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宮本浩次「I AM HERO」正統進化のその先へ

宮本浩次、4年半ぶりのNEWアルバム「I AM HERO」がついに発売された。既出曲が多かったので新たな曲はどれくらい収録されるのか少し不安ではあったが、そんな愚かな心配は杞憂に終わった。収録タイトルが発表され、新曲群がシングル曲とともにズラリと並んでいた。
タイトルだけなのにすでに凄い熱量を感じ、興奮した。

超ラッキーなことに、私は先日タワーレコード渋谷店で行われた【宮本浩次】ニューアルバム『I AM HERO』発売記念トークイベント宮本浩次×山崎洋一郎に参加できた。アルバム発売前に貴重な話を生で、しかもロッキング・オン創業者 渋谷陽一の生誕の日「6月9日」ロックの日に行われたこのイベント。期間内に渋谷店でアルバムを購入した人にだけシリアルナンバーの応募券が配布され、それに当選した100名が参加できたスペシャルイベントであった。私は何が何でも参加したくて祈る思いで5枚購入した。すでに4枚買っていたので、「I AM HERO」の購入数はあわせて9枚となった。(Xでは買った枚数間違えて少なく書いてたw)そして!
無事に当選!
本当に嬉しかった。ドファン冥利に尽きた。

エレカシ25周年のイベントでタワレコ渋谷店で購入したTシャツを着て参加した私

リラックスした様子で宮本浩次と山崎洋一郎が登場。「ひとしきり楽屋で盛り上がって」と山崎洋一郎。宮本浩次は「渋谷の街並みが昔と違ってる」「母が渋谷の店でアルバイトしていた」「手で打つパチンコ屋があった」そういう雑談から始まったような記憶。

宮本は「close your eyes」のことから語りはじめた。この歌は完結型の歌だよね?と小林武史から言われて中々どうしたものかと悩んでてツアーの最中に「シャラライラライ」というフレーズが出てきていい形になった、というような話をしてた。
サイモン&ガーファンクルなども参考にしたようだ。
「今俺が行きたい場所」での北とぴあから始まって、だんだんと自分のものになっていった。
今回のこのひとつのアルバムまでの道のりは「close your eyes」が始まりだった。
大事な歌なのが凄く伝わるし、私にとっても大好きで大切な歌だ。

「over the top」は最初に山崎洋一郎に聴かせたときすごく褒めていたけど、あるとき山崎洋一郎が「何だかよくわからない」と言い出したことがあったらしく、宮本は「信頼関係を根幹から揺るがすこと」などとジョークまじりに宮本浩次が話した。
それを受けてすぐに山崎洋一郎が「アルバムで聴いたら凄くああなるほどと納得して」「凄くよかった」と話をしていてまたまた宮本浩次がそこに突っ込んで会場を笑いに包んだ。でもこれ、ホントに実際にアルバムで聴くと単体で聴くよりこの曲のもつ良さが更にストレートに伝わってきて驚いた。
さすが宮本浩次が2日徹夜して決めたアルバムの曲順。本当に考え抜かれているのだ。
サブスク全盛となった今やランダムに流れてる曲を聴くのが一般的になっているけど、そこはキチッと型を作っておきたいという、宮本浩次の音楽に対する真っ直ぐ真摯な姿勢がここでも垣間見える。

左に山崎洋一郎、右に宮本浩次が着席していた。

「零地点Bomb」ではGiorgio Blaise Givvnにアレンジをお願いして、電話でしか話したことないけど好印象だったよう。そこで言っていたのが「革新的なものだと思ってやってることでもすでに昔やってるんだよね、ジョニーの彷徨とかでもさ。Giorgioさんのアレンジは本当に素晴らしいし、そういうことではないんだけど」。
「革新的なことをやったつもりでもすでにもう昔やってたりするんだよね。」「更新されていくんだ。3歳、5歳、10歳と更新して、アップデートを繰り返していくけど、でも結局もう3歳ですでに完成されているんだ、と確信した。」というようなことを話していた。宮本浩次は一点集中でそこだけに焦点を当てて突き進んで掘り下げてどっぷりと自分のワールドに入りこんで曲を作っていくけど、同時にものすごく己を客観視をしていて、やっぱり今回の歌もめちゃくちゃ新しいことをしてるわけではない、という自覚をちゃんと冷静に分析しているのだ。
アルバムで聴いていてもそれがわかる。
ああ宮本浩次が、言っていたことはそういうことかと。でも確実に全ての要素が更新されているんだけどね。

宮本浩次は「ちゃんと才能がある。」といつか何か雑誌のインタビューに書いていた。宮本浩次がここまで辿り着いたのは必然だった。才能がある上で努力を重ね安住せずに常に新たな一歩を踏み出し音楽の旅へ幾度となく出かけて続けてきた。生きてる限り様々なことに対応、呼応して変化、進化はするけどでも、やっぱり本質は何にも変わってない。でも絶えず更新していく。生きているから。

エレファントカシマシのポスター前で感謝を伝える

いつも俺たちはエレファントカシマシが、宮本浩次が進化していく過程を目の当たりにしてきた。
そして新しいものが完成した瞬間から、それは過去になり、また新たな完成を求める宮本浩次。
我々はまた新たな旅へ出かける宮本浩次のあとを
ずっと追いかけ続けてきたのだ。

宮本浩次はエレファントカシマシでそしてソロで、幾度となくアップデートを繰り返してきた。今回の「I AM HERO」でも実験的で革新的な楽曲があるけれど、昔すでにやってきたことに磨きをかけ更新したものなのだ。

