第754話 Sunoプロンプト実験記録:英語の主体性と日本語のニュアンス、再現性の境界線㉟

「Sunoベクトル実験パターン」

1. セクション行数固定 × 曲長観察

  • 狙い: 歌詞行数や情報量が曲長に与える影響を定量化

  • 方法

    • Verse 4行 / Chorus 4行 / Bridge 2行

    • 曲長指定なし

    • 2〜3回生成して秒数比較

  • 観察ポイント

    • 歌詞行数が増えると「滞在時間」が伸びるか

    • 構造の順序変更で秒数に変化が出るか


2. 構造順序変更 × 曲長測定

  • 狙い: 構造の並び順が曲長にどう影響するか

    • A: Verse → Chorus → Bridge

    • B: Chorus → Verse → Chorus

    • C: Verse → Bridge → Chorus

  • 観察ポイント

    • セクション順序によって「ベクトル遷移距離」が変わるか

    • 秒数が変わる場合はどのパターンが最も長くなるか


3. 歌詞密度 × 構造複雑性 × ジャンル

  • 狙い: 複雑な条件下でも生成が安定するか

  • 方法

    • 歌詞密度: 低 / 中 / 高

    • 構造: 短パート vs 複雑パート

    • ジャンル: Lo-Fi / Jazz / Pop / Synthwave

  • 観察ポイント

    • 複雑構造 × 高密度歌詞 × 特定ジャンルは尺にどれだけ影響するか

    • ベクトル遷移が破綻する瞬間の発見


4. 生成制御パラメータ比較

  • 狙い: ExtendやTemperatureなど生成パラメータを変えた場合の曲長・リズムへの影響

  • 方法

    • Temperature: 低 / 中 / 高

    • Extend: On / Off

    • 同じプロンプトで生成して秒数・構造を比較

  • 観察ポイント

    • 高Temperatureで秒数のブレが増えるか

    • Extendがオンだとセクション比率が伸びるか


5. 「意味ベクトル」解析的アプローチ

  • 狙い: 曲長の副産物としての秒数を「ベクトル距離」で表現

  • 方法

    • 各セクションの歌詞情報量を数値化(音節数・語数・感情タグ)

    • 曲全体の秒数との相関を分析

  • 観察ポイント

    • 秒数 ≒ Σ(各セクションベクトル長 × ジャンル補正)

    • 「ベクトル生成モデル」の挙動を数値化可能


💡 ポイント

  • Sunoは時間軸を直接制御できないため、「秒数固定実験」は意味が薄い

  • 歌詞情報量・構造・ジャンルが「時間の代理変数」と考えると理解しやすい

  • 生成結果の秒数は「ベクトル遷移距離の副産物」と捉えるのが自然



Suno 実験プロンプト表:セクション時間軸・

実験 曲長 指定 ジャンル構造 歌詞密度・行数プロンプト例 目的・観察ポイント

A: セクション行数固定 なし Lo-Fi / ChillVerse1 + Chorus1 + BridgeVerse 4行 / Chorus 4行 / Bridge 2行Generate a Lo-Fi Chill song. Structure: Verse1 (4 lines) + Chorus1 (4 lines) + Bridge (2 lines). Lyrics should be concise but expressive, reflecting emotions. Do not specify duration. 歌詞行数が曲長にどう影響するか。短尺でセクションが滞在時間に変換されるか。

B: 構造順序変更1 なし Pop / UpbeatChorus1 → Verse1 → Chorus2中程度(感情+簡単な情景)Generate a Pop Upbeat song. Structure: Chorus1 → Verse1 → Chorus2. Lyrics moderate in length, conveying feelings and simple story. Do not specify duration.セクション順序による秒数の変化を観察。ベクトル遷移距離の違いが曲長に反映されるか。

C: 構造順序変更2 なし Jazz / SmoothVerse1 → Bridge → Chorus1高密度(感情+比喩+情景)Generate a Jazz Smooth song. Structure: Verse1 → Bridge → Chorus1. Lyrics should be rich and detailed, including metaphors, emotions, and vivid imagery. Do not specify duration.長め歌詞×複雑構造で曲長がどの程度延びるか。ベクトル移動距離との相関。

