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1500人が集まるコミュニティはどう生まれた?僕が "口コミ" だけで業界最大規模のコミュニティを作るまで

僕は2021年に「Webライターラボ」という、Webライター向けのオンラインコミュニティを立ち上げました。ありがたいことに、現在は約1500名※の方にご参加いただき、業界最大規模にまで拡大しました。

※2025年6月時点。WebライターラボのDiscordに在籍する人数

Webライターラボでは週一回の講義を通じて「学び」も提供していますが、オフ会をはじめ「交流」も活発です。毎年開催している東京オフ会では、延べ100人を超えるメンバーが集まってくれます(アイキャッチが東京オフ会)。

そんな大規模かつアクティブなコミュニティを運営しているので、知人のライターからは「なんでそんなに人を集められたの?なんでそんなにアクティブなの?」と聞かれることも多いです。

昨今、コミュニティをつくりたいと思っている人が増えてきたこともあり、今回はWebライターラボの経験を元にコミュニティを広げ、育てる方法」についてお話ししていきます。

奇抜なことはしていない。「GRAIRASUモデル」をやり続けただけ

コミュニティの規模を大きくし、かつアクティブ率を上げるために何をしたか?を考えたところ、法則性のようなものが見つかりました。それを図解したのが以下です。

頭文字を取ってGRAIRASU(グライラス)モデルと名づけました。これはhottolink社が提唱するULSSASモデルを参考にしています。

GRAIRASUモデルでまわすコミュニティの成長サイクル

ざっくり説明すると以下の通りです。

①Give(与える)
まずは価値を提供(Give)します

Resonate / Respect(共感 / 敬意)
Giveをすることで、それを受けた相手は「感謝」や「共感」「敬意」という気持ちもってくれます。

③Action(入会)
共感、敬意を感じてくれた人は、他のコミュニティと比較するまでもなく入会してくれます(①で積み上げた信頼があれば、迷わず入ってくれる)

④impress(感心)
Giveに近い考えです。コミュニティを立ち上げあとも、引き続き「え?そこまでやるの?」とメンバーが感心するようなことをやります。

⑤Review(口コミ)
すると、メンバーがXやnote、あるいは音声配信などで、コミュニティの口コミを回してくれます。

⑥Awareness(認知)
その口コミによって、コミュニティを認知してくれる人が出てきます。

⑦Scan (ざっと見る)
コミュニティを気になった人が、SNSやGoogle検索などで広く浅くざっと調べます。

⑧Understand(理解する)
さらに興味を持った人が、コミュニティと運営者について深く理解しようとします。詳しく調べた結果、「コミュニティの中身」と「運営者の発信」を理解し、納得してくれれば「③Action(入会)」してくれます。

あとはGRAIRASU(グライラス)モデルがうまく機能し、③Action(入会)〜⑧Understand(理解する)がぐるぐる回ります。

このGRAIRASU(グライラス)モデルの詳細を、以下の3つのフェーズに分けて解説していきます。

1.準備期:「信頼」を積み上げれば、人が集まる
2.立ち上げ期:「感心」してもらえれば、人は語る
3.運営初期:「安心」を届ければ、人が残る

1.準備期:「信頼」を積み上げれば、人が集まる

まずは準備期について。いわゆる集客フェーズですね。ここではとにかく信頼を積み上げることが大切です。

GRAIRASU(グライラス)モデルでいうところの「Give(与える)」と「Resonate / Respect(共感 / 敬意)」ですね。そうすれば「Action(入会)」してくれます。

「コミュニティへ入会してくれる人数」と「募集するまでに積み上げた信頼残高」は比例します。

では、信頼残高を積み上げるために何をすればいいか?答えは「『え、そこまでやってくれるの?』と思われることをやる」です。周りの期待をいい意味で裏切る。そうすれば信頼残高がどんどん積み上がっていきます。

僕がWebライターラボをつくるまでに実施したことは、以下のとおりです。約1年かけて信頼を積み上げました。

①無料なのに “特盛” コンテンツを公開
②講義も添削も相談もぜんぶ無料で

①無料なのに “特盛” コンテンツを公開

僕が実施したなかで、最も「え、そこまでやる?」と思われたのは「WritingBegin」という特大無料コンテンツをつくったことです。
WritingBeginとは文章術から営業術まで無料で学べるコンテンツのこと。「動画36本」「テキスト1.5万文字超」という情報量でした。

ここまでボリュームのあるコンテンツを無料で出している人は、当時のWebライター界隈にはいませんでした。だから多くの人が「え?なんで無料でこんなコンテンツ出してるの?」と驚いたはず。

当時の反響はこんな感じ!

