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13年間の歩み(「雲外蒼電 -Dreaming Voltage-」という夢に至るまで)


1、はじめに


この度は閲覧いただきありがとうございます。
DRIVE.(ドライブ)と申します。

普段はゲーム会社のプランナー・ディレクターを本業としつつも、
主に音楽ゲームへの楽曲・イラスト提供をさせていただいております。

この記事では、
先日SEGA様の音楽ゲーム「maimai でらっくす」にて実装された、
adaptorさんと書き下ろしさせていただきました楽曲

『雲外蒼電 -Dreaming Voltage-』

についての逸話を含めつつ、
『初めてアーケード音楽ゲームへの楽曲提供に至るまで』
の物語をまとめています。

こちらは公式MV動画・情報発表時のお知らせ画像です。  ©SEGA


拙い文章ではありますが【13年越しの夢を叶えた、1つの物語
として読んでいただけると嬉しいです。

※この記事は、SEGA様の確認を取った上で作成・公開しております。



2、13年前のはじまり


私は元々、絵を描くこと自体は幼い頃から大好き
毎日自宅でコピー用紙に鉛筆で描きなぐっているような子供でした。
可愛いですね。

そして、DSiの「うごくメモ帳」を用いて
“棒人間バトル”と称されるアニメーションを制作しつつ
日常を過ごしていました。

実は、それらで使われていた楽曲を通して
この時点で音楽ゲーム自体のことは知っていました。
東方Project」の楽曲を知るキッカケになったのもコレです。

2011年。中学時代。
自宅のPCでネットを常時触れるようになり、
東方Projectの原曲「ネクロファンタジア」にガッツリ衝撃を受けました。
そうして東方を中心に、ネットの沼にズブズブと入り始め…

諸々動画を見漁っていたとき。

ニコニコ動画で、とある動画が目につきました。

今でも音楽ゲームプレイヤーの前線を走り続けている「DOLCE.」さんが、
beatmania IIDXでスーパープレイ(穴冥で3796点)を決めている動画でした。

『何だ……この面白そうなゲーム  は……!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?』

信じられない指捌き、そして楽曲のカッコ良さ。
これがあの音楽ゲームか。

ゲーム好きだった私は、お小遣いやお年玉を貯めて
家庭用のIIDXコントローラーと
「beatmania IIDX16 EMPRESS+PREMIUM BEST」のソフト

爆速で買い揃えました。行動が早すぎる。

自宅でプレイできる環境が整い、
毎日学校から帰ってきたらプレイするという形でドハマりしていきました。

八段を取れるまでの半年間、
ハチャメチャにプレイしていた記憶があります。

そして、ネット上では時折イラストを投稿する形で活動していたのですが、
元々のハンドルネームがあんまりカッコ良くなく…

DOLCE.」さんのリスペクトとなるような
ハンドルネームにも変更したいと思い、
決まったのが「DRIVE.」でした。

この頃からずっと使ってる感じです。
名前の最後にピリオドがついているのもこれが理由なんですね。


2012年の夏頃。
ここで、勇気を振り絞って地元のゲームセンターに向かい
初めて迫力ある筐体で、beatmania IIDXをプレイ
しました。

このとき、バージョンとしてはTricoroが稼働し始めたばかりぐらいだったと思います。9月中かな?


そして、その隣にある筐体を【2つ】―― 目にします。

2012年1月18日に稼働を開始していた「SOUND VOLTEX BOOTH」。
2012年7月11日に稼働を開始していた「maimai」でした。

音ゲーを通じて親しくなった友人と共に、
beatmania IIDXを含め、どれも触り続けました。
どの機種も自分にとっては新鮮な遊びかつ、楽曲も素晴らしいものばかり。

maimaiは結構大きく腕を動かすので、
腕をあんまり鍛えていない自分はヒイヒイ言いながらやってましたが
とりあえずEXPERT譜面は少しできるようになった、ぐらいの頃だったと思います。Garakuta Doll Playに衝撃を受けたのも懐かしいなぁ。

