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これまで存在したホモ・サピエンスの総人数とその総死者数は?

人類の歴史が始まってから現在までに誕生したホモ・サピエンスの総数は、人口統計学の研究(米人口参照局: PRBなどの推計)によると、約1,170億人とされています。

現在(2026年時点)の世界人口が約82億〜83億人ですので、「これまでに生まれた人類の約7%が、今この瞬間に生きている」という計算になります。意外と多い、意外と少ない、どう思われますか。

人類史の人口推移
この膨大な数字は、以下のようなステップで積み上がってきたそうです。

やはり人口爆発が人類を滅ぼすのだろうか?

この「1,170億人」という数字は、あくまでも以下の仮定に基づいた推計です。

1. ホモ・サピエンスの誕生時期: 多くの推計では、現生人類が登場した「5万年前」をスタートラインとしています。
2. 寿命と乳幼児死亡率: 歴史の大半において、乳幼児の生存率は極めて低く、平均寿命も短かったため、生まれてすぐに亡くなった膨大な数の人々をカウントに含める必要があります。
3. 出生率の設定: 昔は1人の女性が産む子供の数が多かった(10〜12人など)と仮定して計算されています。

「現在生きている人の数が、これまでに死んだ人の数より多い」という都市伝説が流れたことがありますが、実際には死者の方が圧倒的に多い(約1,090億人)というのが現在の定説です。

人類がこれまでに戦争によって命を落とした総数を正確に割り出すのは、人口推計以上に困難な作業のようです。なぜなら、古代の戦いや小規模な紛争は記録が残っていないことが多いためです。

しかし、歴史学者や平和学の研究データ(Matthew White氏の『Atrocities』や「Our World in Data」など)に基づくと、戦争による直接的な死者数は、約1.5億人から10億人の間と推定されています。

かなり幅がありますが、一般的には「3.5億人〜5億人程度」という説がよく引用されます。
なぜこれほど幅があるのか?

戦争の犠牲者をカウントする際、以下の要因が数字を大きく左右します。

• 「直接死」か「間接死」か: 剣や銃で殺された人数(直接死)だけでなく、戦争による飢餓や感染症で亡くなった人(間接死)を含めると、数字は数倍に膨れ上がります。
• 古代・中世の記録不足: モンゴル帝国の征服や中国の王朝交代期には数千万人が亡くなったとされますが、当時の人口統計の信頼性には限界があります。
• 「戦争」の定義: 国家間の戦争だけでなく、内戦、虐殺、組織的な弾圧をどこまで含めるかで変わります。
歴史上、特に犠牲者が多かったとされる出来事
人類史において、人口に対する犠牲者の割合が極めて高かった主な事例は以下の通りです。

歴史の大部分において人口は非常に緩やかに増加してきましたが、近現代の急激な人口爆発により、累計人数も加速的に増えています。

全人類の何パーセントが「戦争」で亡くなったのか?
累計出生数(1,170億人)と、戦争による犠牲者(仮に約4億人とする)を比較すると、人類全体の約0.3%〜1%未満が戦争によって殺されたという計算になります。

人類が人類を殺す、こんな動物は他にいない!

現代はニュースで悲惨な事件をよく目にしますが、統計学者のスティーブン・ピンカーらは、歴史全体で見れば「現代は人類史上、暴力で死ぬ確率が最も低い時代である」と主張しています(もちろん異論もありますが、人口比での犠牲率は低下傾向にあります)。

人類を最も多く殺してきたのは、実は「戦争(人間)」よりも「感染症(微生物)」や「飢餓」だと言えるかもしれません。

感染症による死者数
人類がこれまでに感染症で命を落とした総数を正確に算出するのは、戦争の犠牲者数よりもさらに困難ですが、専門家の推計や歴史的データから見れば、その数は数百億人規模に達すると考えられています。

累計人口(約1,170億人)の相当な割合が、近代的な医学が登場する前は感染症によって失われてきました。

感染症が「最大の殺人者」である理由
戦争による累計死者数が全人口の約1%未満(数億人)と推定されるのに対し、感染症は人類の歴史を通じて常に死因のトップに君臨してきました。

1. 乳幼児死亡率の高さ: 産業革命以前、生まれた子供の約25〜50%が成人する前に亡くなっていました。そのほとんどが麻疹、百日咳、下痢性疾患、肺炎などの感染症によるものでした。
2. 三大感染症の影響: ペスト、天然痘、マラリアの3つだけで、歴史上数十億人の命を奪ってきたと考えられています。
歴史上の「壊滅的」なパンデミック
特に記録に残っている大規模な流行では、当時の地域人口の3割〜5割が失われることも珍しくありませんでした。

• 天然痘 (Smallpox):
人類史上、最も多くの人を殺した病気と言われています。数千年にわたり猛威を振るい、特に16世紀以降の南北アメリカ大陸では、先住民人口の約90%が天然痘などの持ち込まれた病気で亡くなったと推定されています。累計の死者数は3億〜5億人以上とされます。