投稿を見ていただけるとわかりますが、
・リツイート:384
・いいね:1597
・ブックマーク:604
と、ありがたいことに大変反響がありました。

WritingBeginをリリースしたとき、僕のXのフォロワーは2000人くらいだったと思います。リリースから4ヶ月後には、フォロワーは2300人以上増え、メルマガ登録者は1,250名になっていました。

個人の感覚ですが、Xのフォロワー2000人のいち個人が、メルマガ登録1,250名を集めるには2〜3年はかかると思います。それに比べると10倍くらいのスピードで登録者を増やせた理由は、WritingBeginをリリースして「え、そこまでやる?」と思ってもらえたからかなと。

そこで積み上げた信頼が、Webライターラボを立ち上げたときの入会者数につながっています。

補足:コンテンツ作りは「質」「量」「リスト」が大事
「どんなコンテンツをつくればいいか?」が気になる人もいると思うので、補足します。僕が今コンテンツを出すなら以下を意識します。

・圧倒的なボリューム
・具体例をたくさん盛り込む
・メルマガや公式LINEを取得する

前提として量も質も両立させます。

まずは量について。多ければそれでいいというわけではありませんが、そのコンテンツだけで基礎を学べるボリュームにしましょう。でないと、コンテンツが溢れるこの時代において目にとまりにくいです。具体的にいうと、動画10時間分くらいは最低ラインでしょう。

たとえば、「LINE公式アカウント」さんが作っているLINE公式アカウントチャンネル」という再生リストがいい例です。このリストだけで491本の動画があります。総合計時間は恐らく50時間くらいはあるでしょう。使い方が網羅されているため、公式LINEに関する疑問はこのチャンネルだけで大体解決します。

次に質について。質を担保するためのコツは、具体例をふんだんに盛り込むことです。基礎的なノウハウはAIに聞けばわかる時代なので、自分にしか言えないことをいかに盛り込むかが、コンテンツ作りの鍵となります。先ほど紹介した「LINE公式アカウントチャンネル」は、具体例もてんこ盛りです。

あとは、コンテンツをリリースしたらメルマガか公式LINEどちらかを取得しておきましょう。いざコミュニティを立ち上げたとき、SNSの告知だけだとどうしても集客力が弱いからです。SNSよりもダイレクトに伝えられるメルマガか公式LINEに登録しておけば、集客力は格段に上がります。

メルマガと公式LINEどっちがいいか?という問題ですが、正直どっちでもいいと思います。いろいろ手続きが面倒なので、どっちか迷うなら手軽に始められる公式LINEで取得しておくといいでしょう。仮にメルマガをやりたくなったときは、公式LINEでメルマガを訴求すればOKです。

②講義も添削も相談もぜんぶ無料で

特大コンテンツ「WritingBegin」以外にも、無料で講義や添削、相談会を開催しました。これらもGiveと言えますね。

講義を開催したきっかけは、当時所属していたコミュニティで、運営者が「講義してくれる人を募集します」と呼びかけていたこと。そのときの僕は、ライターとしてKindleを制作しまくっていたので、「Kindleの制作方法なら講義できるかも」と思い提案したところ、採用いただきました。

20時間くらいかけて資料を作り込み、緊張でガチガチの中、講義した記憶があります。「営業する際にどんな提案文を送ったのか?」「実際にKindleは何部売れて、報酬はいくらだったのか?」など、とにかく僕が知っている知識を出し惜しみなく全部話しました。

また、別のコミュニティでは無料で添削会や相談会を実施したこともあります。ありがたいことに、これらに参加した人からは「無料でここまでやってくれたことに感心した」みたいな感想をたくさんいただきました。

大事なことはWritingBeginのときと同様に、「え?そこまでやるの?」と思ってもらうことです。添削は隅から隅までおこなったうえで、改善点を動画でも解説しましたし、無料相談会は電話でやり取りした人もいます。そこまでして初めて信頼残高が貯まります。

