見出し画像

次の花火は何色|夏の終わりとその跡


打ち上げ花火が、心を震わせる。

一つ、また一つ。

無邪気にはしゃぐあなたの横顔が、
花火に照らされるたび、
なぜか私の心は苦しくなる。

心臓の音と花火の音が重なるごとに、
終わりの時間が近づいてくる。

初めて見せた浴衣姿を、
褒めてくれたのに。

あなたは私の顔を見てくれない。

あと一つ。

次の花火が打ち上がったら。

そう思うと、
また次の花火が夜空を染める。

風に流される火薬の匂いが、
終わりの時間を告げている。

はぐれないようにと差し出された手を、
震えながら握り返した。

「来年は、どこで見ようか」

あなたの言葉と重なって、

満天の花火が、
夜空に咲いた。





#夏の1コマ



いいなと思ったら応援しよう!