「クマに注意」が警戒標識として設置されている都道府県は?
近年、山地の奥深くだけでなく、人里に降りてきて住宅地やスーパーなどに侵入して何かと世間を騒がせているクマ。その数は毎年増加傾向にある。その状況を道路標識の観点から掘り下げてみる。
「クマに注意」警戒標識のバリエーション
「(214の2) 動物が飛び出すおそれあり」(いわゆる「動物注意」標識) には様々なバリエーションが存在する。「クマ」の図柄についても、日本全国で約20種類が確認されている。標準の図柄は存在しない。詳しい内容は以下の記事を参照されたい。
「クマ」のバリエーションのうち、いくつかの写真をご紹介しよう。



新千歳空港近くの道道130号沿いに1基設置されている。太陽電池式で光る珍しいタイプ。
この図柄は北海道や本州の一般道や東北の高速道路に設置されている。


2022年の事故を受けて設置された比較的新しい標識。

同じ図柄で下に「出没注意」の文字が入っているものは、岩手県大船渡市の大窪山の林道に3基設置されている。


2023年に設置された比較的新しい標識。

2024年8月26日の道道135号線開通時に設置された比較的新しい標識。

かわいいイラストの図柄。オンリーワンのオリジナル図柄。

地元の小学生が描いた図柄を採用したオンリーワンのオリジナル図柄。
近年のクマ出没情報
日本全国のクマの推定生息数、出没数などの推移については、環境省が情報をまとめている。
令和7年度第1回クマ被害対策等に関する関係省庁連絡会議 (概要)
令和6年度第2回クマ被害対策等に関する関係省庁連絡会議 (概要)
令和6年度第1回クマ被害対策等に関する関係省庁連絡会議
令和5年度 クマ被害対策等に関する関係省庁連絡会議 (概要)
クマ類の生息状況、被害状況等について
クマ類は九州や島嶼部を除く34都道府県に恒常的に分布し、四国を除いたすべての地域で分布が拡大している。日本全国の推定生息数は、きちんとした統計はないものの約3万~6.5万頭 (増加傾向)、1年間の出没件数は1万~2.5万件、人身被害件数は50~150件程度、最も人身被害が多いのは東北で、季節は秋の冬眠前である。
クマの分布図は以下の通り。

都道府県毎の推定生息数の情報を入れて単純化した情報は以下の通り。

警戒標識の設置場所
一方、日本全国の「クマに注意」警戒標識の場所を記した地図は以下の通り。

特徴としては、道県により高速道路に設置されている場合と、一般道路に設置されている場合に分かれる。これらを整理した地図は以下のようになる。

北海道 31
岩手 15
秋田 11
宮城 9
青森 5
山梨 4
鳥取 4
島根 3
富山 2
栃木 1
長野 1
広島 1
設置年代については、10年以上前から設置されているものが多い。
北海道では、知床半島の国道334号沿い、標津郡標津町古多糠の道道1145号沿い、美唄市の道道135号沿い、川上郡標茶町の道道221号沿いの警戒標識は2020年以降に新しく設置された。
道路標識の設置状況と、クマの生息地域を比べてみると、標識の設置は圧倒的に足りていないことが分かる。
毎年、クマの出没頻度が高くなっている現状を考えると、クマに注意の警戒標識も、より多く設置していく必要があるのかもしれない。