「かなりニュールネッサンスなnew dayよ!」は
エレファントカシマシの「WAKE UP」デラックス盤に収録されてるデモトラック「Easy go」の0バージョンが本家「Easy go」とはまだ別の進化を遂げて成長したようにも聴こえたし、(なのでいい意味で青臭い瑞々しさがある。eastern youthの初期作品のような青春の香りがそこらに漂う)←こんな歌を作れる60歳間近な人はいない。

アルバムには収録されていないがRADWIMPS「おしゃかしゃま」のカバーに続いてドラム担当した石若駿のドラムもまた凄い。ライブでは玉田豊夢バージョンになるのだろうか。そちらも楽しみ。

「零地点Bomb」も「東京の空」から地続きな印象を受ける。フリーダムという言葉が「暮れゆく夕べの空」を想起させる。「feel so fine」も「扉」の「イージー」を彷彿とさせる。でも決して焼き直しではなく、60歳を迎えつつあるレジェンド宮本浩次の中で様々なプロフェッショナルな職人たちと共に作り上げられ更新されているのだ。またこのアルバムの背景を体現している河村康輔氏が手がけたジャケットも凄い。異なる角度から捉えられた宮本浩次の実像が、シュレッダーで裁断され分解され、再び一塊となり、その集合体の中で宮本浩次の眼光の鋭さがより一層際立つものとなっている。
原画は、現在タワーレコード渋谷店と新宿店、町田店で3種、それぞれの場所で展示中。
渋谷店で展示されていたのは通常盤のジャケット。
シュレッダーの生々しさがダイレクトに伝わるド迫力は是非生で見て頂きたい。まさにアートである。
山崎洋一郎はこれまでの宮本浩次のジャケットで一番好きだと絶賛していた。

河村康輔氏によるジャケット原画
「Easy go」のデモトラックなどが収録されている
エレファントカシマシ の「WAKE UP」

「Today -胸いっぱいの愛を-」など小林武史とのユニットで磨き抜かれた高い完成度の「歌」たちも多数収録。これまで佐久間正英プロデュースのエレカシ曲を筆頭に様々なプロデューサーと作り上げてきたエレカシメロディアス歌謡曲路線が小林武史との「ROMANCE」を経て、これ以上なくアップデートされいよいよ最終形態となってきたと感じた。
佐久間正英が以前「宮本くんの歌は歌詞がついてない方がエモーショナルで感動する」と言っていたことが「シャラライラライ」を通じてより説得力を増す。そしてそれは確信となり、「零地点Bomb」も「feel so fine」でも存分にいかされている。「愛を抱きしめろ」は本当に痛快。宮本浩次「語」で何の問題もないのだ。口でハーモニカだって何だっていいんだ。これだ!っていうフィーリングなんだぜ、音楽は!その場の感情を味方にして歌にそれがのっかって形式を超えた感動を生み出す宮本浩次の真骨頂がアルバムの中で味わえる。
音源なのにライブ感、躍動感がすごい。テイクもあまり録ってないようなことも言っていた。デモトラックの勢いをなくさずそのままダイレクトにパッケージできる現代技術のおかげで、さらに宮本浩次のエッジ、凄み、えぐみがストレートに届くようになっている。もちろん「哀愁につつまれて」「風の私の物語」といった宮本浩次の物語、歴史が刻まれた歌詞があってこそより素晴らしさを感じれる歌もたくさん収録されている。Adoに提供した「風と私の物語」Adoが歌うことを前提に作られてはいるものの、やはり宮本浩次本人が歌うこの曲は格別。
めちゃくちゃいい歌。大好きな歌。

アルバムバージョンの「I AM HERO」は全てのパートが粒だって鮮明になり、クリアーに聴こえるようになっている。宮本浩次いわく須藤優のベースがとくによく聴こえるようになっていて、本当に素晴らしい。ド迫力なロックナンバーは、プロフェッショナルな音楽家たちによって実はこんなにも緻密に計算された音楽なのだとあらためて聴き惚れる。
もちろん私はシングルカットの音がぐちゃっとコンプされて潰れてる方も大好きだ。

こちらに「I AM HERO」シングル盤が収録されている
「俺と、友だち at 下北沢SHELTER 」
素晴らしいライブだった

これまで通りの二つの大きなカラー、革新的な激烈ロックと普遍的な王道の歌もの。衝動と王道を自由に行き来するのが宮本浩次の世界。本質的なことは昔から変わっていない。「生きているから」でも言っている。「どう転んだって変わりゃしない」でも転がり続けてこそロック、生きているから転がり続ける。その過程で新たに生まれた第三極。
そのどちらのカラーでもない新たなはじまり、
その進化過程を体験できる幸福。
ドファン冥利に尽きる。
でもさ、やっぱり宮本浩次の真骨頂は「生きているから」だよなぁ…歌はもちろん、ギターもベースも、そして小林武史から借りたドラムも、
一人で全部やったものが一番宮本浩次だよなぁ。
弾き語りシリーズもちゃんと更新されていた。

「最高の日、最高の時」「俺と、友だち at 日本武道館」の
最高のLIVEが家で観れるBlu-ray版も大オススメ!

「I AM HERO」は宮本浩次の歴史の断片が一堂に会し、更新された宮本浩次の手によって一塊となり圧倒的な熱量をもって剥き出しの宮本浩次が迫ってくる。生まれもった類稀なる感性と才能、唯一無二の歌声が、幾度となく更新を繰り返してここに生まれた宮本浩次の最高到達点のアルバム。「I AM HERO」ド最高‼️

#宮本浩次 #IAMHERO

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