稟議#27「ポスト・THE SECOND~漫才トーナメント~2026の好きなくだり」
芽:このプログラムは、世代の異なる社会人ふたりが、お笑い、カルチャー、生活といった様々な事象についておしゃべりしながら、取り上げたものの「ポスト」、つまりは、次なるもの、後に代わるものを、時には脱線し、稀に芯を喰ったりして、誤配を恐れずに探っていく、哲学的雑談実践プログラムでございます。
小:急にどうしたんですか?
芽:いや、今日は恒例になりつつある賞レース後回となので、ご新規さんに向けてのご挨拶をと。で、今回は「THE SECOND~漫才トーナメント~2026」の感想と、好きなくだりを言い合うやつをやっていきたいと思います。
小:はい。よろしくお願いします。
芽:よろしくお願いします。今回も緊急でカメラ回してるパターンで、5月20日水曜日収録の録って出しですので、ほかの感想とかぶっていることはご愛嬌ということで。
小:くるまのセカおじ復活動画もサムネしか見てません。
芽:さてさて、ご存じの通りトットが優勝しまして、一回戦でトットは一番最後にネタを披露したと。
小:8番手、そうっすね。
芽:で、それがどんどん勝ち上がっていって優勝と。正直なところ、トット自体に、これまでそんなに印象がなくて。M-1の動画とかでは見てるんだろうけど。見た目でシュッとしてるから、関西の手練れのネタかなと思ってたから、いい意味で裏切られたネタです。全部好きだった、っていう感じでしたね。優勝文句なし、タイタンライブでお待ちしております!って感じで。
小:僕も近い意見で、いわゆるワーキャーな感じなのかなと思ってたら、あ、そういう感じのネタなのね、っていう。新鮮でしたね。
芽:一回戦の紹介VTRの時に、かまいたちの2人が「桑原が普段からあんな奴、そのままをやってる」みたいなことを言ってたんですよ。
小:ああ、言ってましたね。
芽:トットの漫才がスッと受け入れられたのって、僕の中ではそれがあるのかなって思ってます。そう。しれっと、かまいたちが視聴者に、桑原の説明書を配っていた。だから、トットの桑原のキャラがスッと入ってきた、みたいな。
小:ああ、なるほど。
芽:漫才中の桑原はちょっと作ったキャラっぽいんだけど、あ、こいつ普段からこんなんなんだ、っていうのがずっとあったんですね。桑原って、こういうやつなんだっていう(笑)。ネタの面白さと、背景を想像することによる相乗効果っていうか。
小:はいはい、確かに。
芽:そういう意味では完全に紹介VTRだった、っていうのはあるかもしれない。
起案(1)「好きなくだり」
芽:正直、一回戦の1試合目、2試合目、3試合目ぐらいまで、僕の中ではちょっと乗り切れなかった部分があったんすよ、見てて低調というか、ちょっと渋すぎるというか。渋すぎるってことは、いい意味で言うと、漫才的なテクニックとかはあるけど、その発想が割と想像の中に収まってくる、みたいな。
小:言いたいことは分かります。
芽:黒帯が、ちょっと発想は出てるぐらいで。あとリニアも割と手の内は知ってるというか、そういうネタをするってことを知ってたので。だから、ザ・パンチ、トットあたりで大会として、いち視聴者としてちょっと火がついた、前のめったのは、結構遅めでしたね。
小:あ、そうなんすね。
芽:そう。だから、一回戦第4試合 ザ・パンチvsトットはザ・セカンドの中でも結構名勝負って位置付けですね。あ、そういえばトットの優勝は納得ですか?
