現場で見た"やってはいけない電気工事"——電気屋が正直に書きます
30年以上、電気工事の現場を歩いてきた。
その中で「これはまずい」と思った工事を、何度も見てきた。
今日は、実際に現場で見てきた"やってはいけない電気工事"の実例を3つ、正直に書く。
「電気工事って何が危ないの?」という方にこそ読んでほしい。
■ 実例① 壁の中に延長コードを通していた
これ、本当にあった話だ。
リフォームの際に壁を開けたら、中に延長コードが通っていた。延長コードは「室内で一時的に使うもの」として設計されている。熱がこもらないよう、外気に触れることを前提に作られている。
壁の中に隠してしまうと、熱が逃げる場所がない。コードが発熱し続けて、気づいたときには壁の中で火が出ている——それが電気火災の典型的なパターンだ。
「見えないから大丈夫」ではなく「見えないから気づかない」というのが一番怖い。
■ 実例② ブレーカーを勝手に大容量に替えていた
「電気が落ちやすいから」と、ブレーカーを大容量のものに交換していたケースがある。
ブレーカーは「電気を流しすぎたら自動的に止める」ための安全装置だ。許容量を超えたときに止まることで、配線を守っている。
それを大容量に替えると、配線が許容量を超えていても止まらなくなる。配線が焼け続けて、最終的に発火する。
「ブレーカーが落ちる」のは「異常があるよ」というサインだ。そのサインを無視して容量を上げるのは、火災報知器が鳴ったから電池を抜くようなものだ。
■ 実例③ エアコンのアース線がつながっていなかった
新しいエアコンを設置した現場で確認したら、アース線がつながれていなかった。
アース(接地)とは、万が一漏電したときに電気を地面に逃がすための仕組みだ。これがないと、漏電した電気が家電本体にたまる。そこに人が触れると感電する。
エアコンは水を使う機器だ。水と電気は相性が悪い。だからこそ、アース工事は必須になっている。
「設置した業者がやってくれているだろう」という思い込みが、一番危ない。
■ まとめ
3つの実例に共通していること。それは「見えないから気づかない」という点だ。
電気の危険は、煙が出るまで、火が出るまで、感電するまで見えない。だからこそプロが定期的に確認することに意味がある。
「何年も点検していないな」と思ったら、それが気づくタイミングだ。
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