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コーチング:目標設定の難しさ

 コーチングで感じる目標設定の難しさについて書きます。それぞれ、私が経験した実例に基づいていますので、一定の臨場感を持って読んで頂けると思います。


コーチングにおける目標設定とは

 コーチングの開始時に、「今日は、どんなお話をされますか?」とその日のテーマを聞きます。そのテーマを出した際に、クライアントとしては、そのテーマに関する目標が、既に頭の中でぼんやりとした形で存在することが多いと思います。あとは、コーチとの対話を通じて目標を具体化・言語化していき、その達成手段を考えていくという流れになります。

 こう書くと、とてもシンプルな流れに見て頂けると思います。一方で、この目標設定の中で、色々な化学反応が起こるのがコーチングの不思議なところだと感じています。そういったケースの幾つかを書いていきます。

ケース1 当初の目標が全く違っていた

 日常生活を営む中で、「あれっ、何で、自分は、ここにこだわっていたんだろう」と思うことが多くあると思います。この、「自分が追い求めていたものが、本当は欲しいものではなかった(ニセの願望だった)」という転換が、コーチングの場では素早く起こることがよくあります。

 例えば、クライアントがセッションの冒頭に、「自分はこういった状態を目指したい、これをやりたい」と話したとします。その後で、その目標を考えた背景や、いきさつを聞いていくと、クライアントは「あれっ」という顔をして、「よく考えると、この目標は違う気がしてきました」という事があります。

 もしくは、クライアントのエピソードや考えを聞きながら、その人の大切にしている価値観について確認(私が感じたことのフィードバック)をすると、目標と価値観のズレに対して、クライアントが違和感を感じることがあります。

 こういった形で、実は、自分が当初に思っていた目標は違っていた、ということは多く起こり得ます。その場合、セッションとしては仕切り直しになりますが、そこの気づきが得られたということで、コーチングとしては良いものであった、と私自身は考えるようにしています。

ケース2 目標は手段でしかなかった

 このケースに関連してよく引き合いに出される例として、「お金を稼ぎたい」があります。

 単に「お金を稼ぐ」だけではハッピーではなく、「お金を稼いで、世界を一周する」ですとか、「お金を稼いで、事業を起こす」など、その先にある目標があるはずですので、「お金を稼ぎたい」は単なる手段になります。

 さらに言うと、「お金を稼いで、世界を一周して、色々な文化に触れたい」、「お金を稼いで、事業を起こして、困っている人たちを助けたい」など、その更に先にある目標もあるはずです。その場合、世界一周や起業は、やはり単なる手段です。

 こう書くと、目標設定とは、果てしない手段→目標のサイクルの繰り返しなのだな、と思います。限られたセッション時間の中で、この手段→目標をトコトン追及することはできませんが、例えば、「半年後にこうなりたい」という方に、3年後の姿を聞いてみたりすると、この目標の手段化(半年後の状態は単に中間目標であったことの認識)が起こることが多いように感じます。

ケース3 目標が大きく膨らんだ

 ケース1では「目標が違っていた」ですが、こちらは、当初設定の目標とはベクトルは同じものの、コーチングを進めていくうちに目標が大きく膨らんでいくケースとなります。

 ポジティブに未来を描けるクライアントの方に、未来の一時点における、自分の成功イメージをかなり具体的に想像をしてもらいます。そうすると、その鮮明に描かれた一場面を立脚点として、もっとやりたい事が出てきたり、さらにその先の未来を想像しやすくなります。

 その結果、当初は考えられなかったくらい、「気分が乗った」状態での目標設定が容易になりますので、ストレッチした目標に対する行動プランが考えやすくなります。

 一方で、この方法が上手く運ぶためには色々前提条件があるように思っており、少なくとも、ケース1やケース2をクリアした状態でないと、やってはいけないように感じています。

まとめ

 私自身も、目標はしょっちゅう変わる方ですので、そういった性格だからこそ、目標は賞味期限付きのもののような捉え方をしています。無理にコーチングをしなくとも、目標は日常の中で自然と変化・進化していくものですが、そこの進化速度を速めることができるのが、コーチングの価値の一つであるとも考えています。

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