小:うーん、まあまあまあ、って感じっすね。でも、トットが優勝したんで言えますけど、準決勝第2試合のリニアvsトットの時、あれで僕は、リニアが行ったと思ったんすよ。でもあの結果になったっていうのは、それは僕がリニア見慣れてないからなのかなっていうのも感じました。だから関東のお笑いの好きな人が来てるっていうことの、強さであり弱さもあるのかなとか。
芽:トットの2本目ってタバコのやつか。あ、でもタバコのやつはね、結構好きですよ。あ、これはもうトットかな、って感じでしたね、僕は。
小:あ、そうっすか。トット面白かったけど、相手が悪かったな、と思ってました、
芽:まあ、そっか。これだからタバコ吸う人はどういう、やっぱうっすら思ってるんですかね?辞めた人が一番偉い、っていう。
小:どうなんだろう。まあでも、そうだと思いますよ。タバコ辞めた人が一番偉くて、タバコ吸ってる奴が一番下で、タバコ辞めたことない奴が一番真ん中にいる、っていう。
芽:発想としては、割と普通なんだけど、国宝の動きを入れたりとか、そこに本当に脈絡がなくて面白かったっていう。結構そこら辺とかがあるから、で、やっぱトットはちゃんと3本ネタの雰囲気を変えてきたし。
小:1本目、2本目はちょっと似てる感じですけど、3本目でずらしてきましたね。
芽:だからリニアはもったいない。だから本当に、リニアがトットを下してたら、リニアが優勝してたんだろうな、っていう。
小:三四郎の相田も「リニア優勝しました」ってXで言ってました。
芽:あ、X情報助かります。
小:で、そのあと結果出てから「すいません」って言ってました。
芽:吉住の人力ポッドキャストで、この裏側が聞けるかが楽しみですね。ガクと吉住たちで一緒に見ているみたいなのをなんかで見たよ。
小:人力ポッドキャストって、REQ JAMですか?
芽:そう、REQ JAM月曜。
小:あれ人力ポッドキャストじゃないですよ。
芽:そういう意味では、ザ・パンチはどうでした?
小:パンチ、俺、毎回好きなんすよね。
芽:やっぱすごいよね。点数とかの時の顔芸笑っちゃったもんね。ゴム人形くらい、口曲がってたよ(笑)。
小:最初、テレビでリアルタイムで見た上で、好きなくだり抜き出すために、外歩きながら音だけ聞いてみたんですよ。もうなんか、それだけでも笑っちゃうんで。音だけ聞いてあの顔芸が面白いって、とんでもないことだと思うんですよ。「ハズレだよ~」とかダラダラ言ってんのが面白くてしょうがなくて。年間800ステージはダテじゃないなと。
芽:だからもう、やっぱザ・パンチもトットも1本目どっちも音として完璧というか、リズムとして。心地よい漫才のビート。もう凄すぎる、っていう感じかな。で、2試合目が、トット、金属も結構ネタ変えてきて。金属の3本目については後でゆっくり触れるとして、今年の金属は結構好きでしたね。過去4年で一番好きだったなー。
小:なんかこれ、そもそもの話になっちゃいますけど、ザ・セカンドって、M-1、キングオブコントに比べて、去年の記憶全く蘇らなくないですか?
芽:これ、そうそうそうそう。
小:ここだけ聞くと腐しているように聞こえるかもしれないけど、すごい良い傾向なんじゃないかってのを思ってて。実はリピーター不利とかではない大会なんじゃないかと。
芽:ああ、なるほど。なんだったらこの、ザ・パンチの変遷っていうか、幇間みたいになっている現状すら、この2年間忘れてたみたいな(笑)。これやっぱ思うのが、出てくる芸歴的に、ネタの発想勝負ではなくなってて、ウケるためにある程度のあるある的な要素が多いみたいな。やっぱM-1との違いとして一番大きいかな。M-1でかけられるネタとの違いっていうのが、僕は、M-1の感想を言うときにこの構造の話とか、4分の使い方の話をするんですけど、この大会でかけられるネタにおいては、あんま構造とかが無くなっちゃっているというか。一本の線的になっちゃう。構造があると、箱ってイメージなんですけど。THE SECONDは、1回目の大会とかは、多分ブログにも書いたんですけど、今まで一番受けた漫才で受けたところだけを、6分を1分ずつ使ってる使い方とか、3分ネタを2本してるとか、そういう感じの話をしてたけど、今はもう単純に、そういった構造とかは関係なく、本当に一本ネタ、もしくは一本ネタ10分ぐらいのを短くしたみたいな感じで、気楽に見れるというか。
小:確かにそうっすね、超新塾とかテンダラーみたいなパターンあんまないっすね。
芽:そうそうそうそう。で、特に今年は、その感じが傾向が強かったっていう気はしますね。
小;いや、それでいうとシャンプーハットはめちゃめちゃ構造じゃないですか?
