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【愛媛 戸島】スマホを置いて、宇和海の小さな島へ。何もしない時間が教えてくれた余白の贅沢

宇和海に浮かぶ、名前も知らなかった島へ

「どこか、誰も自分を知らない場所へ行きたい。」そんな衝動に駆られたことはありませんか。
仕事のことばかり考えてしまう毎日に少し疲れて、私は地図の端にぽつんと浮かぶ小さな島を見つけました。
愛媛県宇和島市の沖、宇和海諸島に属する「戸島(とじま)」。
ガイドブックにもほとんど載っていないこの島へ、私はふらりとひとりで向かいました。

フェリーの甲板で、通知を切った

宇和島の港から船に揺られること、しばらく。
デッキに出ると、潮の香りと一緒に、頭の中の雑音がすっと薄れていくのを感じました。
思いきってスマホの通知を全部オフにして、ポケットの奥にしまいます。
ちなみに、この「あえて見ない」という選択が、今回の旅でいちばんの贅沢だったと、あとで気づくことになります。

本浦の集落と、戸島灯台までの坂道

島に着いてまず歩いたのは、本浦の静かな集落でした。
真珠やぶりの養殖で知られる島だけあって、入り江には穏やかに働く漁師さんたちの姿があります。
細い路地を抜けて、戸島灯台を目指してゆるい坂道をのぼっていきます。
息を切らしてたどり着いた高台から見えたのは、どこまでも続く宇和海のリアス式海岸。
余談ですが、この景色の前では、抱えていた悩みが少しだけ小さく見えました。

宇和島の鯛めしと、何もしない午後

お昼にいただいたのは、宇和海ならではの鯛めし。
新鮮な鯛の身を甘いタレと卵にくぐらせ、温かいご飯にのせる宇和島流のスタイルです。
香ばしいじゃこ天も添えられて、ひとりの食卓がやけに豊かに感じられました。
午後はただ防波堤に腰かけて、波の音を聞きながら何もしない時間を過ごします。
予定も通知もない数時間が、こんなにも心をほどいてくれるとは思いませんでした。

余白は、遠くまで来なくても作れる

帰りのフェリーで、私はようやく深呼吸をひとつしました。
戸島が特別だったのは、観光名所がたくさんあるからではありません。
スマホを置き、何もしないと決めた自分の選択が、心に余白を生んでくれたのだと思います。
もし日常に疲れたら、ほんの少しだけ通知をオフにしてみてください。
遠い島まで行かなくても、余白はきっと作れます。

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