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若手営業が「受注できる人」に。第三者話法

私が初めて会社員として働いたのは、健康食品と機器を扱うお店の店長でした。
入社して間もなく、販売成績はぐんぐん上昇。気づけば京都エリアでトップの成績に。
けれど、あるときふと思ったのです。

「ここからさらにアクセルを踏むには、もっと中身が必要だ」

そこで私は、仕事の前後に勉強をし、健康管理士の資格を取得しました。
店頭のポスターには新たにこう書き加えました。

「健康管理士が親身にアドバイスいたします」

資格を活かして、お客様に丁寧な説明や健康アドバイスを行う日々。
「これでさらに信頼され、売上も伸びるはずだ!」そう思っていたのですが…

なんと、そこから販売成績はピタリと止まってしまったのです。

不安になった私は、所長に相談しました。すると彼はニヤリと笑いながら、こう言ったのです。

「ROYALくん、君が資格取ったあたりから、実はちょっと心配してたんよ」

「えっ?」と顔を上げると、所長は続けました。

「お客様は君よりずっと年上やろ?
自分の子どもか孫くらいの子に“先生”役を求めてないのよ。
しかも君、大雑把やん? 無理にきちんとした先生を演じようとしても、違和感があるんよ。
君がトップだったのは、元気で優しくて、話しててホッとする<マスコット>やったからや。」

あいた! 痛いところを突かれました…。

「せっかく勉強したのになぁ…」とこぼす私に、所長は言いました。

「知識は無駄にはならんよ。
主語を自分やなくて、別の人に変えてみて。
『この前の勉強会で先生が言ってたんですけど…』
『テレビでこんな情報が紹介されてて…』とか。

でも一番いいのは、他のお客様の声を次のお客様に届けること。
『以前いらした方も、こんなお悩みを持っておられて…』って。
それが一番、お客様の心に届くんよ。」

このアドバイスをきっかけに、私は「第三者話法」を武器にすることに決めました。

自分の元気さ、優しさはそのままに、
伝えたい“中身”は別の誰かの言葉として届ける。

すると不思議なことに、また販売成績は伸び始めたのです。

その後、私は8年間の店長経験を経て仕事を変えました。
中国に渡り、グローバル営業の責任者となりました。
顧客は企業、相手は経営層や購買管理者。これまでのBtoCとは勝手が違います。
でも、ここでも「第三者話法」は驚くほど有効でした。

とくに効果を発揮したのは、以下のようなお客様です:
1. 明らかに関心がない
2. 他社との比較をしている
3. 価格しか見ていない
4. 早く終わらせたいと思っている
5. すぐに導入する気がない

そんな相手にも、第三者話法をうまく活用することで
実際に、形勢を逆転して受注に持ち込んだケースも数多くありました。

現在の私は独立し、日系の中小企業を対象に、営業支援と採算改善のコンサルティングを行っています。
ありがたいことに、今契約しているクライアントでは全社で改善効果が出ています。

そのなかで、複数の経営者から共通して聞かれるのがこの声です:

「うちの若い営業に、もっと受注力をつけてほしい」

クライアントの営業体制を見ると、多くは20代・30代の若手営業が1~2名のみ。
大事な商談には社長が直接出向くケースも多いのが現実です。

営業マンの育成は時間が必要なため追加料金をもらって引き受けています。

私自身は若手営業との相性が良いと感じています。
その理由は以下の3点です:

● 課題を絞る

営業同行で課題が4つ見つかっても、一番根本的な1つだけを選び、改善に集中。
練習もそこに絞ります。

● 説教しない

若手営業は「経験・スキルが少ない」だけで、「何もない」わけではありません。
すでに持っている経験を尊重しつつ、スキルを追加していく。この姿勢を大切にしています。

● 若手こそ、第三者話法

若手はどうしても威厳や信頼性に欠けることがあります。
だからこそ「自分が言う」のではなく、“誰かの言葉”として伝えることで、説得力が大きく変わります。

そして昨日私が指導している営業マンHさんから嬉しい知らせが!
4ヶ月前に私も一緒に同行したあるお客様。
「上記3.価格しか見ていない」
に当てはまる商談でした。
我々の価格は全体の3番手。
そこでHさんが第三者話法を取り入れながら、短期的な得ではなく、長い目で見れば我々の提案が結果的に安くなりますよ、と訴えました。

結果は一旦不採用。
「次、がんばってください」とお客様に言われ、私たちもすっかり忘れていたのですが…。

昨日、Hさんに突然連絡がありました。

「実は一度は安いメーカーに決めたのですが、ここに来て方針が変わりました。
上司も交えて、もう一度詳細を打ち合わせさせてください」

Hさん、やったね🎉㊗️

第三者話法は、うまく使えばお客様の“海馬”にへばりつく。
時間が経っても、ふと思い出させる力がある。

私が次に日本に行くときは、祝杯をあげましょう🍻🥂!

   * 機会があれば第三者話法の実例を具体的に紹介できれば、と思います。

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