芽:ああ、シャンプーハットはそっか。全然話変わっていってますもんね、毎回。テンダラー方式のダイジェスト構造。
小:大根の話して、英語の話して。
芽:シャンプーハットも、関西にいたりとか、ちょっと昔のネタを知って、昔の雰囲気を知ってる人とかだと、これがその、いかにその普段から変な、変なことをしてる漫才ってことはわかるけど。これ初見で関東のお笑いファンが見たらどう思うのかってのはちょっと気になりますね。
小:でも僕ね、関西に住んだことあったり、お笑い好きだったりしますけど、実は初見なんですよ、シャンプーハット。
芽:あ、そうなんだ。
小:完全初見だったんじゃないかな。なんか目に入らなくて。ネタは。もちろんテレビとかでは見てましたけど、ネタは初めて見て。だから最初はなんかあんまり飲み込めきれなかったというか。
芽:なるほど(笑)あ、でもやっぱそうですよね。初見殺しというか、かなり大阪でのテレビのイメージのシャンプーハットが前提になっている面白さなんじゃないかなって気はしますね。その上で、5周くらいしているっていう難しさ、裏の面白さが基本ベースなのかも。
小:黒帯の後だったっていうのもあんのかな。黒帯のあの分かりやすさの後だったんで、なんかちょっと片手間感があった感じありました。
芽:そもそも、恋さんが、あの恋愛の「恋」っていう字になった時のニュースって結構衝撃だったんですけど、今の若い人何もわからないだろうなって。何の説明もなく「恋」って書いてたんで。
小:本名でやってたときから、「こいで」になり、そこから恋さんという変遷。
芽:あとあれだね。宮田麺児はめちゃくちゃうまいからね。
小:宮田麺児はうまいっすねー。
芽:宮田麺児って確か、粗品の実家の近くにあるらしいんですよ。
小:うん、そうっすね、はい、ありますね。
芽:それをなんかで知って、ああ、そこら辺なんだって感じだったんですけど。で、宮田麺児も本当に10年以上前に行って、つけ麺食べてめちゃくちゃうまくて。でもその時って、つけ麺もそんなに有名ではなくてまだ始まったばっかりみたいな感じだったから。
小:ああ、そうなんすか。
芽:たしかもう、本当に12、3年以上前かな、っていう感じなんで。宮田麺児のつけ麺が結構答えになっちゃってる。全然行けてないけど。
小:まだ並びますよ全然。前、平日行った時も並んでたな。
芽:当時もお店も綺麗だったけど、まだ人気なんだ。あと、なんかあるかな。
小:黒帯の未成年でも飲酒していいみたいなら何で許されてんすか? アサヒビールがメインスポンサーなのに。こういうのも思いたくないんですけど。
芽:今回は黒帯も、黒帯とリニアがちょっとまあM-1のその中でも若手、えっとM-1をまだちょっと残してる、みたいな。
小:はいはいはい、残党感。
芽:ってなっちゃうんで、そこがちょっとタモンズの「ニン」に負けちゃった、みたいな。
小:タモンズはもう人柄しかないから。
芽:そうそう、タモンズのニンはね、圧が凄かったかなー(笑)。
小:人柄が良すぎて、タモンズがちょっと、なんか頭で考えたんだろうなっていうくだり、冷めちゃうんすよね。
芽:「頭使うお笑いやりたくない!」って、ちょっと食ってきた感じがするから、そういうこと?
小:僕は、そこは魂の叫びとして見れるんすけど、お前それ「お控えなすって」の動きやないかい、とか。ビビデバビデブーとか。考えられてるなこのボケっていうのがちょっと冷めちゃう。
芽:そっちですね。でもやっぱ総じて渋かったな、前半は。
起案(2)「金属バットの3本目について」
芽:じゃ、えっと、で、じゃあちょーど金属の話が出たのでちょっと起案2になるんですけど、はい。金属の3本目どうでした?
小:俺はもう10点です。
芽:これ10点って分かりづらい(笑)。1点2点3点だけど10点あげたのか、300点の10点なのかが分かりづらい。
小:これ、あの、どっちもです。
芽:どっちも?
小:あの、僕一人だったら10点あげてるし、100人いて10点でもいい。
芽:なるほど。僕も、僕だったら絶対3点入れてたし、めちゃくちゃ面白かったなってなったんすよ。
小:はい。
芽:でもあれ、多分6分フルで使ってないですよね?
