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一方通行逆走方向の標識設置

一方通行の逆走はたびたび問題として取り上げられる。ただし、一般道路では、一方通行・車両進入禁止の補助標識で特定の種類の車両を除外している場合が多い。除外する車両の種類は都道府県の管理に任されていて都道府県ごとに異なったパターンで行われる。また、同じ都道府県内でも市街地なのか郊外なのか、もしくは道路の性質等によって異なる規則を適用している。

ところで、逆走が許されている車両が一歩通行路を逆走する際に困ることがある。なぜなら、逆走方向には道路標識、道路標示、交通信号機が設置されていないことが多いのだ。これらの設置がないと、当然事故の危険性が増してしまう。

この記事では、どのような車両の種類の場合に標識等の設置がどうなっているのか、また、都道府県によって差異があるかについて掘り下げる。


逆走方向に必要な標識

対向車両、交差道路との交通、歩行者等との事故を防ぐために、逆走方向に必要な標識として、以下のものが必要になると想定される。重要度は、無いと事故が起こる危険があると思われるものを想定し1から3までの3段階に分けてみた。

重要度1.「止まれ」標識 (停止線)、および交通信号機
重要度2.「横断歩道」系標識
重要度3.「最高速度」標識、「駐(停)車禁止」標識

時間帯限定の場合

一方通行・車両進入禁止の補助標識が車種を限定せずに時間帯指定のみの場合、ある時間帯については完全に対面通行となる。そのため、交通信号機や標識はすべて逆走側にも設置される。

大型等の場合

交通信号機や標識はすべて逆走側にも設置される。

京都府では大型バスや大型貨物自動車だけ一方通行になっている道路がある。京都の中心市街は道路の幅が広く取れないものもあり、大型等のすれ違いが困難な道路もあるためだ。普通乗用車や二輪車は対面通行である。このような道路では、当然、両方向にフルセットの標識が設置されている。

一方、神奈川県では大型等だけが逆走できる道路が存在する。普通乗用車や二輪、自転車でさえ逆走できない道路で、大型等のみが逆走できるというのはかなり特殊な環境だ。細い道路の途中に貨物搬入口があり、特定の大型車がやむを得ず逆走するケースだ。この場合、特殊なケースであるため、逆走方向に設置がない。

二輪の場合

多くの都府県では二輪が対面通行できる一方通行路でも、逆走方向に標識の設置はない事が多い。

ただし、千葉県や佐賀県などでは場所によっては逆走方向に「止まれ」「停止線」「最高速度」といった標識が設置されている。和歌山県では「止まれ」を除く「停止線」「最高速度」「駐車禁止」「横断歩道」が設置されている。奈良県や宮崎県では市街地を中心に標識一式を設置している。

原付の場合

原付の逆走が可能な道路では、逆走方向に標識の設置はない事が多い。東京都では、「止まれ」「指定方向外進行禁止」「最高速度」「学校あり」などはないが「横断歩道」の標識がある。

自転車・軽車両の場合

逆走方向に標識の設置はない事が多い。

静岡県の市街地などでは、逆走方向に「自転車止まれ」が設置されている。

逆走方向の信号機の設置

逆走方向への交通信号機の設置状況は都道府県による。

東京都は2012年頃から設置を始めた。ただし、T字路の行き止まり方向 (軽車両、原付の二段階右折対応) や交差点の形が複雑な場合には逆走方向に信号機の設置がない場合も存在する。

以下が都道府県別の大まかな傾向である。

北海道: なし (一方通行に除外規定がない)
青森:
岩手:
宮城:
秋田:
山形: なし。自転車を除くで止まれ・横断歩道設置事例あり。
福島:
茨城: 
栃木: なし。自動車の一方通行で止まれの事例あり。自転車を除くで止まれの事例あり。
群馬: 
埼玉: なし。原付除外区間でもなし。自動車の一方通行で事例あり。川沿いの二輪除外区間では止まれある場合あり。自転車除外で止まれ設置の特殊事例あり。
千葉: なし。二輪除外区間は止まれや最高速度が設置の場合あり。自転車除外で駐車禁止設置の特殊事例もある。
東京: なし。原付除外区間は横断歩道標識のみの設置
神奈川: なし (自動車の場合もない)
新潟: なし。ただし自動車・原付で止まれ設置の事例あり。横断歩道設置もあり。
富山: なし
石川: 
福井:
山梨: 二輪除外には止まれ、横断歩道を設置。原付除外で最高速度と駐車禁止が設置されている場合も。
長野: なしだが一部の自動車・原付の一方通行で止まれ標識横断歩道標識あり。最高速度があることもある。
岐阜: なし。
静岡: なし。軽車両除外で自転車止まれ横断歩道標識が設置されているケースも特に市街地では結構ある。
愛知: なし
三重: なし
滋賀: なし、二輪を除くで横断歩道や矢印標識事例あり。
京都: なし。自転車を除く一方通行の入口で設置されているケースも特に市街地ではある。大型車両を除くの場合はフルで設置。
大阪: 
兵庫: なし
奈良: 二輪除外区間に標識一式が設置されている。
和歌山: 二輪除外区間に「止まれ」を除く標識一式が設置されている。
鳥取:
島根: なし
岡山: なし。自転車除外区間で駐車禁止設置の特殊事例もある。
広島: なし
山口: なし
徳島: 
香川: 二輪除外区間に標識一式が設置されている。
愛媛: なし
高知: なし。軽車両除外区間で横断歩道が設置される事例が少しある。
福岡: 
佐賀: 二輪除外の場合、止まれと停止線がある場合あり。
長崎: 
熊本: なし
大分: なし
宮崎: 市街地の原付・軽車両を除くは標識一式を設置。軽車両を除くも標識一式を設置している場合あり(止まれ無)。
鹿児島: なし (一方通行に除外規定がない)
沖縄: なし (一方通行に除外規定がない)

逆走方向に標識が無い場合の対応とリスク

逆走方向に規制標識がない場合、どうすればよいのだろうか。常識的に考えると、順方向に止まれ、横断歩道、最高速度、駐車禁止等の規制があるのであれば、逆走方向でも同様に守らないと危険であることが容易く想像できる。特に「止まれ」と「横断歩道」は、交差点や横断歩道での重大事故に直結する。

自治体によっては自転車用の法定外「止まれ」標示や看板を設置しているが、これは道路交通法の適用範囲外であり、法的な遵守義務はない。

図: 東京都中央区が設置している自転車用の法定外「止まれ」標示の例。
図: 東京都杉並区が設置している自転車用の法定外「止まれ」標示の例。

道路交通法第三十六条では、標識の有無にかかわらず交通整理の行なわれていない交差点における車両の振る舞い方が規定されている。たとえば相手が優先道路や幅員が明らかに広いものの場合は交差点進入時に徐行したり、交差点通行時には歩行者に特に注意し、できる限り安全な速度と方法で進行する、といった義務が課される。

自転車も車両に含まれるので同様の義務を負うが、自転車は免許なしで乗れるため、このことを認識している運転手がどれだけいるか疑問である。

賢い運転手であれば、逆方向に止まれや横断歩道の標識がある場合は、逆走側にもあることを想定してそれに従った運転をすることが望ましい。そうすることで、重大事故を未然に防ぐことができる。

図: このような交差点に逆走方向から自転車で進入する場合、あなたならどう運転するか?

あわせて、行政には逆走方向にも「重要度」の高い標識の設置を要望したい。


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