第35話|よかれと思っての行動が奪ってきたもの
「よかれと思った行動は、本当に相手のためになっているのだろうか?」
今回の出来事は、私にそう問いかけてきました。
これまでの私は、周囲の嫌な空気を察して場を和ませたり、強めに言われると怖くて意見を飲み込んだり、自分の気持ちを我慢して相手に合わせてきました。今回も、そんな場面に出くわしました。
母の実兄が亡くなり、そのことを姉に伝えると、姉は「私は聞いてないから葬儀には行かない」「聞かなかったことにする」と言ったのです。私は相変わらずだなと呆れつつ、何も言いませんでした。
その後、「あなたはいくら包むの?」と香典を立て替えて欲しいと言われました。私は、またか…と幻滅したけれど、もしかしたら拗ねているだけかもしれないと感じ、返事をせず放っておきました。いつもの私なら、面倒を避けたくて引き受けてしまっていたかもしれません。でも今回は、夫のアドバイスもあり、あえて返事をしませんでした。
すると、お通夜当日の朝、姉から「参列はしないけれど、香典だけ届けに行く」と返事がきました。私はホッとしました。姉が不義理をせずに済んだからです。
そして迎えたお通夜。なんと姉が遅れて参列したのです。しかも、いとこに優しく声をかけていました。その姿を見て、私は驚きました。今まで一度も見たことがない、姉の優しい一面だったのです。
そのとき気づきました。
私はこれまで「よかれ」と思って相手のために動いてきたけれど、それは結果的に、相手が自分で選び、責任を持つ力を奪っていたのかもしれません。
つづく
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今、あなたが誰かにしてあげている“よかれ”は、
本当にその人のためになっているのでしょうか?
もしかしたら、ただ見守ることこそが、相手に力を返すことなのかもしれません。
