あなたの過去と未来はどっちの方向?
NLPにおける手法の一つにタイムラインがあります。この手法は、過去・現在・未来を行き来し、過去の記憶を辿りながら振り返り、未来をより良い方向に導くことを目的としています。。
かなり想像力を使う方法で、実施すると時間も使いますし、お互いに精神を消耗してしまいます。タイムライン手法は、過去の感情や記憶を掘り起こすため、参加者にとって感情的に負担が大きいことがあります。
そのため、私も滅多に使わないのですが、初回で相手の時間感覚に違和感を感じた際に、簡単な質問をすることで、相手の時間軸が整理されることがあります。
スルータイム・インタイムの分類
タイムライン手法を実施する際には、「あなたの過去は、どちらの方向にありますか?」「あなたの未来は、どちらの方向にありますか?」という定番の質問から入ります。この質問を通じて、相手がどのように時間を捉えているかを理解することが可能になります。
その際に、教科書的には、目の前を過去・現在・未来の時間が流れるスルータイム型と、過去が自分の背後にあり、自分を通って目の前の未来に流れるインタイム型の2タイプがある、とされています。この分類は、人がどのように時間を認識し、過去や未来をどの方向に感じているかを理解するための基本的な枠組みです。

以下は、スルータイム型・インタイム型の特徴について、「NLPタイムライン・セラピー(タッドジェイムズ)」からの記述をまとめたものです。統計的にデータが取られたものではないと思いますので、参考程度、に私は考えています。
① スルータイム型の特徴
スルータイム型の人は、時間の流れを目の前に見るため、時間管理が正確で、スケジュール通りに物事を進めることが得意です。また、過去の経験を参考にして未来に活用することが得意で、「時が味方してくれている」と感じやすい傾向があります。このため、計画的に物事を進めるのが得意で、将来の目標を達成するために過去の教訓を積極的に生かすことができるのです。
一方で、スルータイム型の人は、「今現在」に対する意識が薄く、非常に忙しい環境に置かれると、なかなか物事に集中できないこともあるようです。
また、現在の瞬間に対する関心が低く、今起きていることよりも、過去の経験や未来の計画に意識が向きがちです。そのため、目の前の出来事に集中しづらく、瞬間的な判断や行動が求められる状況ではストレスを感じることもあります。
② インタイム型の特徴
インタイム型の人は、自分の頭を動かさないと、過去や未来の一部を見ることができません。インタイム型の人は、「今」に集中することが得意で、また、「過去を水に流す(まさに背後にあるので!)」などの発想がしやすいという特徴もあります。このため、現在の瞬間を重視し、過去の失敗にとらわれずに前向きに進むことが得意です。
その一方で、インタイム型の人は、ミーティングをなかなか終わらせることができなかったり、常に自分の目の前に選択肢を残しておきたい傾向が強いようです。このような傾向は、今という瞬間に焦点を合わせすぎるため、将来の計画を具体的に立てることが難しいことに起因する場合があります。
また、選択肢を残しておきたいという気持ちは、柔軟性を持ちたいという前向きな意図から来ているものの、結果として決断力に欠けると感じることもあるかもしれません。そのため、インタイム型の人は、より長期的な視野を持つことや、決断のタイミングを明確にすることが課題となることがあります。
③ 参考記事
インタイム・スルータイムに興味を持たれた方のために、違いを使い分けておられる方のnote記事をご参考に貼っておきます。
陥りがちなタイムラインのバイアス
タイムラインを実際に会話で使う際、この図式が頭に入っていると、自分自身の持つ時間感覚に相手を無意識に誘導してしまうことがあります。私はインタイム型なので、過去は後ろにあるものだと考えて会話を始めると、相手によっては怪訝な顔をされたことがあります。
というのも、一般的にタイムラインが紹介される際、インタイムを使って解説や実践が行われることが多く、そのことがバイアスになっていたのです。スルータイムの存在をまだ知らなかったときに、過去・現在・未来をスルータイムを念頭に話している人に出会ったときに、強烈な違和感を覚えた記憶もあります。
そして、スルータイム型とインタイム型の2つがあることを理解した後でもなお、世の中にはこの2種類しかない、と信じてしまうバイアスは残ってしまいます。
スルータイムでもインタイムでもない時間の捉え方
何が言いたいのかというと、冒頭に書いた「あなたの過去は、どちらの方向にありますか?」「あなたの未来は、どちらの方向にありますか?」に、「この部屋の空間360度、どの方向ですか?」という質問を加えるだけで、驚くほど回答が変わることがあるのです。
人によっては、「えっ、過去や未来がそんな方向!?」と驚くことも少なくありません。前述の「NLPタイムライン・セラピー(タッドジェイムズ)」にも、タイムラインには様々な派生型が存在すると書かれていますが、実際に相手に質問してみると、意外な回答に驚くことが多いのです。
その際に、過去→現在→未来のラインが屈曲している場合、「その線を、ピンと伸ばしてみると、どうなりますか?」と問いかけてみます。このシンプルな質問により、それまで歪んでいた時間軸がまっすぐになり、整理された感覚や安心感を得ることがあります。
結果として、「少し、時間に沿って物事を考えやすくなりました」といった反応が返ってくることもあり、相手にとって新たな気づきやメリットが生まれる場合があります。
まとめ
自分の過去と未来がどちらにあるのか、という概念で時間を考えたことがない人がほとんどです。そこは素直に「どちらでしょうか?」と尋ねてみることで、質問された本人にとっても新しい発見が得られることがあります。
その答えが予想外だった場合、「なぜスルータイムでもインタイムでもないのだろう」と質問した側も戸惑うことがあるかもしれませんが、「ピンと伸ばしてみてください」という一言で、相手に気づきをもたらせることがあるのです。
