営業マンは、自分が主役になった瞬間に弱くなる、強い営業は会話の主役を奪わない
営業というと、
話がうまい。
説明が分かりやすい。
説得力がある。
そんな人が強いと思われがちだ。
でも、実際の交渉で強い営業は少し違う。
自分が話すのではなく、相手に話してもらう。
私が営業時代に意識していたのは、
相手に8〜9割話してもらうことだった。
会話の主役は相手。
でも、進行役は自分。
この感覚を持てるようになると、
営業も交渉もかなり変わる。
「私ばっかり話してましたね」
営業マン時代、打ち合わせのあとによく言われた。
「私ばっかり話してましたね」
「今度はルーティンさんの話も聞かせてください」
そう言われると、
少し申し訳なさそうに見えるかもしれない。
でも、私としてはむしろ狙い通りだった。
相手がたくさん話してくれれば、
何を大切にしているのか。
何に困っているのか。
どんな言葉を使うのか。
何に違和感を持つのか。
かなり多くの情報が見えてくる。
営業にとって、相手の話は提案の材料そのものだ。
相手の言葉で提案する
同じ内容でも、言い方ひとつで伝わり方は変わる。
たとえば、
「解決策」と言う人もいれば、
「ソリューション」と言う人もいる。
「課題」と言う人もいれば、
「問題点」と言う人もいる。
どちらが正しいという話ではない。
大切なのは、相手が普段使っている言葉に寄せることだ。
人は、聞き慣れた言葉のほうが理解しやすい。
だから、相手が使った言葉をできるだけ覚えておき、
その後の提案でも使うようにしていた。
こちらの言葉を押し込むのではない。
相手の言葉を借りて、こちらの提案を伝える。
これだけで納得感はかなり変わる。
交渉は「説得」ではなく「一緒に着地する」
営業を始めたばかりの頃は、
交渉とは相手を説得することだと思いがちだ。
でも、強引に説得された相手は、
その場ではうなずいても後で戻る。
大切なのは、
「自分で決めた」
と思ってもらうことだ。
そのために、相手へ質問する。
考えてもらう。
話してもらう。
こちらは、その答えを整理しながら共通のゴールへ近づける。
契約でも、社内調整でも同じだ。
相手を立てながら、自分が道筋をつくる。
これが交渉の面白いところだと思う。
8〜9割話してもらうには準備がいる
もちろん、ただ黙っていればいいわけではない。
「どうぞ話してください」
だけで8割話してくれるなら、営業はかなり楽だ。
必要なのは質問だ。
「今、一番困っていることは何ですか」
「それはなぜ起きているんですか」
「理想の状態はどんな状態ですか」
「今まで何を試しましたか」
こうして少しずつ深掘りする。
相手が話しやすい順番をつくる。
相づちを打つ。
途中で奪わない。
営業は話術より、聞く設計のほうが大切だったりする。
日常会話でも鍛えられる
この力は営業だけのものではない。
上司との面談。
部下との1on1。
同僚との相談。
家族との会話。
全部で使える。
自分の意見をすぐ言わずに、
「どう思ってる?」
と一度聞く。
それだけで会話は変わる。
人は、自分の話を聞いてくれる人に心を開きやすい。
これは営業テクニックというより、
人間関係の基本かもしれない。
今日、一回だけ話す量を減らす
次の会話で意識することは一つでいい。
自分が話す前に、もう一問だけ聞く。
それだけだ。
相手の考えが一つ増えて見える。
言葉の癖も見える。
提案のヒントも増える。
話し上手を目指さなくていい。
まずは、話してもらい上手を目指す。
今回の学び
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・営業の会話では相手を主役にする
・相手に8〜9割話してもらう
・相手の言葉を使って提案を伝える
・相手を立てながら、自分が進行を主導する
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営業で大切なのは、自分の話を聞いてもらうことではない。
相手に十分話してもらうことだ。
話してもらえば、相手が見えてくる。
相手が見えれば、伝え方が変わる。
そして伝え方が変われば、交渉の結果も変わる。
会話の主役は相手。
でも、ゴールまでの道筋は自分がつくる。
そのバランスが、強い営業をつくる。