補足:無料相談会はコミュニティづくりの出発点
余談ですが、コミュニティをつくる前に「無料相談会」を開催するのは超おすすめです。というのも、このとき直接悩みを聞けたことが、のちのコミュニティ形成にとって大きなプラスになったんですよ。

相談会に参加してくれた人は初心者が多かったので、「はじめたばかりの人がどのようなことに壁を感じるか?」がわかり、コミュニティ内の講義に活かせました。当時の僕はライター6年目だったので、1年目につまずいたことをすっかり忘れてたんですよね……。

あと、誰かにアドバイスをするときは、今まで自分がおこなってきたことを棚卸しして、体系化する必要があります。そうやって整理されたノウハウも、そのままコミュニティ内の講義に活かせました。

準備期のポイント:1万人のライトファンより10人のスーパーファン

本章をざっとまとめます。

WritingBeginを読んだ人、講義を聞いてくれた人、無料添削を受けてくれた人、無料相談に来てくれた人、彼らは一定数コミュニティに入会してくれて、一緒に盛り上げてくれる仲間になりました。「恩を返したいので、Xやnoteでコミュニティの宣伝をします」的なことを言ってくれる人もいました。

なぜそこまで言ってくれたかというと、ありがたいことに彼らは僕に「感謝」の気持ちをもってくれていたからです。そういう人が少人数でもいると、コミュニティは盛り上がります。Webライターラボがここまで大規模になったのは、準備段階でGiveしたことによってコミュニティをつくる前から仲間ができていたからです。

よく「1万人のライトファンよりも1000人のスーパーファンの方が大事」と言いますが、いち個人がいきなり1000人のスーパーファンをつくるのは現実的ではありません。だからまずはGRAIRASU(グライラス)モデルに沿ってとことんGiveをして、「10人のスーパーファン」をつくることを意識しましょう。

2.立ち上げ期:「感心」してもらえれば、人は語る

自分なりに様々なGiveをおこなったあと、2021年7月にコミュニティを立ち上げました。僕は無料でスタートしましたが、初めから有料でつくってもいいと思います。

ちなみに無料か有料かの判断基準は、信頼残高が貯まっているかどうかですね。信頼残高が貯まっていると思えば有料でもOKですが、足りないと思えば無料で開催したほうがいいかなと。

ただ、無料だとコミュニティの趣旨に合わない人も入ってきてしまうので、門戸は狭めたほうがいいでしょう。僕の場合は、メルマガを登録して30日後にコミュニティの案内を送るというハードルを設けました。そのおかげもあって、価値観が合う人が集まったので初めからトラブルなく運営できました。

準備期から立ち上げ期に以降したこのタイミングでも運営者がやることは同じで、「え? そこまでやるの?」と思われることをやり続けるのみ。なぜなら、そのスタンスにメンバーは感心してくれて、自然と口コミが広がっていきます。この口コミこそが、Webライターラボがここまで大規模になった最大の要因です。

GRAIRASU(グライラス)モデルでいうと、入会後に「impress(感心)」してもらって、「Review(口コミ)」を書いてもらうフェーズですね。

ありがたいことにWebライターラボの口コミってめっっっちゃ多いんですよ。2024年1月〜12月の間にXで「#Webライターラボ」が付いた投稿は、運営サイドの発信を除いて4,554件にのぼりました。

一方、同じライター系のコミュニティの口コミ数も調べたのですが(勝手にすみません)、年間の投稿数はおよそ100〜120件ほど。つまり、40倍以上の差があるのです。

口コミは「え?そこまでやるの!?」という感心から生まれる

そもそもメンバーが口コミを書いてくれるのはどんなときか。僕は、「え?そこまでやるの!?」と感心してくれたときだと思っています。

ではWebライターラボでは何をやっているか?前提として、当時のコミュニティの内容はざっくりいうと以下の通りでした。

<学び>
・週1回オンラインで講義をする
・メンバーがDiscordに投下した質問に答える

<交流>
・Discordの雑談チャットなどで自由に交流できる

無料でしたが、毎週1時間ほど「Kindleをつくる方法」「Webライティングの基本」「案件の受注方法」などの講義をしていました。また、メンバーからの質問についても、基本的にはすべて僕が答えていました。

