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【アマノ文筆クラブ】色眼鏡|エッセイ


タイトル:色眼鏡

「色眼鏡で見てはいけない。」

子どもの頃から何度も聞いた言葉だ。

けれど、大人になるほど、それが簡単ではないことに気づく。

人は経験を積む。

嬉しかったことも、傷ついたことも、成功も失敗も、すべてが心の中に積み重なっていく。

その積み重ねが、知らないうちに色のついたレンズになる。

だから初対面の人を見ても、以前に似た人を思い出したり、新しい出来事に昔の記憶を重ねたりする。

それ自体は、きっと自然なことなのだろう。

大切なのは、色眼鏡を持たないことではなく、「今、自分は色眼鏡をかけているかもしれない」と気づけることではないだろうか。

一度立ち止まり、相手の話を最後まで聞いてみる。

もう一歩近づいてみる。

そうすると、最初に見えていた景色とは違う世界が広がることがある。

人も出来事も、見える角度によって印象は変わる。

だからこそ、自分の思い込みだけで結論を急がないようにしたい。

色眼鏡は、人生で得た経験そのものだ。

外すことは難しくても、ときどき磨いて透明にすることはできる。

その小さな心がけが、世界を少しだけ優しい色に変えてくれるのだと思う。


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