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【どこでも】小西真奈 wherever 府中市美術館



府中市美術館の常設展示室にお馴染みの作品があり、
まとめて見たいな、と思っていた作家さんだったので喜んで初日に突撃。

いやー、良かった…まずタイトルが良い…
wherever
「どこでも」。

どこでもよい。どこでも行ける。

ポジティブな「どこでも」が冠にされた展覧会名の由来を作者の言葉で読んで、ニコニコ顔で入場してしまった。概要とご挨拶の隣に作者からの言葉が掲示してあるの、良いな。

展示室は2階な府中市美術館。

今回展示室内は撮影禁止のため、大部分の写真は無いが、一部撮影OKのものがあった。


概要

小西真奈は、現代の日本において、風景画の可能性を拡げているひとりです。アメリカ東海岸の美術大学で学んだ後、帰国して描いた作品が2006年に、若手作家の登竜門であるVOCA賞を受賞しました。雄大な景観を大画面に収め、隈までしっかりと描きこんだ理知的な絵画は、広く人気を得ました。感情を抑えた描写は写真にも似て、どこか懐かしさを感じさせ、穏やかに人々の記憶に語りかけます。
2010年代に生じた変化は、2020年代初頭のコロナ禍の時期に決定的になりました。隔離生活のなかで小西真奈は、自宅近くの都立公園や付属の温室、小川を訪れ、それらの風景を描きました。対象との距離は縮まり、筆運びは即興的でおおらかになり、色は感覚的に選ばれます。絵を見るわたしたちの緊張を解くような、軽やかさとやさしさが魅力です。 
本展は、小西真奈の美術館での初の大規模個展となります。2000年代の代表作を精選し、また近作と新作をたっぷりと展示します。どこででもあり、どこででもない場所を描いた風景画を、どうぞご堪能ください。

府中市美術館公式サイトより



3m離れてみる写実的な世界

自分と同じタイミングで展示室に入室したおじいちゃんがいた。
展示室に入るなり、目の前に広がる絵画の羅列に
「わあぁっ!上手いねぇ〜!」と割と大きめの感嘆の声を上げた。
思わず笑いそうになったが、その「わあぁ!」の感覚、非常に共感する。
思わず声を出してしまう、そんな第一展示室だった。

まず第一に鮮やかな色味が目に入ってくるのが快感なのだ。色味の既視感で言うと、デービッド・ホックニーといったらイメージしやすいかもしれない。


本物の絵画ではないが、フォトスポットの絵を。
絵画の青空とリンク。



3m離れると写真の様なクリアな世界が広がる。
わぁ!と近寄ると必ずしも緻密に描いていないことがわかる画面が面白い。
あれ?意外とラフな筆捌き?と気がつく、画面からの位置がある。
人によって絵との距離に好みがあるのかも知れない。私は3メートル以上下がって見るのが好きだった。

例えば生卵のスーパーリアリズム絵画で有名な上田薫氏の作品の場合、かなり近づいて見ても絵的なテクスチャーが伝わりにくい。画面のフラットさというか、筆の運びの痕跡が消されているというか。
伊庭靖子さんの絵画も近づいて見た時、割と画面はフラットで荒れてない。筆の痕跡が見えない。

小西さんの絵画は近づけば筆の痕跡はバッチリ分かるし、なんなら絵の具の処理も割とそのままな様子が伝わる。
しかし一度離れてながめてみると、その画面の荒れもそう見えずに綺麗にそこに収まっている様に見える。不思議だ。

こういう事をして面白がって絵を見ていると、一枚の絵をずっと見続けてしまう。見続けられる。そんな魅力。


この作品のみ撮影可。これも見てて楽しい。



武蔵野地域ゆかりの作家

府中市美術館での開催ということだが、ゆかりの作家としの側面もある。
近年描かれた絵画は府中、武蔵野周辺の風景を元にしたものも多く、あ、ここ知ってるという既視感がまだ見ていて面白かった。

モネの睡蓮の様な構図の睡蓮の絵があった。
ふふっと笑ってしまったが、これはおそらく長男、次男ともに幼稚園の親子遠足で行った公園のあの温室の風景だ。皆んなチビだったから大きな睡蓮の葉の上に乗れるのでは?と笑っていた。
そうやって鮮やかなカラーの画面からふと懐かしさが蘇る。あぁ良い風景だなぁ…としみじみ思う。

展示室に窓はないけれど、光を浴びた様な気持ちになる展覧会。

年末に明るい気分になりたい方、ぜひ見に行って欲しい。

コレクション展示室にも、小西さんの絵が出ている。

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