[Log_Ht-0016] こっくりさんと消えた同級生
■ Lost_event
Event_summary:
2004年に神奈川県内の緑が丘(みどりがおか)で発生した、こっくりさんとその後に発生した「特定個人の存在消滅現象」に関する記録です。Incident_details:
2004年、神奈川県にある緑が丘(みどりがおか)中学校に在籍していた高橋 美香(たかはし みか)氏(当時14歳)は、クラスメイト3人のグループで、毎日のように行動を共にしていました。
ある日の放課後、いつもと同じように4人で帰宅しようとしたところ、突然の豪雨に見舞われました。
雨宿りを兼ねて少しの間だけ教室に残ることにした4人でしたが、次第に手持ち無沙汰になり、暇潰しとして「こっくりさん」を行うことになりました。
最初は「誰が誰を好きなのか」といった、中学生らしい他愛のない質問を投げかけて盛り上がっていました。
10円玉の動きは意味を成すことがなく、気付けばでたらめな言葉が並ぶこと自体を楽しむようになっていました。不意に高橋氏が「私たち4人は、これからどうなりますか?」という、将来に関する質問を何気なく投げかけました。
すると、それまででたらめに動いていた十円玉が、文字盤の上を不自然なほど迷いなく滑り、
「1人いなくなる」
という、不穏で冷徹な言葉を示しました。その場の空気が少し不気味に凍りついたものの、その日は雨が上がると同時に皆でこっくりさんを終え、こっくりさんに使った10円玉を使うべく4人でコンビニに寄り、ジュースを買ってからそれぞれ家路に就きました。
翌日、学校に登校した高橋氏は奇妙な違和感に襲われました。
いつも通り4人で集まろうとしたはずが、どうしても「もう一人の友人の名前と顔」が思い出せないのです。恐る恐るいつも一緒にいた2人に確認したところ、他の2人も全く同じ状態であり、「昨日まで4人でいた確かな感覚」はあるものの、その欠落した1人が誰であったのかを完全に忘却していました。
その後、3人は恐怖と違和感を抱えながらも、やがて「もう1人の存在」を完全に忘れて日常に埋没し、そのまま中学校を卒業していきました。
成人を迎えた高橋氏は、自室の整理中に久しぶりに中学校の卒業アルバムのページを開きました。
クラスの集合写真には3人の姿しかなく、やはり何かが欠落しているように感じられましたが、アルバムの巻末にある寄せ書きのページに目を向けた瞬間、彼女は息を呑みました。色鮮やかなサインペンで書かれた友人たちのメッセージの隙間に、かすれた鉛筆の筆跡で、記憶から完全に消えていた友人の本名と共に 「忘れないで!」 という悲痛な言葉が、今にも消えそうなほど薄く書き残されていました。
Observed_phenomena:
高橋氏が卒業アルバムの寄せ書きで発見した名前は「渡辺 遥(わたなべ はるか)」という少女のものでしたが、当時の緑が丘中学校の公式な在籍名簿、出席簿、および指導要録のどこを探しても、同姓同名の生徒が在籍していた記録は一切存在しません。
寄せ書きに鉛筆で書かれた「忘れないで!」という文字は、高橋氏が発見した数日後には、完全にページから消失し、現在はただの白い余白となっています。
高橋氏は、卒業アルバムで「渡辺 遥」の名前を目撃した後、「中学時代にいつも4人で過ごしていた」という記憶と、「渡辺 遥」という同級生の名前を思い出しましたが、渡辺氏の顔や性格は一切思い出すことができていません。
■ Addendum
「『遥ちゃん』っていう名前だけは忘れないようにしようと思って。
私が忘れちゃったら、遥ちゃん、ほんとに消えてなくなっちゃう気がするんです…。」
(高橋 美香氏の証言)
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