「病院に行きたい」と親に言えなかった僕が、1週間で初診までたどり着いた方法
はじめに、ひとつおことわりを。
これから書くのは、今から25年ほど前、私が高校生だった頃の話です。当時と今とでは、受診のしやすさも、情報の集め方もずいぶん違います。ですから「今こうすべきだ」という話ではありません。
ただ、病院に行くと決めるまでの心細さと、行ったあとに何が起きるのかという不安。そこだけは、あまり変わっていない気がしています。
行ったほうがいいのは、わかっている。
そう思いながら、動けずにいませんか。
調べれば調べるほど、症状は自分に当てはまる。それなのに、予約の電話をかけるところで止まってしまう。
大げさだと思われないだろうか。ただ怠けているだけだと言われたら、どうしよう。
そして何より、家族になんと言えばいいのか。
私も、そうでした。
眠れませんでした。そして、イライラが収まらない。どうして自分はここまで苛立っているのか、その理由が自分でもわからないのです。
苛立ちは、いちばん近いところへ向かいます。家の中の空気は日に日にぎくしゃくして、私は自分でも望んでいない態度を家族にとり続けていました。
こんなふうになりたいわけじゃない。そう思うのに、止まらない。
止まらないことが、また自分を追い詰めていきます。
当時は2000年頃。自宅にインターネットはなく、私にとっての情報源は本だけでした。
地方の町の本屋ですから、そう大きくはありません。専門書が簡単に手に入る場所でもない。それでも、新書コーナーの前に立っている時間だけは少し落ち着けたのです。
その日も、いつものように背表紙を眺めていました。
『うつ病』。
手に取って開くと、症状がいくつも並んでいます。読み進めるうちに、私は息を詰めました。
これは、自分のことだ。
その本には、こうも書かれていました。真面目な人ほど、うつ病になりやすい。そして、適切な治療を受ければ回復が期待できる。
真面目な人ほどなりやすい、という見方については、今ではいろいろな説があるようです。ただ、当時の私を掬い上げたのは、まぎれもなくこの2行でした。
自分は怠けているのではないのかもしれない。病院に行くのは、弱さではないのかもしれない。
そう思えたことで、自分を責めるのが少しだけ止まりました。
ところが、そこから先が進みません。
相談できる相手も、いませんでした。通っていた高校は進学実績を重んじる空気が強く、悩みを打ち明けられる場所だとは感じられなかったのです。
そして、2つの壁がありました。
1つは、住んでいた地域に「心療内科」を掲げる病院が見当たらなかったこと。本で知ったばかりの診療科の名前が、現実の町のどこにもないのです。あるのは神経内科でした。
そしてもう1つは、こちらのほうがはるかに重い問題でした。
親に、どう言えばいいのか。
「うつ病かもしれないから、病院に行きたい」。その一言が、どうしても出せない。
言えば、家の中で何かが決定的に変わってしまう気がしたのです。
本を読んで、症状に名前がついて、治るかもしれないと知って。
それでも私は、病院にたどり着けずにいました。
その私が、打ち明けてから1週間以内に受診しています。
何か特別な決心をしたわけではありません。やったことは、拍子抜けするくらい単純でした。
精神論は、ひとつも書いていません。
・自分の言葉で説明できなかった私が、〇〇〇したことで親に切り出せた話
・診察室で何も言えなくなるのが怖かった私が、〇〇〇を持っていった話
この2つと、初診で実際に何を聞かれたのか。カウンセリングを受けるかどうかを、私がどう判断したのか。
そして最後に、私がやってしまった失敗をひとつ。薬の名前が本と違う、ただそれだけのことで、私は2週間を無駄にしました。同じ失敗をしないための話です。
最後に、初診までにやることを一覧にしてあります。読み終えたら、そこだけ見返せば大丈夫です。
読了時間は、10分ほど。予約の電話をかける前に、読んでみてください。
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