メンバーからは「え?無料なのにそんな毎週がっつり講義するの!?しかもなんか知らんが質問にも答えてくれる」みたいに思われていたでしょう。実際こんな感じで、「感心した」を超える「感動した」という口コミもいただきました。

「そこまでやるの?」と思ってもらえれば、こんなふうに感想を投稿してくれるんですよ。他にもこんな口コミをいただきました。

▼当時いただいた口コミの一部

»その他の口コミはこちら

感心してもらうには期待を超える

メンバーに感心してもらうためには、メンバーの期待を超えることが重要です。

たとえばWebライターラボで「スキル」に関する講義をするときは、必ず仕事の取り方まで解説しています。なぜなら、メンバーが「スキルを磨きたい」と思う先には「仕事がほしい」という願望があるからです。そこまで踏み込めればメンバーの期待を超えられます。

ほかの例でいうと「ラボトーク」というサービスもわかりやすいでしょう。ラボトークとは、Webライターラボ内で「この人と話したい!」を実現するサービスです。

たとえば、インタビューを頑張りたいAさんが、ベテランのインタビューライターのBさんに「話を聞かせてください」と連絡をします。BさんがOKであれば、Zoomなどをつないで1on1で話すことができます。

このラボトークの特徴は、メンバー同士が直接やりとりする前に、運営が間に入って調整することです。なぜなら、多くのメンバーは「直接声をかけるのは恥ずかしい」と思いますし、声をかけられる方も「もし断りたくても断りにくい」と思うからです。それを汲み取り、間に運営が入ることで解消しています。

このように、メンバーが期待していることを想像しそれを超えることができれば、メンバーは感心してくれ口コミへとつながっていくのです。

「つい誰かに言いたくなる」場の設計

口コミが生まれるのは感心したときだけでなく、メンバーが「誰かに話したい」と思ったときもあります。その状況をつくりだすためには、オフ会やオンライン交流会などのイベントを開催するといいでしょう。人との交流によって感情が動きやすく、つい誰かに話したくなるからです。

実際、Webライターラボでは講義よりもイベントを開催したときのほうが、口コミの熱量は高まります。具体的に、Webライターラボでは以下のイベントを定期的に開催しています。

・オフ会
・全員参加できるオンライン交流会
・属性を絞った(例:ママ限定)オンライン交流会
・美術館巡り
・読書会
などなど

▼みんなでアートを見に行く企画

▼定期的に開催している読書会

ルールさえ守ればメンバーもイベントを立てられるので、皆さん積極的に交流会などを開催してくれます。イベントに参加した人がブログやnoteに感想を書いてくれて、それを読んだ人がWebライターラボを深く理解し入会してくれる、という流れです。

SNSで語りたくなる場はこうして作る

このように、口コミを生み出すためにはメンバーに「感心」してもらうことと、「誰かに話したいイベント」をつくることが重要ですが、その他にも細かいポイントがあるので紹介していきます。

①感想はお願いしてナンボ。毎回が勝負どころ
②感想には感謝を。それが次の口コミにつながる
③「ここにいるのが恥ずかしくない」が最強のブランディング

①感想はお願いしてナンボ。毎回が勝負どころ
講義やイベントをおこなったあと、「ハッシュタグをつけて感想を呟いてくれたら嬉しいです」などと呼びかけることも重要です。非常にシンプルですが、意外とみんなやってない印象。

たまに「いい講義(あるいはイベント)をしたから自然と口コミしてくれるだろう」と思っている人がいますが、厳しく言うとそれは甘いです。というのも、Xに140文字投稿するだけでも結構面倒じゃないですか。だから、きちんとお願いしましょう!

たとえば以下のようなタイムスケジュールだった場合、

21:00 講義開始
21:55 質疑応答
22:20 終了

終了時の22:20に「感想呟いてね」と言うのではなく、質疑応答がスタートする21:55に呼びかけて、終了時の22:20にもう一回呼びかけた方がいいです。理由は22時で離脱する人もいるから。めっちゃ細かい話ですが、それくらい「口コミを頼む」ことは大事なのです。

②感想には感謝を。それが次の口コミにつながる
あとはメンバーが書いてくれた口コミに対して、きちんと反応することも大事ですね。本当は運営者がすべて反応した方がいいのですが、現実的にはなかなか難しい。

