「いいモノ」を食べ尽くしたい
仕事が休みだったのでリビングでごろごろーごろごろーしていると、母が録画していた大河ドラマ『豊臣兄弟!』を見始めたので、それに便乗した。
母は昨年の『べらぼう』も一昨年の『光る君へ』もしっかり見ていたが、僕が大河ドラマを前のめりに見たのは『どうする家康』以来(途中からあまり見なくなったが)。月並みだが、織田、豊臣、徳川の戦国史が好きなのである。
主人公が豊臣秀吉の弟・豊臣秀長ということ以外、取り立ててめずらしいものではないのかもしれない。しかし、なぜか夢中になった。坂井真紀がお母さん役かー、小栗旬が織田信長かー、大鶴義丹は痩せたなー、なんて思いながら見ていたら、どっぷりハマった。
戦国時代を描いたドラマなんて、大河ドラマでもそれ以外でもいっぱいある。主人公が同じ人物の話だって、いっぱいある。なのにどうして見てしまうのだろうか。
最近、読んだ本の一つに、湊かなえの『落日』がある。ドラマ化されており(大好きな北川景子さんが主演)、現在primevideoで視聴している。ドラマにする都合上、原作を100%忠実に再現するのは難しいわけなのだが、概ねベースラインは小説と一致している。ああ、ここのシーンはこういうふうに変えたんだな、とか思いながら見るのもまた一興。
あらすじ、経緯、結末、読み終えてから日が浅いのでほとんど覚えているのに、どうしてこんなに引き込まれるのだろうか。湊かなえ作品は元から好きで読んでいたし、何より主演が北川景子さんだからというのもあるのかもしれないが、それらを差し引いてもついつい見入ってしまうのだから不思議。
もしかしたら。
もしかしたら、この疑問は、自分が視聴者だけでなく創作者の立場になったことで発現したものなのかもしれない。世に出回っている、少なくとも自分のような一般人が容易に触れられる作品というものは、得てして評価されているものだろう。いわゆる「いいモノ」だ。
その「いいモノ」に触れ、ただ感動したで終わらせるのではなく、どうしてこれが「いいモノ」なのか、あるいは自分の胸に響いたのかということを考える。考えて、その考えたことを自分の創作に反映させようと試みる。
今はまだ頭の中でぼんやりと漂っているだけだし、形にしたとしても自己満足な作品にしかならないだろう。技術が足りないから。
でも、この過程がすごく気持ちいい。ワクワクしているというか、自分だけの世界を自由に走り回っている気分。創作者してるなあ、と悦に浸っている自分がいる。
止まらないし、止まる気もない。欲張って、欲張って、すべて食べ尽くしたい。血肉となった「いいモノ」を、いつか自分の手から生み出すために。
(おしまい)
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