見出し画像

ミステリ新刊

創元推理文庫の新刊で『ヴァンプドッグは叫ばない』(市川憂人)が出た。

シリーズものの第5弾で、既刊は以下の通り。

『ジェリーフィッシュは凍らない』
『ブルーローズは眠らない』
『グラスバードは還らない』
『ボーンヤードは語らない』

『ヴァンプドッグ』の初版は2023年。文庫落ち待ってた。
この年齢になると、通勤電車内で単行本を持って読書するのが辛いのよ。
 
『ジェリーフィッシュ』(鮎川哲也賞受賞作)の初版は2016年。登場人物の名前から「マリア&漣シリーズ」と呼ばれているが、7年で5冊というペース。なお『ボーンヤード』のみ短編集である。
シリーズ外の作品は現在6冊。デビュー10年で11冊というのは速筆ではないが、それもそのはず作者は兼業作家。本業があってこれだけ書いてりゃすごいと思う。

さて「マリア&漣シリーズ」は、最近ちょっと流行の「特殊設定」もの。といってもそれほどSF的要素があるわけでもないが、舞台は1980年代のU国(アメリカと思われる)。九条漣(くじょう・れん)はJ国(日本と思われる)出身の刑事で、その上司がマリア・ソールズベリー警部、30歳前後。「すごい美人でスタイルもいい」との描写があるが、がさつな性格で服装にも無頓着。寝癖が付いたままで現場に臨場することもしばしば。漣に嫌味やツッコミを入れられつつも、推理力は抜群で決めるときは決める。この年齢で警部というのはかなり優秀という証らしい。

他に『ジェリーフィッシュ』事件で知り合った、U国空軍少佐のジョン・ニッセン。三十代前半の彼は他の事件でも非公式にマリアたちをサポートする。されることもあるw

『ジェリーフィッシュ』はいわゆるクローズドサークルもので、ぶっちゃけ『十角館』には及ばないものの、メイントリックはなかなか秀逸。しかし類似とは言わないまでもなんとなーく似ている設定は某海外作家の某中編にあるんだよなー。あくまで「なんとなく似ている』レベル。
『ブルーローズ』『グラスバード』もとてもおもしろいミステリ。『ボーンヤード』は、マリアや漣の過去を描いたりしているいわゆるエピソードゼロ的なものと、ジョンがメインのもの。トリック的にはまあまあだが、こちらも水準策である。

さて『ヴァンプドッグ』を読み始めるか。

いいなと思ったら応援しよう!