僕も「#Webライターラボ」がついた投稿はすべていいねを押しており、たまにリポストもしますが、すべての投稿にリプを返せてはいません。なので自分の代わりに運営さんにリプをお願いしています。

▼こちらはWebライターラボ公式アカウントの「返信」タブです。

こちらをクリックしていただけるとわかると思うのですが、「#Webライターラボ」がついている投稿の全てにリプを返してくれています。それもコピペではなく、一人一人丁寧に。

さっき「運営さんにリプをお願いしています」と言いましたが、正確に言うと、Webライターラボの運営統括である大江かこさんが自主的にリプを返してくれていたんですよ。特に僕が何か言ったわけではなく、かこさんの自己判断で。

彼女いわく「やりたいからやっていた。趣味みたいなもの」とのこと。こんなふうに自主的に動いてくれる運営は本当に心強いです。

運営から心のこもったリプをもらえば、メンバーの皆さんも「また投稿しよう」と思ってくれる。それが次回の口コミにつながります。

③「ここにいるのが恥ずかしくない」が最強のブランディング
メンバーがそのコミュニティに所属していることを、堂々と誇れるような場にすることも重要です。
こういう場をつくれるかどうかは運営者の発信内容にかかっています。

これを発信したほうがいいというよりは、これを "発信しない方がいい" という感じですね。具体的には以下の通り。

・特定の誰かの悪口を言いまくる
・「うちに入れば絶対稼げます」と誇大広告のような投稿をしている
・「あっち(同じようなコミュニティ)よりうちの方がいいですよ」的な、別のコミュニティを下げるような投稿をしている

たとえば、僕がSNSで誰かの悪口を言うなど過激な発信ばかりしていたら、メンバーは「Webライターラボに所属している」と言いにくいでしょう。そうなると、いくらコミュニティが有益でも口コミは回りません。

こんな感じで、運営者がSNSでどう立ち振る舞うかは非常に重要です。余計なことは言わない。無駄な争いはしない。これ大事。

立ち上げ期のポイント:口コミ is キング

本章をざっとまとめます。

立ち上げ期のポイントは、なんと言っても口コミを作り出すことです。特に個人でコミュニティを立ち上げる場合、多額な広告費用を投下するのは予算的に難しいため、集客はSNSが中心になります。だからこそ口コミをいかにつくりだすか?が鍵を握るのです。

口コミを書いてもらうために、まずはメンバーの期待を超える講義やコンテンツを提供すること。そしてイベントを中心とした「つい誰かに言いたくなる」場の設計すること。これには裏技はなく、運営者がメンバーのことを考え抜き、いろいろな施策を講じるしかありません。それらがメンバーの「感心」を生み、口コミへとつながっていきます。

非常に地道ですが……協力してくれる仲間が増えてくるので、少しずつ楽にはなります。

3.運営初期:「安心」を届ければ、人が残る

コミュニティを立ち上げてから約3ヶ月後の2021年10月に、Webライターラボを有料化しました。無料時代に在籍してくれていた約320名のメンバーのうち、100名弱がそのまま残ってくれました。

ここから大事になることも実は立ち上げ期と変わらず、「impress(感心)」と「Review(口コミ)」です。

その後の「Awareness(認知)」「Scan (ざっと見る)」「Understand(理解する)
」フェーズは、口コミを見た人が自主的におこなうことなので、運営者としてはさほど気にする必要はありません。とにかくメンバーに感心を与え続けることだけに注力しましょう。

注意点は、立ち上げ期と運営初期では「メンバーが望んでいること」が異なる点です。メンバーはどんどん変化しているので、それを捉えられないと、メンバーの意に沿わないコンテンツやイベントが増え、コミュニティはどんどん停滞していきます。

アンケートじゃ足りない。本音は雑談にこそ宿る

メンバーが望んでいることを察知するのはかなり大変です。というのも、何を望んでいるか本人ですら気づいていないことが多いため、アンケートや短い会話だけでは、なかなかわからないんですよね。

実際Webライターラボでも、アンケートを取ったり交流会で数分話したりして、メンバーの「本当の欲望」を想像しコンテンツに反映していました。でもなんかしっくりこなかったんですよね。当時はコミュニティに停滞感が漂っていました。

そこで実施したのがメンバーとの雑談会。Discordに「僕と雑談しませんか?」と投稿して、それに申し込んでくれた40人のメンバーと40分〜1時間ずつ話してみたんです。そしたら、メンバーが本当に求めていることがわかってきました。

