わたしと庭のおとぎ話|第1話 バラに恋した日
ふとしたことで出逢った一輪のバラ。そのバラの名前は、
ピエール・ド・ロンサール。
“花は好きだけど、バラって好きじゃないな”と思っていた私が、
心を奪われた日。
それは、
「わたしと庭のおとぎ話」のはじまりでした。
けれど実は、その頃の私は――
結婚してからというもの、家庭内離婚している両親との同居で夫との板挟み。
子供の発達障害により、学校の先生からは毎日のように電話。
連絡帳には赤い字でびっしりと綴られる指摘の数々。
職場も家庭もパワハラ、モラハラ。
起きていられないほどの頭痛や耳鳴りに苦しみ、下剤を倍量服用しても出ないほどの便秘に苦しんだ。
そして
自分が「何が好き」で「何がやりたい」のかさえ、分からなくなっていた。
なんで私ばかり…
被害者意識に支配され、抑うつ状態。
そんなある日、職場の昼休みお弁当を食べてる時に、突然私の目の前に現れた1輪のバラ。
職場の人が庭に咲いていたバラを飾ってくれていた。私はそのバラから目が離せなくなった。
毎日表情が変わり、ほろり、ほろりと花びらがほどけていく様に引き込まれていった。
私もこのバラを育てたい!!
あの日、そう決めた。
それが、わたしと庭のおとぎ話のはじまり──。
つづく……
