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雨を聴く

 雨の匂い。
 それは、私を知ること。
 私の知らない私が、ここにいる。

 何かの音に怯え、身を震わさなくとも、確かにここに在るのだと、自分の音を知ること。

 雨を、聴く。

 土の匂い。草の匂い。猫の気配。零れる雫が形を失い、世界に溶ける音。窓を打つ無数の塊がざわざわと私の中まで届く音。私の手に持つ珈琲と混ざり合い、別の形を作ること。

 ごくりと呑み干す。それはからだの細部に流れ込み、私の輪郭の一部になる。そうやってひとつひとつ、気付かぬうちに私たちは新たなものを身に纏う。

 生きるとは、その循環を感じ取ること。そうしないと、中で何かが息絶えてしまうこと。零れる雫は零しておいたらいい。それはいつか空に溶けて雨となり、誰かを癒す温もりになるかもしれないから。

 感じたものを在ると認めれば、それは私のものになる。雨の温もり。雨の記憶。雨は通り過ぎたら消えてしまうのだろうか。

 雲の切れ目から滲むパステルカラーの水色の空が、私に初夏を運ぶ。ぬるい風に色などない。すぐとなりで毛繕いする猫のしたたかな音が私を日常に戻す。

 どんなときでも、ここにいることを、ここに生きていることを、忘れたりしないように。



@AI


いつもなら物語に取り込むけれど、
今日はそのまま置きたい気分なのでした。

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