いちばん大きな発見は、多くの人が「交流」を求めていたということ。僕はてっきり「学び」を目的にWebライターラボに入ってくれる人が多いと思っていたのですが、それと同じくらい「交流」を求めている人が多かった。

具体的には「孤独に作業するのが寂しかったから」「周りにライターがおらず知り合いがほしかったから」みたいな声ですね。

このような声を聞いたことで、Webライターラボではオフ会の頻度を増やしたり、東京だけでなく地方でも開催したり、不定期だったオンライン交流会を月1回の定期開催にしたりと、交流も重視するようになりました。

それ以降もメンバーと話していくうちに、「大人数でなく少人数でじっくり話したい」みたいな声が多数あったので、「ラボトーク(メンバー同士が1on1で話せる)」というサービスをつくりました。

これらの取り組みはメンバーから満足いただいており、それもまた口コミにつながっています。

雑談から本音を引き出す4つのコツ

僕の経験上、直接メンバーと話して意見を吸い上げるときのポイントは以下の4点です。

①継続のコツは "25分" にあり
②あえてバラバラ。多様性が会話を深める
③ノープランはNG。雑談にも設計図を
④話を聞いたらすぐカタチにして返す

①継続のコツは "25分" にあり
メンバーと定期的に会話するためには、自分が疲弊しないことが重要です。そのためには1人あたり25分くらいがちょうどいいと感じています。

というのも、つい先日1ヶ月で14名のメンバーと話したとき、いつもは1時間くらいのところを25分間にしてみたら「意外とこれで十分だな」と感じたんですよね。

全員と1時間ずつ話すのはさすがに体力的に厳しく、結果的に会話の機会が減ってしまいがちです。であれば、話す時間はあえて短めに設定し、頻度を上げる方がいいと思いました。

②あえてバラバラ。多様性が会話を深める
同じ属性(ライター歴や年齢など)の人に話を聞くと、どうしても話す内容が偏ります。たとえばライター歴1年未満の人と話したときは、「案件を受注できない」「自分が書く文章が変じゃないか心配」「モチベーションがつづかない」などの話が多かったです。

一方、歴が3〜5年ほどになってくると、「今後ライターとしてどう生きていけばいいか不安」など、キャリアに関する話が多くなります。さらに歴5年〜10年になると、「マーケティング系の仕事をしたい」「コンテンツをつくりたい」など、また違った話になります。

ライター歴以外にも、副業か専業か、年齢、家族構成などによって悩みは異なるため、話す内容が偏らないように、できるだけバラバラの属性の人に話を聞くといいです。

僕の場合は、いちばんわかりやすい「ライター歴」でくくることが多いですね。先日は「歴1年未満の人」を7名募集したあとに、「歴1〜3年の人」を5名募集しました。次は「歴3〜5年」くらいの人と話したいと思っています。

③ノープランはNG。雑談にも設計図を
質問事項はあらかじめ決めておきましょう。そうしないと話が脱線して、目的(本当のニーズを探る)からズレることがあるからです。先日開催した「ライター歴1年未満」の人との雑談会では、以下の流れで会話しました。

・趣旨説明
・Webライターになったきっかけ
・Webライターラボに入った理由ときっかけ
・受注している仕事の遍歴(受注方法、どんな仕事か)
・現在抱えている悩み
・理想の状態は?
・Webライターラボで実施してほしい講義は?

「コミュニティに入った理由」「今抱えている悩み」「理想の状態」はマストで聞くようにしています。この3つの質問は、「なぜ?」を掘り下げることによって、本当のニーズが見えてくることが多いからです。

④話を聞いたらすぐカタチにして返す
メンバーと話すと、やった方がいい施策がどんどん出てきます。それを音声配信でもXでもなんでもいいので、メンバーに共有しましょう。言うなれば、忙しいなか時間を割いてくれたメンバーへの説明責任ですね。

たとえば「みんなからこんな話を聞いた。だからコミュニティではこんなことを導入していく予定」みたいな軽い感じでOKです。一回だけでなく、逐一その経過を共有していきます。