D: 歌詞密度変化テスト なし Synthwave / Lo-FiVerse1 + Chorus1低密度: 2行 / 高密度: 6行Generate a Synthwave song. Structure: Verse1 + Chorus1. Lyrics should be either concise (2 lines) or dense (6 lines), expressing emotions. Do not specify duration.歌詞情報量の増減が秒数・リズム感に与える影響。低密度で短くなる傾向の確認。

E: ジャンル比較 なし Synthwave / Lo-Fi / Pop / JazzVerse1 + Chorus1中程度(感情+簡単な情景)Generate separate songs with the following genres: Synthwave, Lo-Fi, Pop, Jazz. Structure: Verse1 + Chorus1. Lyrics moderate, conveying emotions. Do not specify duration. 同じ歌詞・構造でジャンルごとの秒数・テンポ・リズム・雰囲気の違いを比較。


実験の進め方・注意点

  1. 曲長指定はしない
    → Sunoは秒単位での制御ができないため、指定すると逆に再現性が低くなる。

  2. 歌詞行数・密度で時間代理変数を作る
    → 歌詞が多いほど滞在時間が伸びることを観察。

  3. 複数回生成
    → 1パターン2〜3回生成して、秒数のブレや傾向を確認。

  4. ベクトル遷移仮説の確認
    → 「秒数=ベクトル遷移距離の副産物」と考え、構造比率・歌詞量・ジャンル進行速度との関係を整理。

  5. 結果の記録方法

    • 実際の秒数

    • 各セクションの出現順・密度

    • ジャンルごとのテンポ感・メロディ展開

    • 歌詞密度と秒数の相関


💡 補足

  • この実験で見えてくるのは、Sunoが「時間軸ではなく、意味空間ベクトルで生成している」という挙動の具体的傾向。


セクション時間軸実験・:歌詞付きプロンプト


パターンA:セクション行数固定(Verse4行 / Chorus4行 / Bridge2行)

  • ジャンル:Lo-Fi / Chill

  • 構造:Verse1 + Chorus1 + Bridge

  • 歌詞

Verse1
静かな街角でひとり歩く
心の声が小さく響く
昨日のことはそっと置いて
今だけを感じて進む

Chorus1
小さな光を見つけた
夜の風が髪を揺らす
目を閉じれば浮かぶ景色
穏やかな時を胸に刻む

Bridge
時間はただ流れていく
それでも僕はここにいる

プロンプト例

Generate a Lo-Fi Chill song.
Structure: Verse1 (4 lines) + Chorus1 (4 lines) + Bridge (2 lines).
Lyrics: 
Verse1:
静かな街角でひとり歩く
心の声が小さく響く
昨日のことはそっと置いて
今だけを感じて進む
Chorus1:
小さな光を見つけた
夜の風が髪を揺らす
目を閉じれば浮かぶ景色
穏やかな時を胸に刻む
Bridge:
時間はただ流れていく
それでも僕はここにいる
Do not specify duration.

パターンB:構造順序変更1(Chorus → Verse → Chorus)

  • ジャンル:Pop / Upbeat

  • 構造:Chorus1 → Verse1 → Chorus2

  • 歌詞

Chorus1
歌声響け 空に届け
笑顔の風が心を包む
希望を胸に踏み出そう
今日という日を光に変える

Verse1
朝日が街を染めていく
昨日の不安は遠く消える
小さな勇気を手に握り
新しい景色を探しに行く

Chorus2
歌声響け 空に届け
笑顔の風が心を包む
希望を胸に踏み出そう
今日という日を光に変える

プロンプト例

Generate a Pop Upbeat song.
Structure: Chorus1 → Verse1 → Chorus2.
Lyrics:
Chorus1:
歌声響け 空に届け
笑顔の風が心を包む
希望を胸に踏み出そう
今日という日を光に変える
Verse1:
朝日が街を染めていく
昨日の不安は遠く消える
小さな勇気を手に握り
新しい景色を探しに行く
Chorus2:
歌声響け 空に届け
笑顔の風が心を包む
希望を胸に踏み出そう
今日という日を光に変える
Do not specify duration.

