SDGsエッセイ「一本のマイボトル」
毎朝、出かける前に冷たいお茶をステンレスボトルに注ぐ。 これが私の新しい日課だ。
以前の私は、喉が渇けばコンビニや自動販売機でペットボトルのお茶を買うのが当たり前だった。 軽くて便利で、飲み終わればゴミ箱に捨てるだけ。
「一本くらい、大したことない」 そう思って、毎日何気なく消費していた。
私の意識が変わったのは、去年の夏、地元のボランティア活動で海岸清掃に参加した時のことだ。
そこは幼い頃に家族で海水浴を楽しみ、中学生の頃には友達と夕日を眺めながら語り合った場所。 たくさんの思い出が詰まった、大好きな海だった。
遠目には昔と変わらず青く美しく見えた砂浜だったが、足元に目を凝らすと、驚くほどのゴミが埋もれていた。
中でも特に目立ったのが、風化してラベルが剥がれたペットボトルや、割れて角が丸くなったプラスチックの断片だ。
「波に揉まれて細かくなったプラスチックを、鳥や海の生き物が餌と間違えて食べてしまう」
現地でそんな話を聞き、足元にある破片が生き物を脅かしているのだと悟って胸が締め付けられた。
それまでテレビや教科書の中でしか知らなかった「海洋プラスチックゴミ問題」。 それが、大切な思い出の場所で起きている現実として突きつけられた瞬間だった。
昨日まで私が手軽さゆえに買い、使い捨てていたペットボトル。 それも巡り巡って、大好きな海を汚す一因になっていたのかもしれない。
その日を境に、私はマイボトルを持ち歩くようになった。
最初は「荷物が重くなるかもしれない」という不安もあったが、いざ始めてみると、冷たさが夕方まで続くボトルで喉を潤す時間は、思っていた以上に心地よいものだった。
変化はそれだけにとどまらなかった。
生活の中にある「使い捨てプラスチック」へ自然と目が向くようになり、買い物の際はマイバッグを持参するようになった。 プラスチック製カトラリーを辞退したり、日用品は詰め替え用を選んだりする変化も生まれた。
一つひとつの行動はささやかだが、自分の選択が大好きな海を守ることに繋がっている実感を持てるようになった。
一人の人間が減らせるゴミの量は、ごくわずかかもしれない。 けれど、小さな選択をする人が増えていけば、確実に未来は変わっていく。
思い出の海と生き物たちの未来を守るために。 今日注いだ一杯のお茶、そして一本のボトルから始まる選択を、私はこれからも重ねていきたい。
あとがき:最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
(本文は985文字なので、1000文字以内の制限にもしっかりと収まっていて大丈夫なはず……!と信じて書いています。)
最後に、マイボトル生活を無理なく楽しく続けるためのポイントをひとつ。 マイボトルは3つくらい持っておくことがオススメです!
その日の気分やファッション、飲み物の量に合わせて選んで持ち歩くと、毎日のお出かけの気分がぐっと上がります。 ぜひお気に入りのボトルを見つけて試してみてくださいね。