• ペスト (黒死病):
14世紀のヨーロッパでは、わずか数年で人口の3分の1から3分の2が死亡しました。歴史を通じて、合計で2億人以上の犠牲者を出したと推定されています。

• マラリア:
人類の歴史を通じて、最も多くの人間を死に至らしめてきたのは「蚊が媒介する病気(主にマラリア)」であるという説があります。一説には**「これまでに生まれた人類の半分がマラリア(またはその関連疾患)で死んだ」**という非常に極端な推計を出す研究者(ノーベル賞受賞者ロナルド・ロスら)もいましたが、現代の人口統計学者はそこまで高くはない(しかし数十億人単位であることは間違いない)と考えています。

• スペイン風邪 (インフルエンザ):
1918年から1919年にかけて、世界で5,000万〜1億人が死亡したとされています。

数値の比較(ざっくりとしたイメージ)
累計1,170億人のうち、死因の構成を大まかに推計すると以下のようになります。
• 感染症: 約400億〜600億人以上(特に近代以前の乳幼児死の大部分)
• 老衰・変性疾患(がん、心疾患など): 現代に近いほど多いが、歴史全体では少数派
• 飢餓・栄養失調: 数十億人
• 戦争・暴力: 約4億〜10億人(全体の1%未満)

結論
「ホモ・サピエンスがホモ・サピエンスを殺した数(戦争)」よりも、「微生物がホモ・サピエンスを殺した数」の方が、桁違いに多いのが現実です。もし「人類最大の敵」を定義するならば、それは他の人間ではなく、蚊(マラリア)や細菌、ウイルスであったと言えます。

では、飢餓で亡くなった人の総数は?
飢餓(栄養不足、およびそれに付随する衰弱死)によって亡くなったホモ・サピエンスの総数を算出するのは、感染症と同じく非常に複雑です。しかし、歴史学や人口統計学の知見を合わせると、その数は100億人から200億人以上に達すると推計されます。

これは累計人口(約1,170億人)の約10%〜15%以上に相当する規模です。

飢餓が「沈黙の殺人者」と呼ばれる理由
戦争のような派手な記録は残りませんが、人類史の大部分において、飢餓は常に背後にありました。

1. 慢性的栄養不足: 凶作だけでなく、単に「十分なカロリーを摂取できない」ことによる免疫力低下が、結果として感染症での死を招きます。統計上「感染症」に分類されていても、実態は「飢餓による衰弱」が原因であるケースが膨大にあります。
2. 農業の不安定さ: 産業革命以前、農業は天候(干ばつ、洪水)に完全に依存していました。数年に一度の凶作で、地域の人口の数%が餓死することは歴史上「日常茶飯事」でした。
3. 乳幼児への影響: 母親が栄養失調であれば乳が出ず、乳幼児が真っ先に犠牲になります。累計人口の多くを占める「成人できなかった子供たち」の死因の裏には、常に飢餓がありました。

歴史上の大規模な飢饉
記録に残っている大規模な飢饉だけでも、短期間で数千万人が亡くなっています。

食料安全保障の大切さがわかります

「戦争・感染症・飢餓」の三すくみ
これらは独立しているのではなく、常にセットで人類を襲ってきました。

• 戦争が起きると農地が荒廃し、物流が止まる。
• すると飢餓が発生し、人々の免疫力が落ちる。
• そこに感染症が入り込み、大量死を招く。

このサイクル(「黙示録の四騎士」とも呼ばれます)が、近代以前の人類人口を抑制し続けてきた最大の要因です。

これらは独立しているのではなく、常にセットで人類を襲ってきました。
• 戦争が起きると農地が荒廃し、物流が止まる。
• すると飢餓が発生し、人々の免疫力が落ちる。
• そこに感染症が入り込み、大量死を招く。
このサイクル(「黙示録の四騎士」とも呼ばれます)が、近代以前の人類人口を抑制し続けてきた最大の要因です。

現代の状況
累計人口の死因を「戦争」「感染症」「飢餓」と見てきましたが、これらを比較すると「微生物(感染症)> 飢え > 人間(戦
皮肉なことに、現代(2026年時点)では「飢え(栄養不足)で死ぬ人」よりも「食べ過ぎ(肥満に関連する疾患)で死ぬ人」の方が世界全体では多くなっています。

しかし、依然として世界で数億人が慢性的な飢餓に苦しんでおり、紛争地や気候変動の影響を受ける地域では、今もなお年間数百万人単位が栄養不足に関連して亡くなっています。

累計人口の死因を「戦争」「感染症」「飢餓」と見てきましたが、これらを比較すると「微生物(感染症)> 飢え > 人間(戦争)」という順に、多くの命を奪ってきたことになります。

よく考えてみましょう。人類の敵は人類ではないのです。戦争をしている暇はないのです。しっかり感染症と飢饉の脅威を認識していけば地球はきっともっと平和になるでしょう。

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