楽しい!と言う他は無かったのですが、
1つ私の人生の転機となる楽曲と出会います。

SOUND VOLTEXに収録されていた、
黒魔さんの【Space Diver Tama】でした。

初めてプレイしたとき、ADVANCE譜面でもまぁまぁ難しくて
クリアできなかった記憶がありますが
何よりも楽曲の展開、メロディーに感動を覚えました。凄すぎる。


そして、ネット上で情報を調べていると…

『黒魔さんって、あのニコニコ動画の “中二マリオ” の人だったのか……』

と衝撃を受けた記憶があります。

そして、更に調べてみると【Space Diver Tama】が、SOUND VOLTEXの「FLOOR公募」を通して採用された楽曲だったことを知ります。

誰でも、音楽ゲームへ楽曲が収録されるチャンスがある。

『自分が作った楽曲がゲームセンターで遊べたら
 ……どれだけ嬉しいことなのだろうか』

中二の夏。この光景を想像したとき。

作編曲に興味を持ち、DTMを始めるキッカケとなったのです。

古かりし単語を沢山書いたので、
ちょっと恥ずかしいところもあり黒歴史な部分もありますが

どれも今となっては「必要な道」だったなぁと感じています。

「maimaiに楽曲収録された話なのに、キッカケの中心は他機種なの?」

そこはすみません。

ただ、少なくとも昔はタッチ勢でかなりプレイしていた方だったので
maimaiに楽曲収録されたらすんごい楽しいだろうなぁ、
というのも想像していました。
作編曲の原動力になっていたことは確かです。



3、それから12年間までの流れ


それ以降の変遷については、以下の2つの記事で触れられていますので
こちらでご覧いただければと思います!

専門学校でクリエイターの道を歩み、
疲弊していた頃をVRChatに救われ、
北海道を離れて関東へ進出し、
本業で更なる経験をしていった…

というのが、あらすじです。
ここでは後ほど読んでいただく形でも、問題ありません!

▼1つ目はこちら▼

▼2つ目はこちら▼



4、「雲外蒼天」から生まれるチャンス


本業がかなり落ち着いてきたため、
2024年の後半からは作編曲のペースを取り戻しつつありました。

アーケード音楽ゲームでの楽曲公募にも、いくつか挑戦していたのですが
どれも残念ながら…という結果になっていきました。悔しい!

周りのクリエイターの方々が、次々と進出しているのを見て
自分は遅れを取り過ぎているのでは?」と、
自分を責めるようなこともありました。

それでも。引き下がる訳にはいかない。
アーケード音楽ゲームで、自分の楽曲が遊べるという夢は諦めていない。

夢を叶えてこそ、今まで応援していただいている方々の期待に応えられる。
自分の中の「創造の魂」は燃え続けていました。

――その最中。

「maimai でらっくす」への楽曲を書き下ろしてほしい
…という依頼が来ました。

当時の様子がこちら

確かお昼頃に連絡が来たのですが、
何度もスマートフォンの画面を見返しました。
あまりにも急で、信じられませんでした。

とうとう、夢を叶えるチャンスが来た。

『もちろん引き受けます!』

そうして、adaptorさんとの合作曲の制作が始まったのです。



5、まずは打ち合わせ&シナリオ作り


adaptorさんと口頭で相談し、どのように進めていくかを決めました。

==================
<adaptorさんについて>
https://x.com/adaptor166

楽曲提供:maimai / GROOVE COASTER / Dynamix / DynamixUV / MuseDash / Phigros / RAVON / Paradigm:Reboot / Lanota / etc...

と、様々な音楽ゲームへ楽曲提供なさっている物凄い方です。
==================


以前、Phigrosに収録させていただいた「大和撫子 -Wild Dances-」で合作は経験していたため、殆どはそれと同じ進め方で行くことになりました。

・「大和撫子 -Wild Dances-」よりも、
 更にカッコ良さを重視してEDM系の展開を多めに


・ベースとなる構成、メロディーは
 音ゲー要素を作るのが得意なDRIVE.が作る


・ワブルベース等を活用したドロップは、
 音作りが得意なadaptorさんが作る

そしてジャンルは『和風テックダンス(Oriental TechDance)』で。

また、私の方から楽曲のイメージをより豊かにするために
題材となるライトノベル風のストーリーを執筆し、
adaptorさんに共有しました。
毎回、私がストーリー性のある構成を作るためにやっている手法ですね。