パターンC:構造順序変更2(Verse → Bridge → Chorus)

  • ジャンル:Jazz / Smooth

  • 構造:Verse1 → Bridge → Chorus1

  • 歌詞

Verse1
雨に濡れた街の灯り
君の笑顔が浮かぶ夜
歩くたび揺れる心
思い出が優しく包む

Bridge
時間の波に身を任せ
胸の奥で想いを馳せる

Chorus1
忘れられない声が響く
夢の中で交わる光
過ぎ去った日々を抱きしめ
今ここで新しい歌を歌う

プロンプト例

Generate a Jazz Smooth song.
Structure: Verse1 → Bridge → Chorus1.
Lyrics:
Verse1:
雨に濡れた街の灯り
君の笑顔が浮かぶ夜
歩くたび揺れる心
思い出が優しく包む
Bridge:
時間の波に身を任せ
胸の奥で想いを馳せる
Chorus1:
忘れられない声が響く
夢の中で交わる光
過ぎ去った日々を抱きしめ
今ここで新しい歌を歌う
Do not specify duration.

パターンD:歌詞密度変化テスト(低密度2行 / 高密度6行)

  • ジャンル:Synthwave / Lo-Fi

  • 構造:Verse1 + Chorus1

低密度例(2行)

Verse1
夜の街に光が揺れる
心の奥で歌が響く

Chorus1
夢を信じて歩き出す
静かな風が背中を押す

高密度例(6行)

Verse1
ネオンに映る影を追いかけ
遠い記憶が胸を締めつける
雨粒がリズムを刻み
心の声が途切れ途切れで響く
思い出の色を探しながら
夜は静かに街を包み込む

Chorus1
夢を抱きしめて歩き出す
遠くの星が道を照らす
希望の光を胸に刻み
音楽と風が混ざり合う
忘れない思いを歌にして
夜を越えて明日へ進む

プロンプト例

Generate a Synthwave song.
Structure: Verse1 + Chorus1.
Lyrics (low density):
Verse1:
夜の街に光が揺れる
心の奥で歌が響く
Chorus1:
夢を信じて歩き出す
静かな風が背中を押す

Lyrics (high density):
Verse1:
ネオンに映る影を追いかけ
遠い記憶が胸を締めつける
雨粒がリズムを刻み
心の声が途切れ途切れで響く
思い出の色を探しながら
夜は静かに街を包み込む
Chorus1:
夢を抱きしめて歩き出す
遠くの星が道を照らす
希望の光を胸に刻み
音楽と風が混ざり合う
忘れない思いを歌にして
夜を越えて明日へ進む
Do not specify duration.

パターンE:ジャンル比較

  • ジャンル:Synthwave / Lo-Fi / Pop / Jazz

  • 構造:Verse1 + Chorus1

  • 歌詞(共通)

Verse1
街の灯がゆらめく夜に
足音だけが響く
心の中で願いを描く
静かな風に耳を澄ます

Chorus1
自由を信じて歩き出す
夜空に声を乗せて
希望の光を胸に抱き
新しい朝を迎えに行く

プロンプト例

Generate separate songs with the following genres: Synthwave, Lo-Fi, Pop, Jazz.
Structure: Verse1 + Chorus1.
Lyrics:
Verse1:
街の灯がゆらめく夜に
足音だけが響く
心の中で願いを描く
静かな風に耳を澄ます
Chorus1:
自由を信じて歩き出す
夜空に声を乗せて
希望の光を胸に抱き
新しい朝を迎えに行く
Do not specify duration.