実行しようと思ったけどやっぱり辞めたのであれば、その理由を話す。実行する予定だけど壁にぶつかっているなら、それもすべて話す。プロセスを見せることでメンバーを巻き込めるため、新しい施策を導入したとき一緒に盛り上げてくれます。

会話が起点。そこからGRAIRASUモデルが回りはじめる

本章をざっとまとめます。

メンバーに「安心」を届けるためには、メンバーの話を聞き、常に軌道修正する必要があります。

繰り返しますが、重要なのはメンバーの変化を捉えることです。コミュニティは長期に渡って運営していくので、初期に入った人は変化していますし、入会者の属性もどんどん変わってきます。そのすべてのニーズを捉えるのは難しいですが、「今うちのコミュニティではこんなことを求められているのだろう」と予測することは可能です。

コミュニティを立ち上げてからは、メンバーのニーズを捉えつづけることが運営者の仕事と言っても過言ではありません。

メンバーの生の声を聞き、必要な施策をどんどん取り入れていく。それによってメンバーに「感心」してもらい、口コミを回してもらう。そして、口コミを見てくれた人がどんどん入会してくれる。そうすることでGRAIRASUモデルが機能し始めます。

コミュニティ運営は大変!とにかく心身を大切に

本noteではコミュニティを1500名まで規模を拡大した方法について、GRAIRASU(グライラス)モデルに沿って、3つのフェーズに分けて説明しました。

まずは準備期の話でしたのね。圧倒的にギブをして「信頼」を積み上げると、コミュニティを一緒に盛り上げてくれる人が現れます。

次に立ち上げ期。コミュニティ内で価値提供をつづけ、メンバーから「ここまでやってくれるの?」と「感心」してもらいます。すると口コミが生まれ、それを見た人がどんどん入会してくれます。

そして運営初期。メンバーと会話することで彼らの本当のニーズを探り、それをコミュニティに反映することで「安心」できる場をつくり続けます。するとGRAIRASU(グライラス)モデルが回り、口コミが入会者を呼ぶという構図になるでしょう。

非常に地味ですが、とにかくメンバーが感心するような価値提供をつづける。そして、できるだけメンバーと会話し軌道修正をしつづけ、安心できる場をつくる。これを愚直にやってきたことが、Webライターラボが1500名規模になった理由だと思います。

もちろん、コミュニティのテーマや目指している規模、あるいは運営者が個人か法人かによって、今回解説した内容がそのまま使えない場合もあると思います。なので、ご自身で取捨選択していただき、何かひとつでも取り入れていただけたらうれしいです。

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最後に、生意気ながらコミュニティを運営している人、あるいはこれから運営しようとしている人に一言だけメッセージを送らせてください。

それは……コミュニティ運営において最も重要なのは「入会者数」でも「メンバーの満足度」でも「収益」でもなく、間違いなく「運営者の心身」であるということです。コミュニティ運営はまじで精神にくるので無理はしないでください。

僕自身も心を病みそう……とまではいきませんが、「もうめんどくさい!解散しようかな」と思ったことは何度かあります。

それはコミュニティ内の人間関係もそうですし、周りからの批判的な声、次から次へと出てくる課題への対応、本業と両立していることによる超長時間労働など。なかなかしんどいのです。

細かい話ですが、決済をどうするか?とか、顧客管理をどうするか?とか、退会基準をどうするか?とか、その辺りも自分で決める必要があります。もうとにかく、やるべきことがたくさん!!

そのとき鍵になるのは仲間の存在です。Webライターラボでいえば、運営チームや講師陣、積極的にコミュニティを盛り上げてくれるメンバーなど。

本noteで解説した「GRAIRASU(グライラス)」モデルを意識してコミュニティをつくれば、そのような存在に巡り合えると思います。特に序盤に入会してくれたスーパーファンの中には、コミュニティをずっと支えてくれる人がいるはずです。その点も踏まえ参考にしていただけたら嬉しいです。

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最後に、いつもWebライターラボを支えてくれている運営チーム、講師陣、そしてメンバーの皆さんに感謝を申し上げます。何者でもない僕がここまでの規模のコミュニティを運営できているのは、皆さんのおかげです。ありがとうございます。そして、今後ともよろしくお願いします。

というわけで、長々とお付き合いいただきありがとうございました!!
みなさん、どうかご自愛ください。僕も自分の心身を最優先して、これからも楽しくコミュニティを運営していきます。

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