生き方のヒント
致知12月号の特集「生きるヒント」から心に残ったエピソードをご紹介します。
「材料を落とすな。割り守れ」
日本の饅頭の元祖として創業から675年の歴史を紡ぐ塩瀬総本家で満100歳を迎えた川島会長が父親から受け継いだ言葉とのことです。「割り」とは和菓子の材料の配合や分量のことで、戦時中に材料が不足した際にも、材料の品質を落とさず、配合を守り続けたそうです。その教えは現在にも活きており、
昔から配合やつくり方は一切変えていません。普通のお饅頭は小麦粉に膨らし粉を入れて皮をつくりますが、うちは小麦粉も膨らし粉も使わない。お米の粉ととろろ芋なの。もちろん膨張剤も入れません。だから、日が経ってもパサつかない。しっとりとしておいしい。これが塩瀬の独特のお饅頭なんです。
そういった古くからの伝統を大切にしている姿勢が長年の繫盛に繋がっているとの紹介でした。また、川島会長が人生で一番大切にしているのは、欲に対して執着をしないこと、とのことです。
こだわらない、握らないことですね。握らないっていうのは欲をかかないこと。握ろうとすると逃げるの。だから、握らない。追いかけない。放すことです。
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家訓の一つに「繁盛するに従つて益々ますます倹約せよ」とあるように、調子のいい時でも決して驕おごらず、沈む時に備えて蓄えておく。反対に調子の悪い時には決して腐らず、いまは沈んでいても後々必ず浮く時が来ると信じて、「無理なることをすまじき事」で慎ましく暮らす。ただし、歩みを止めない。どんなことがあっても絶対に投げ出したり諦めたりせず、やめないで細々とでも続けることです。
「一日30分だけでいい。本を読め」
コカ・コーラ社で経営企画室長を務めた山岡彰彦氏は入社直後の営業時代に苦境の日々を過ごし、その中で、営業所長から以下の言葉をかけられた、とのこと。
「いい大学を出ている人よりも、ずっと継続して勉強し、知識を蓄える人間が最後に勝つんだ。一日30分だけでいい。本を読め」
また、コカ・コーラの経営企画室長を務めた際に、「考えてから行動するまでの順序を正しく進める」ことについて、以下のように学んだ、とのことです。
1、状況を事実ベースで把握する
2、目的を阻害する問題点を整理し、課題を抽出する解決の優先順位をつける
3、目的を達成するための目標を設定する
4、目標達成の戦略を立てる
5、戦術を選定する
6、決めた施策を実行に移す
営業現場でよく見られるのが、「目標を下回っているから、製品を値引きしよう」というように、戦術から入ってしまう、とのこと。戦術にすぐに飛びつくのは自分もよくやってしまいますので、耳の痛い話ではありますね。
また、同氏は定年後も企業や大学で研修を行っており、その中で研修の学びを実践に移す人は約30%、そのうち実践し続ける人は僅か5%といわれており、もったいないと感じている、とのことです。自分の命ともいえる大切な時間を削って参加しているのに・・・
「人賢愚ありと雖も、各々一二の才能なきはなし、湊合して大成する時は必ず全備する所あらん」
吉田松陰のことばで、人は賢くも愚かなるもあるとは言え、誰にでも一つや二つの才能はあるものだ、それらを集めて伸ばす努力をして成長すれば、必ず人として良い方向に備わり、立派な人間になれるであろう、とのことです。
そういった性善説の哲学を持ちながら、吉田松陰は松下村塾を運営し、高杉晋作や伊藤博文などを輩出していきました。その指導方針は「厳しく、鋭く、優しく」の三拍子で、92名の塾生を個別指導を重視しながら育てた、とのことです。
そして、吉田松陰は人生のミッションをしっかりと見極めたうえで学びを立てていくのが良い、という次のことばも残しています。
「学問は須らく己が真骨頭とうを求得し、然る後工夫を著くべし」。
自分はどのような人間になるべきかをしっかり見つめ、自分の価値を十分発揮できる志を立て、その志を成し遂げていくように学んでいくことが学問である、という意味の言葉です。ただ勉強するだけではいけない。その前に自分自身を顧み、志をしっかり立てた上で行う学問、努力こそが人生を開いていく
人生を幸せに長く生きる秘訣
引用した3記事それぞれで、人生を幸せに長く生きる秘訣が紹介されていましたので、最後に引用をします。
私の場合は、和歌を詠んでモヤモヤした気持ちを捨てるという方法ですが、お茶を点てることだったりゴルフだったり、人それぞれマイナスな感情やストレスを捨てる方法があると思うの。自分に合った何かを見つけて生き抜いていくことが大切ですよ。
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あと、何事にも感謝する気持ちを忘れないこと。これも大事です。いいことだけじゃなくて、悪いことにも感謝する。すべてに感謝する。嫌なことがあったら、さっさと捨てる。冒頭に申し上げたように、捨て所を見つけて生き抜いていくことですね。そうすると感謝せずにはいられない世の中になるんです。年を重ねるにつれそういう柔らかい気持ちにならなきゃダメ。
もう一つは、幸せになる能力を高めること。不条理な現実に直面し憤いきどおることもあります。けれど、その一つひとつが絶対に自分のプラスになる。だから、何事にも感謝の意を持ち、自分の幸せを積み重ねていくことが、よりよい人生を生きるヒントだと思います。
「中道の士は美質全徳以て尚ふることなし。論ぜずして可なり」。中庸の徳を備えて踏み行う人は、優れた素質と純粋な人徳があり、つけ加えて言うこともなく、わざわざ議論するまでもないことであるという意味です。中庸の「中」は偏らないこと、「庸」は易わらざることを表します。日本人は古来、一方に偏り過ぎない「中庸」を大事にしてきました。やはり物欲でも名誉欲でも、極端になれば人生の禍いのもとになってしまうものです。
104歳で亡くなられた国文学者の物集高量さんが、百歳の時にインタビューを受け、「長生きの秘訣は何ですか」という質問に「真ん中を上手に泳ぐことだ」と答えています。この「真ん中」というのは、要するに中庸のことです。
他にどんな記事があるんだろう、と思っていただいた方に。