💡 ポイント

  • 各パターンで歌詞の行数・密度・情報量を変えることで、秒数やリズムの差を観察できます

  • Sunoは時間軸を直接制御しないので、歌詞や構造が「秒数代理変数」となります

Suno実験レポート セクション行数・構造順序・歌詞密度の影響

■ 実験目的

前回までの実験で、Sunoは「曲長指定」を必ずしも守らず、歌詞密度・構造・ジャンルによって生成時間が変動することが確認された。本実験ではさらに踏み込み、以下の点を検証した。

  1. セクションごとの行数固定で曲長がどう変動するか

  2. 構造順序を変更した場合の曲長・歌唱への影響

  3. 歌詞情報密度の変化による曲長への影響

  4. 複数ジャンル指定での生成挙動と歌詞読み上げの有無


■ 実験設計

  • 共通条件

    • 曲長指定:なし(歌詞に Do not specify duration. を記載)

    • 生成回数:各パターン2回

    • Suno単発生成(Extend 不使用)

    • ジャンル・構造・歌詞密度のみ変更


パターンA:セクション行数固定

  • 構造:Verse1(4行) + Chorus1(4行) + Bridge(2行)

  • ジャンル:Lo-Fi / Chill

  • 歌詞:各セクション行数を固定、情報密度中程度

  • 結果

    • 1回目:1分12秒 → Do not specify duration. は歌われず

    • 2回目:1分29秒 → Do not specify duration. を最後に歌う

  • 観察:歌詞行数指定は曲長に影響するが、秒数は安定せず。歌詞の最後にSunoが「命令文」を読み上げる場合あり。


パターンB:構造順序変更1

  • 構造:Chorus → Verse → Chorus

  • ジャンル:Pop / Upbeat

  • 歌詞:中程度の情報量

  • 結果

    • 1回目:1分27秒

    • 2回目:1分30秒

    • 両回とも Do not specify duration. を最後に歌唱

  • 観察:構造順序変更でも曲長は大きく変動せず。歌詞内コマンドは最後に反映される傾向。


パターンC:構造順序変更2

  • 構造:Verse → Bridge → Chorus

  • ジャンル:Jazz / Smooth

  • 歌詞:中密度

  • 結果

    • 1回目:2分00秒

    • 2回目:1分39秒

  • 観察:Bridgeパートの追加や構造変更で曲長は大幅に伸びる。歌詞コマンドの読み上げは発生せず。


パターンD:歌詞密度変化テスト

  • 構造:Verse1 + Chorus1

  • ジャンル:Synthwave / Lo-Fi

  • 歌詞:低密度2行 / 高密度6行

  • 結果

    • 1回目:3分12秒

    • 2回目:2分04秒

    • 両回とも Do not specify duration. を最後に歌唱

  • 観察:歌詞密度が増えると曲長も大幅に増加。秒数は情報量によって変動し、歌詞コマンドは最後に読み上げられる。


パターンE:ジャンル比較

  • 構造:Verse1 + Chorus1

  • ジャンル:Synthwave / Lo-Fi / Pop / Jazz(同一歌詞で複数ジャンル指定)

  • 結果

    • 1回目:1分52秒

    • 2回目:1分57秒

    • 両回とも Do not specify duration. を最後に歌唱

    • さらに歌詞中のプロンプト Generate separate songs with the following genres: Synthwave, Lo-Fi, Pop, Jazz. を読み上げ

  • 観察:複数ジャンル指定時のみ、Sunoが歌詞冒頭の文章を読み上げる傾向。単一ジャンルでは冒頭読み上げなし。


■ 実験総括

  1. 秒数は再現されない

    • Sunoは構造・情報密度・ジャンル進行速度に依存して曲長が決まる

    • 「Do not specify duration.」はほぼ最後に読み上げられるか、無視される

  2. 構造・歌詞密度の影響が大きい

    • 行数固定・構造追加・歌詞密度増加で曲長が大幅に変動

    • Bridge追加や高密度歌詞で曲長は延びる傾向

  3. ジャンル指定の特殊挙動

    • 複数ジャンル指定時は、Sunoが冒頭のプロンプト文を読み上げ

    • 単一ジャンルでは読み上げなし

  4. 設計思想の示唆

    • 秒単位で制御せず、構造・歌詞情報・ジャンルベクトルを軸に生成

    • 曲長は「副産物」として現れる

    • 著作権回避・非決定性保持・人間的即興感を意図的に実装


■ 今回の結論

  • Sunoは「時間軸」で曲を設計しておらず、
    意味・構造・情報密度のベクトル空間上の遷移で曲を生成

  • 曲長は結果として後付けされる副産物

  • 歌詞コマンドや複数ジャンル指定は生成挙動に影響を与える


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