何とそのストーリーの文字数は“9,500文字”でした。
普通にライトノベル1話分のレベル。
熱量入りすぎだろ。


※※ここで執筆したストーリーは、「maimai でらっくす」でのストーリーとは一切関係の無い自作のものです。※※



6、サビを作ってイメージ合わせ・肉付け


私はすぐにサビのメロディー作成に取りかかりました。

この時点で『このメロディーだ』というのが、
頭の中に浮かんでいたのですぐに書き出し!
これが大事。

確かに合作開始から、
1~2日ですぐにadaptorさんに提示した記憶があります。早い。

そうして、雰囲気は掴みつつ…このサビのメロディーが、そのまま完成形にも使われていくことになりました。


サビのメロディーや、執筆したストーリーからイメージして
全体の構成がある程度できたら、adaptorさんに共有し
ドロップ部分の仮作成
をお任せしました。

================

//全体構成の概要 ※[○○○]は担当者

・イントロ :
[DRIVE.] 「大和撫子 -Wild Dances-」を踏襲しつつ、楽器を多くして壮大に

・イントロ展開 :
[DRIVE.] 和風×音ゲーらしい連打のリズムを入れる

・ドロップ前 :
[DRIVE.] 夢のはじまりと冒険を感じさせるようなメロディー

・ドロップ1 :
[adaptorさん] お得意のベースドロップでお任せ!

・ドロップ2 :
[adaptorさん] Hardstyleキックで更に展開
[DRIVE.] 和風×戦闘のイメージで裏メロをつける

・サビ前ブレイク :
[DRIVE.] 儚げだが諦めないような前向きに展開していくメロディー

・サビ :
[DRIVE.] 無音からの解放と王道な和風メロディー、
    譜面を想像したアクセントの展開

・サビ後展開 :
[DRIVE.] イントロ展開を引用しつつ、裏メロをつけ足す

・ドロップ3 :
[adaptorさん] Colour bassでお任せ!

・アウトロ :
[DRIVE.] 譜面の流しや乱打を想像したラッシュと、
    13年間の意味を込めた《13打》のフレーズでフィニッシュ

================

《13打》は最後の「ダダッダッ ダダッダッ ダダダダダダッ ダーーーーン」のフレーズです。

3 / 3 / 6 / 1打。合計13打です。

ドロップ2ではキックに合わせた同時押し×スライド地帯
サビの要所に入る展開は少し流し×スライドが入るようなアクセントで…

という風に、実際の譜面を頭の中でイメージしながら
展開を作成していきました。

最初からこの概要が完璧に出来ていた訳ではなく、
途中でadaptorさんの提案を踏まえて埋めていった部分もあります。
(例:ドロップ2のHardstyleキックなど)

担当箇所の比率としては、私の方がかなり多い楽曲となりました。
ですが、私が軸となった箇所でも、いくつか細かいエフェクトや
和楽器の音でadaptorさんにサポートいただいている部分はあります。

スキルフルな音作りには尊敬しかありません。本当に感謝します。



7、ブラッシュアップしてMIX


それぞれの担当箇所の音をある程度作り終えたら、
私の方でブラッシュアップとMIXを行います。

・キックやスネアなどのリズム帯はすべて初期のものからリワーク
・音が足りないと感じた場所は、オーケストラの楽器やパーカッション、
 エフェクト音源を追加
・サビの音数を増やしてより華やかに

など…

最後まで苦しく悩んだのが「サビ前ブレイク」のコードとメロディーで、
adaptorさんにもご提案いただきつつ考えたのですが、
中々納得のいくものが出てこない状態でした。

そう、サビ前は私自身でも苦手意識があるところでした。
どう落ち着かせつつ、自然に繋げたら良いのか毎回悩んでしまいます。

最後の最後で私から『これだ!』というのが降りてきて、
この楽曲は完成となりました。

その時は、とにかく和風の楽曲を聞いてインプットすることに集中し
本業の通勤の間もひたすらに聞いていた
覚えがあります。

Wiiで出ていたゲーム「大神」も好きだったのですが、
楽曲がとても良い和風曲ばかりだったことを思い出して聞いていました。

実際、それらが成功に導いてくれた部分が
多かったなぁとしみじみ感じています。

インプットはとても大事。



8、楽曲名を決めて完成


「大和撫子 -Wild Dances-」と同じく、
今回も私の方から楽曲名の提案を行いました。

自分がこれまで歩んできた物語も踏まえ、
浮かび上がったのが【雲外蒼天】という言葉です。

どんなに暗雲が立ち込めようとも
【いずれその先には晴れが待っています】。

そこから、楽曲の雰囲気や
執筆したストーリーに合わせた要素も組み合わせ――

==============================
≪ 雲外蒼電 -Dreaming Voltage- ≫
(読み:うんがいそうでん -ドリーミング ボルテージ-)
==============================


という楽曲名となり、この楽曲は完成したのでした。


adaptorさんと私が納得できる、渾身の一作になったと思っています。

また、楽曲の所々には
私の過去作品のフレーズがこっそり入っているところも……?

