自民党政権によるセルフ•クーデターを止めろ!
今の日本で起きていることを、私は「セルフ・クーデター」と呼ぶべきだと思っている。

クーデターというと、戦車が出てきて、軍が議会を占拠して、政権が倒されるものだと思われがちだ。
でも現代の権威主義化は、もっと静かに進む。
選挙で権力を得た側が、合法的な手続きを使って、憲法を変え、情報機関を強化し、緊急事態を理由に権力を集中させ、反対者や市民社会を「危険」「外国勢力」「スパイ」とみなせる制度を整えていく。
これは、外から政権を倒すクーデターではない。
政権が、自分自身への制約を外していくクーデターである。
自民党は2026年の重点政策で、憲法改正について「自衛隊の明記」「緊急事態対応」などを掲げ、改正原案の国会提案・発議、国民投票の早期実現を目指すとしている。
さらに自民・維新の連立合意では、緊急事態条項の条文起草協議会、憲法審査会への条文起草委員会の常設、発議に必要な制度設計が明記されている。
同じ合意の中には、「国家情報局」「国家情報会議」、対外情報庁、情報要員養成機関、スパイ防止関連法制まで並んでいる。
そして実際に、政府の情報活動の司令塔となる国家情報会議・国家情報局の設置法は、2026年5月27日に成立した。国家情報会議は首相を議長とし、国家情報局は内閣官房に置かれ、各省庁の情報活動を総合調整する機関になる。
これは単なる「安全保障政策」ではない。
国家が市民をどう見るのか。
国家が反対意見をどう扱うのか。
国家が危機を理由に、どこまで権力を拡張できるのか。
その線引きを、いま政権側が一気に作り替えようとしている。
民主主義の後退とは、選挙がなくなることだけではない。
選挙で選ばれた権力者が、三権分立を軽視し、野党やメディアや市民社会を「敵」として扱い、自分たちの権力保持のために制度を変えていくことでもある。
だから私は、今の日本で進んでいることを、単なる右傾化とは呼ばない。
これは、国家安全保障の名を借りた、権力集中の設計である。
これは、憲法改正の名を借りた、統治機構の作り替えである。
これは、民主主義の手続きを使って民主主義を弱体化させる、セルフ・クーデターである。
本当に危険なのは、ある日突然、独裁が始まることではない。
「必要だから」
「安全保障だから」
「外国勢力が危ないから」
「緊急事態に備えるだけだから」
そう言われながら、市民が国家に監視され、反対意見が疑われ、権力への歯止めが少しずつ外されていくことだ。
戦前も、国家はいつも「国を守る」と言った。
「国を守る」と言いながら、守られなかったのは人間だった。
だから私は反対する。
国家の安全保障より先に、国家から人間を守る仕組みが必要だ。
政権に緊急権を与える前に、政権を縛る憲法を守るべきだ。
情報機関を強化する前に、市民の権利、報道の自由、思想信条の自由、プライバシーを守る監視機構を作るべきだ。
権力は、いったん集められたら、必ず使われる。
そしてその対象になるのは、いつも「国家に従順ではない人間」からだ。
私は、この国がまた、国家の名で人間を踏み潰す国になることを拒否する。
