもか、何か距離感の近く、常に年齢や立場を超えてフラットな立ち位置で接していただいていたのが印象的でした。それでも、どこかエリアマネジメントにおいても、人としても、期待いただいていたのか、見守っていただいているような感覚もありました。
そんな保井先生に、「余人に代え難い」と原稿依頼をいただいたのがこちらで、その時は非常に嬉しいものでした。当然僕だけではないと思いますが、いろんな人にチャンスをあげ、期待を込めてくれるので、お互いの知の交換ができる、刺激的でなかなかない貴重な存在だなと改めて感じます。
最新号の計画行政(学会誌)で、官民連携を取り上げました。 計画を積み上げて事業を行う、これまでの計画行政の考え方では乗り遅れてしまう、民間からの提案や新しい事業への挑戦をどう進めるのか。 様々な分野で信頼する先生方にご執筆頂き、刺激的な論考が集まりました。 といっても、ネットでは見られないんだなあ(そうする検討は進んでいる筈。)素晴らしい論考なのに勿体ない。
Posted by 保井 美樹 on Thursday, December 3, 2020
エリアマネジメント人材育成研究会での5年
保井先生と出会って8年のうち、5年間はエリアマネジメント人材育成研究会で一緒にエリアマネジメントの研究を一緒にやっていました。飲み会やワークショップが好きなメンバーが集まっていたことから、真面目に楽しくやっている研究会で、法人化(一般社団法人エリアマネジメント・ラボ)にまで至りました。都市みらい推進機構や名古屋市のエリアマネジメントのワークショップ研修を一緒にやらせていただき、エリアマネジメントの人材育成研修と研究をやっていた形です。
HP、Facebook、noteはこちら
成果としては一つの論文と先に紹介した本で形になり、次の研究や議論をしているところでした。保井先生からは、初期の頃に研究でエリアマネジメント組織と呼ぶ私に、エリアマネジメント団体と呼びましょうと、研究目線ではなく現場目線の視点の入れ替えなどについても気づかさせてくれました。この研究や本では、特殊解と呼ばれるエリアマネジメントの人材の特徴に迫った初めての研究で、その特徴や共通点、他事例への応用などを意識していたものです。
エリアマネジメント・ケースメソッド: 官民連携による地域経営の教科書
https://t.co/MGRd5wRDgK
使命としてのエリアマネジメント研究・実践とエリアマネジメント人材育成
いつも私は毎年正月に、Visionボードというものをまとめています。自分の目標イメージを画像で収集し、視覚化するものです。今では、Pinterestでまとめていますが、昔は手帳に印刷して貼っていました。
社会人1年目、当時発展途上だったエリアマネジメントを扱った修士論文を終えた時期に、エリアマネジメントの研究・実践を一生かけてやっていくことを心にしていたときに、目標とする一人が保井先生でした。当時は手の届かない雲の上の人でしたが、最近では一緒に研究などで議論をしているのは当時の僕からすると夢のようです。
BIDや政策として、そして各地の実践としてのエリアマネジメントを広げられてきた保井先生の足跡は追ってしっかりレビューしたいと思いますが、これからのエリアマネジメントをさらに深化し、広めていかなければなりません。非常に貴重なエリアマネジメントの伝道師を失った私たちは心を新たにエリアマネジメントの発展のために力をつくさなければならないと思います。
そして、エリアマネジメント人材育成研究会をやっているのも、エリアマネジメント大学院が必要だと思うから。これは社会人大学院です。できればエリアマネジメントの学位も取れたらいい。これは夢の話ですが。エリアマネジメント団体は公民連携が加速すればするほど必要とされますが、エリアマネジメント人材は追いついていないのが現状です。エリアマネジメント専門で教育する場もなければ、教科書やマニュアルもないし、それらがあったからできる仕事でもない。新卒ではなかなか就職が難しい中で、社会人が必要なスキルや素養を身につける場が必要。これは保井先生と一緒にやりたかったですが、しっかりと言葉や想い、研究なども整理して、勝手にですが、引き継いでいきたいなと思いました。
全てを振り返るのはまたの機会にしたいと思いますが、自分の整理のためにも、今思うところを書き綴っておきます。
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