まさに集大成です。



9、夢を叶えた先へ


そうして、『雲外蒼電 -Dreaming Voltage-』は実装され
『アーケード音楽ゲームへの楽曲提供に至る』という
“13年越し”の夢を叶えることができました。

14歳の時に夢見た音ゲーマーが、27歳でアーティストとして――


奇しくも、私が作編曲を始めたタイミングと、
maimaiが稼働し始めたタイミングは殆ど同じです。

13周年ですね。
maimaiで自分が関わった楽曲を遊べるというのは、とても特別なことです。

2025年12月12日に配信が開始されてから、
X(Twitter)におけるプレイ報告・感想。
YouTubeでのプレイ動画など、色々見させていただいております。

MASTER譜面が13+じゃないだろ!みたいな声が多い気がしますが…

私は98%が限界……(トホホ)


中には雲外蒼電のファンアートまで…本当にありがとうございます。


また、イラストに関してはSOUND VOLTEXにおいて
アピールカードを採用いただいたことがあるので
楽曲とイラスト、どちらでもアーケード音楽ゲームへ
進出できたことになります。


これも夢だったので、よく達成できたなぁと思っています。

本当に、ずっと諦めなくて良かったなと思っています。
(この記事を書いている間も何度か、嬉しさで泣いてるぐらいのレベル)


楽曲書き下ろしという形で叶うとは思わず、本当に感無量です。
合作でご協力いただいたadaptorさん、
このような機会を与えてくださったSEGA様、maimai でらっくす運営様、
そして、ここまで応援してくださった皆さんのサポートがあってこそです。

ありがとうございます。


ですが、まだアーティストの人生としては先があります。
夢を叶えて終わりではありません。

SOUND VOLTEXへの楽曲提供」だけでなく、
より多くの音楽ゲームへ進出することが、皆さんの期待に対して
応えていくことになると思っています。


更には、自分が黒魔さんの楽曲を聞いて作編曲の道を歩み始めたように、
楽曲を作って人の心や人生を動かしたい。
これが真髄にあります。

本業のゲーム開発もクリエイティブな職業なので、同じことが言えますね。
ゲームでもこれは叶えていきたい。“音楽ゲーム”で、自分の人生が形作られたように。


より良い楽曲を作り、活躍していけるようにこれからも励んでいきますので
引き続き応援いただけますと嬉しいです!

『夢への電圧を以て、雲の向こう側へ――』

今、至ることができたのです。次はその先へ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!




10、あとがき


そういえば、時間が出来てきたので音ゲーは毎週触れるようになりました。

SOUND VOLTEXは再開してから良い感じのスピードでVFを上げ、
今はVFがNABLA基準で20.935まで来ています。
引き続き、この調子でインペリアル2の達成を目指してます…

が、初めて触った音ゲーであるbeatmania IIDXは凄く腕が衰えてます。
家庭用で九段~十段を取れていた時期があったんですが、今は七段も取れないんじゃないかというレベル……
リハビリします。すみません。

maimaiは一度書いた通り、元々タッチ勢でやっていました。
上手く精度を取るならボタンに切り替えようということで、
ボタンで押す練習をしつつリハビリしています。

Lv13+で、S~SSが取れるようになってきたぐらいです。
雲外蒼電はMASTERのSを取って、98%が限界
というところ……

『雲外蒼電 -Dreaming Voltage-』のMASTERをAPできるまで、
早くmaimai上手くならないとなぁ…と思っています。

全難易度APで楽曲名称号を得られるので、そこは絶対取りたいですね。


ということで…誰かコツを教えてください!!!!!!!!!
maimaiプレイヤーさんからのお声がけ、お待ちしてます。


長くなりましたが、あとがきの最後までお読みいただき
ありがとうございました。

(雲外蒼電は、4/26から
 各種ストリーミングサービスでの楽曲配信も始まっております!
 沢山聴いてくださると嬉しいです!)

▼配信先リンクはこちら!▼


『この創造の魂が、恒久の平和をもたらさんことを。』

D WORKS
DRIVE.


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