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結婚しないんじゃない、できないんだ!

20代の半ばを過ぎたころから、「結婚してるの?」と聞かれることが格段に増えた。同じような道を辿ったのは、僕だけではないはず。

ハタチ前後は「彼女いるの?」だったんだけど(僕はヘテロセクシュアル)、いわゆるアラサーともなると話題のメインディッシュは結婚になる。まぁ、僕ほどのレベルになれば、お一人様歴がお酒を飲める年になったので、聞かれ方も「いい加減、彼女できた?」となるのだが(ちなみに、未だにいない)。

さらに、「なんで彼女いないの?」「なんで結婚しないの?」「孫の顔が見たいとか親に言われない?」「一人は寂しくない?」などの追加射撃が加わることもほとんどだが、断言しよう。余計なお世話である。



もう一度言う。

余計なお世話である。



その理由は、自分なりにまとめると大きく2点。
「経済力」と「人間性」だ。


「経済力」とは、要するに「稼ぎが少ない」ということ。

いつぞやのエッセイでも書いたが、実家で親の脛を齧り尽くしている体たらくである。自分一人を養えずに、ほかのだれかを養うことなどできようか。いや、できない。

自分一人で生きていく余裕ができてからがスタート地点。余裕があるからこそ人とお付き合いができて、結婚まで考えられるようになる。って、壇蜜が言ってた。ごもっともだ。

ましてや、相次ぐ物価高に喘ぐ日々である。ポケモンSVの追加コンテンツを買い渋る程度の財力では、一家の大黒柱になど到底なれるはずもない。養ってくれる人がいるならこの限りではないが、可能性は0に近いと考えたほうがよさそうだ。


「人間性」とは、僕の性格とか、嗜好とか、そういった要素を総合したもの。

斉藤ナミさんの言葉を借りれば、僕は「プロのコミュ障」だ。コミュニケーション能力を不得手とするが、一見コミュ障とは思われないような振る舞い方をする。プロだからね。
そんなこともあり「え~コミュ障じゃないでしょ!」とか「全然話しやすいじゃん」とか言われるのだが、そりゃそうだ。プロだからね。

だが胸の内では、人の機嫌を伺い、当たり障りのない言動を心がけ、場の空気に波風立てないよう努めるので、人知れず消耗している。
そしてその結果、印象に残らないのがオチだ。何度、初めましてじゃない人に「初めまして」と言われたことか。「初めて会う気がしないんだけど…ああそうか、夢の中で一度会ってるね(爽やかな笑顔)」ってやる以前に、すでに現実世界でいっぺん会ってんのよ。


さらに、アプローチ下手くそ問題も深刻だ。

たとえば、気になる人ができたとしよう。
どうやって話しかける?話題は?共通点は?
そもそも既婚か?もしくは恋人がいるのか?
どうやって連絡先を交換する?迷惑がられないか?
どんなメッセージを送る?コミュ障は他愛もない話が苦手なんだぞ?
どうやって会う?ご飯に誘う?お茶する?予定合うか?
デートできたとして、次はどうする?どこ行く?なにする?

そんなことを悶々と考えては、一人勝手に疲労し、力尽きる。
ゲームボーイでニンテンドーSwitchのソフトをやろうとしているようなものだ。コミュ障のスペックでは処理しきれないぞ、このタスクの山はぁ!

マッチングアプリも何度か(何度も)試した。
まず、マッチングまでが大変。全然いいねされない。悲しい。
次に、マッチングしてからが大変。がんばって会話を重ねるが、考えること多すぎて疲れてしまう。かといって、すぐに会おうとするほどの度胸はないチキン野郎だよ。
デートにこぎつけても、当日ドタキャンなんて日常茶飯事。フッ、恋の神様に嫉妬されるなんて、困ったもんだぜ。かっこつけてるが、シンプルに悲しい。
デートできれば万々歳。ただ、次回を約束するまでに至らず、そのまま自然消滅することがほとんど。この時点で、自分の評価を察する。

早い話が、モテないのである。自分で言ってて悲しい。


意気揚々と御託を並べてしまったが、願望がないわけではない。
デートしたいとか、恋人と一緒に過ごしたいとか、もちろん思う。性欲もある。一肌恋しいときもある。
素敵な女性と結婚したい。「僕の奥さん、めちゃくちゃかわいいでしょ?(ニヤけ面)」って一生言い続けたい。結婚式も挙げたい。
子どもも欲しい。相手が子どもを産めない体とか、そういう事情なら話は別だけど。家族旅行にも行きたい。一緒にヒーローショーを楽しみたい。「僕の子ども、めちゃくちゃかわいいでしょ?(ニヤけ面)」って一生言い続けたい。なにより、早く両親に見せたい。
そういった人並みの願望はあるのだ。

ただ、冷静に考えると、今の自分の状況で結婚するのは賢明ではない。その先に明るい未来を見いだせないからだ。だから、結婚しないんじゃなくて、できないと言ったほうが正しいのである。自分で言ってて悲しい。


図らずも自分のマイナスプロモーションをしてしまったが、これが現実。
まぁ、結婚はゴールではなくあくまでも過程にすぎないと思っているので、今は「素敵な人がいたらいいな」くらいのスタンスに落ち着いている。お互いに一緒にいても気張らず自然体の自分でいられて、それでいて楽しく過ごせる、そんな人と添い遂げたい。現状、家以外のコミュニティがほぼないので、実現は絶望的だが。
逆にいえば、結婚そのものに頓着がないので、そういう相手に巡り合わなくても、それはそれで別にいい。

とにかく、当面は「自立できるだけの経済力」を手に入れることが課題だな。
これは、男が養わなければいけないという考えではなく、自分がだれかに頼って生きたくないだけ。「一人でも生きていけるけど、二人でならもっと楽しくなる」とお互いに思える壇蜜イズムが、僕の理想の結婚だ。

この脳ミソお花畑的な理想論に対し、やんややんや言う人もいるだろう。
余計なお世話である。


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