同じ夜空を見上げて
25年間、当たり前のように「おかえり」が聞こえる毎日だった。
その娘が、新しい暮らしへ旅立った。
まだ「すぐ近くにいた頃の感覚」が残っている。
そんな夜。
LINEの「やばくね?」という通知に、
心が一瞬だけ強く揺れた
彼との生活が始まって、
味覚の違いや生活の癖も出てくる頃
彼と喧嘩でもしたのではないか?
“良かれと思っての親の干渉”が
2人の自立と境界線を壊さないか…
そんな小さな心配も、胸の奥にあった
彼女は
普段から、真面目で常識的な子だが
今回は初体験のことばかり…
自分の意見に不安を感じると
相談してくる子である
何かあったのだろうか?
なんて声をかけよう…
少し
LINEを開くのを躊躇した

夏の風物詩、花火大会が始まったらしい
毎年、我が家のベランダから垣間見える花火
小さい頃の彼女は、
手持ち花火をすると、必ず喘息を発症してたなぁ〜
とか
旅行に行く度に、体調を崩してたなぁ〜
とか思い出す
余韻を残しながら夜に溶けていく
儚く美しい花火を
今年は一人でみることになる…
娘が遠くにいる状態での
“突然のSOSかもしれない”
母親って
子どもの“温度”で状況を察知する生き物
……何がヤバいのだろう?
LINEの通知をゆっくりと開いてみた。

やばくね?
今年は
娘の新しい部屋の窓の外にも
大きな花火が咲いていた。
離れていても、
繋がった空の下で、同じ時間、同じ光を見ていた。
花火は一瞬で消えるのに、
心の中には鮮やかに長く余韻が残る
その儚い光が、
「距離ができても、繋がりは消えないよ」
と静かに教えてくれた気がした。
たった五文字の通知に、
母は不安になり、娘は感動を詰め込んでいた
「やばくね?」は、
不安な心を光で散らしてくれる、
素敵な共有の報告だった。
娘は、
自分の意見に不安を感じると相談してくる子
だけじゃなく
物理的に距離があるからこそ、
嬉しいことや綺麗な景色も共有したくなる子
でもあるのだと…改めて気づいた✨
離れていても、 同じ夜空を見上げてる
嬉しいことや綺麗な景色を見せてくれる
それだけで、
今日もちゃんと繋がっているなと感じた
親子の関係って
近いからわかるのではなくて
むしろ距離がある分
“新しい形で深まっていく”のかもしれない
驚き・心配・距離・繋がり・象徴・余韻・
親子の関係性の変化……
全部を静かに抱きしめて
そっと胸をあたためた奇跡の出来事でした
