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「親なきあと」不安86%―相談支援専門員の「セカンドオピニオン」は基本相談で可能。ガマンして付き合い続けなくていい

日本財団の調査が映し出す現実

福祉新聞の報道によると、日本財団(尾形武寿会長)は2月10日、障害者の「親なきあと」に関する全国調査の結果を発表しました。

親なきあとに不安を感じている家族は86%
重度知的障害者の家族に限れば93%にのぼります。

親なきあとに頼りにする相手として最も多かったのは「兄弟姉妹」で31%。不安や課題が、次の世代に引き継がれていく構造が浮き彫りになりました。

調査の概要

調査は2025年10月にインターネットで実施されました。
障害のある18歳以上の子ども、または兄弟姉妹がいる2,500家族から回答を得ています。
回答者の年齢は50代が34%、60代が30%、70代以上が13%と、高齢化が進んでいることがわかります。

具体的に不安に感じていること(上位)

  • 生活費や医療費など経済的なこと

  • 体調急変時や災害時など緊急時の対応

  • 気軽に相談できる相手がいなくなること

親なきあとの準備状況

準備をしているのは57%。
内容は
「預貯金・生命保険・信託などの資金面」
「障害年金や手当の確認・手続き」
「相談支援専門員など支援者との相談」
の順に多い結果でした。

一方、43%は何も準備していません
その理由は
「将来の生活にいくら必要か見当がつかない」
「どのような制度や選択肢があるか分からない」
が上位でした。

相談できる相手がいる人は60%。その相手は以下の通りです。

  • 市区町村の障害福祉課の窓口

  • 相談支援専門員(ケアマネジャー)

  • 福祉サービス事業所の職員

  • 兄弟姉妹やほかの親族

相談先はある。でも「続く」のか?

この調査結果を見て、相談先がちゃんとあるじゃないか、と思った方もいるかもしれません。
確かに、回答はかなり現実的です。
しかし、問題は相談先の「存在」ではなく「継続性」にあります

行政の窓口(市区町村の障害福祉課)

職員は1〜2年でがらりと入れ替わります。
地域ごとに担当を決めている自治体もありますが、突然の異動でいなくなるのは珍しくありません。
「前の担当さんは親身になってくれたのに、次の人は機械的な対応だった」
これは障害福祉の世界では"あるある"です。

相談支援専門員

正直に言えば、僕自身も相談支援専門員をやっていたのは2年でした。
人のことを偉そうには言えません。
ただ、周囲を見渡しても、3年以上「同じ事業所」で続けている人は多くありません。
精神的に消耗してリタイアする人、次のステップに進む人、事業所自体が閉所するケースも少なくありません。
相談支援専門員は「短命」になりやすい職種と感じています。
キャリア形成しにくいのも、一因かもしれません。

福祉サービス事業所の職員

ここは意外に、長い関係が続くことがあります。
ベテランの職員と良い関係が築ければ、辞める方はそこまで多くないので、安定した相談先になりえます。
ただし、施設の現場職員は外部の制度や選択肢に関する情報を十分に持っていないことが多いです。
他の事業所や制度の経験がない方も多く、相談内容によっては限界があります。

兄弟姉妹・親族

これは人による、としか言いようがありません。

相談支援専門員に疑問を持ったら…

相談先としての「相談支援専門員」について、
障害福祉サービスを継続して利用していくうえで、相談支援専門員をつけるという国の方向性は変わっていません。
それ自体は正しいと思いますし、多様なサービスを利用する上で誰もが関わる相談先になると思います。

ただ、僕が言いたいのは、ぜひ相談支援専門員の「セカンドオピニオン」をやってほしいということです。

医療の世界では、主治医以外の医師に意見を求める「セカンドオピニオン」が広く知られています。
実は、相談支援専門員にもこれと同じことができる仕組みがあります。

相談支援専門員の業務には、計画相談(サービス等利用計画の作成)だけでなく、一般相談(基本相談)があります。
これは契約の有無にかかわらず、障害のある方やそのご家族からの相談に応じる業務です。
つまり、すでに別の相談支援専門員と計画相談の契約をしている方であっても、他の相談支援専門員に一般相談として意見を求めることは、制度上可能なのです。

「いまの相談支援専門員に不満があるけど、いきなり変えるのは不安」という方は、まずこの一般相談を使って、別の相談支援専門員に話を聞いてみてください。
電話一本でかまいません。きっと、邪険にはされないと思います。

合わない相談支援専門員、親身になってくれない相談支援専門員は、残念ながらごまんといます。
「せっかくついてもらったのだから」「次を探すのが面倒だから」と我慢して付き合い続ける必要はありません。

相談支援専門員の絶対数が少なく、そもそも受け持ってもらうこと自体が難しい―そういう声はよく聞きます。確かにその通りです。
しかし、質の悪い相談支援専門員につくぐらいなら、セルフプランのほうがはるかにマシだと僕は思っています。

「親なきあと」を考えるとき、大事なのは「相談先があるかどうか」ではなく、「信頼できる相談先と継続的な関係を築けるかどうか」です。

ダメだと思ったら、やめる勇気を持ってほしい。もし、本人の意思決定が難しいのであれば、なおさらです。

さいごに…補足

このまま締めると、「質の悪い」相談支援専門員が世の中にはびこっているように見えちゃうかもしれませんので…補足です。

多くの相談支援専門員は「いい人」です。
しかし、「合う」「合わない」はありますし、良い人だけど「情報」に弱いなど、様々なものさしがあります。
ガマンをする必要はないので、実際に会って、話して、何度でも変えて「合う人」を見つけてもらえればなぁと思います。

そして、相談支援専門員のみなさんには、選ばれる相談員さんになってほしいなぁと、思っております。

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