小:5分弱らしいですよ、ネットニュースによると4分52秒らしいです。
芽:だからあの、俺、6分丸々やってたらトットが優勝したことにキレてたかもしれない。小林が5分20秒ぐらいあの話を続けて、40秒ずっと友保がキレてたら、もうトットが優勝してたことにキレてたかもしれない。理想は、1分切れて、減点だけど(笑)。それは裏だから。
小:はいはい。
芽:もう審査員にめっちゃ文句言ってたかもしれないです。そんぐらい好きだったな。これ、何が好きかっていうと、単純にああいう構造なのが好きっていうのもあるんですけど、小林の語りがちょっと上手すぎて。何が起きるんだ、みたいな感じの、間の使い方と、目のバキバキ感とか。
小:はい。
芽:ちらっと差し込まれるヴィーガンとか、家畜に名前をつけてしまったとか、ちょっとピリッとさせるワードを入れたりとかするけど、それもスカされて何もない、みたいな。実はいい人しかいない、みたいな。
小:そうなんですよね。
芽:それでかつ、よくよく聞いてるとやっぱこの小林の語りが上手いからなんですよね。金属バットのこれまでのネタの中で、金属バットの漫才師としてのスキルが一番分かったネタというか。リズムがすごかったので、漫才師としてもちゃんと上達してる。上達してて、そのスキルが上がってるっていう見え方をしたっていうのもあるし、友保がもう最後にあの暴れ方。他のネタでは、友保も暴れてないから。それが映えて、すごかった。だから、なんか賛否別れたっていうTwitterの状態が分かんないけど、僕はめちゃくちゃ好き。
小:僕も、本当におそらく賞レースの中で1、2を争う僕の中で好きなネタなんですよね。悲しいことをわざわざ言うネタっていっぱいあるけど、誰も悲しくないんすよね。まあその、お肉食べれないとかはあるかもしれないけど、誰も悪い人もいなければ、悲しんでる人もいないのに、あのトーンが小林が出せて、あのストーリーラインが作れてるっていうのがもう完成度が高すぎる。
芽:うんうん。
小:あとは友保の受けとしてのリアクション。小林が滔々としゃべってるんだけど、「何が起こるんだ?」リアクションをしてないのが、すごくいいなと思ってて。俺、あのネタ、多分20回ぐらい見てんすけど。友保がちゃんと小林の話に向き合ってんすよ。2本目の祝日のネタの最後の方で、わしの誕生日やねん、のくだりあるじゃないですか。あれの直前で友保がうっすら感づいて、残念がる感じを出してるんすよね。小林がなんか、4分ぐらいだらだら喋ってるのを見て焦る、みたいなリアクションをする、っていう方向に行ってもいいんですけど、それをおくびも出さずに、ずっとしっかり聞く姿勢をとってるっていうのが、落差として最高だったかなと思う。
芽:うんうん。
小:あと、開き直っても「おもろない」しか言わない最後。なんか、もっと言いたくなるはずなんすけどね、あれ。
芽:あの話って、複合的で多層的で、ひとつの価値観で測れないんですよね。だからそこに来て「面白い、おもしろくない」二元論に終始するっていう。畜産っていう命の話から始まって、子供がいない夫婦がいて、ホームステイでやってきた女の子がヴィーガンで、みたいな。善悪の彼岸にある話、白か黒かでは判断できない、二元論じゃない話をしてるけど、最後に「おもしろ/おもんな」というなんか駄目な価値観としてのこの二元論に収めて、めちゃくちゃ暴れるっていうのはやっぱ、それはすごいなんか、よくできてるというか。分解していけばいくほどよくできてるんですよね。
小:うんうん。
芽:だからこそ、僕はもう本当に小林に5分20秒喋って欲しかった、僕が金属に怒ってるのはそこ(笑)。あと、一人くらい登場させられたはずだ!って(笑)
小:X上では、この、あえて金属が優勝しないためにやったネタだとか、来年に囲碁将棋とグランプリファイナルで戦うために、ネタを温存した、みたいに言われ方してて。僕はそれにぶち切れてました。
芽:それはむかつくよね。なんかセンスない、視聴者がそこで角度入れないでほしい。まあ正直、これ、結構、だから、あの、誰かが言ってるかもしれないけど、ごっつええ感じの「トカゲのおっさん」を1時間やっていたのを初めて見たっていうか、初めてぶつけられたってぐらいの感覚はあります。
小:知らないんですけど、どういうやつですか?
芽:ごっつええ感じで長時間コントをやったんですよ。トカゲのおっさんっていう。要は松本好みの哀愁があるコントで。調べたら、一時間じゃなくてノンストップで30数分やったらしい。
小:それはでも、面白きゃいいんじゃないですか?
芽:今見たら面白いかもしれないけど、面白くないいかもしれないし、必ずしもなんか悲しいだけじゃないかもしれないんですけど、その時って僕ら小学生とかなんで、今までコーナーとかを楽しみにしてたのに、このトカゲのネタ。哀愁がなにかとか分からないから。
小:へえー。
芽:だから1回目でそういったかまし。感覚としてはそのぐらいの衝撃。松本人志の当時の、哀愁への過剰なフェティシズムが表れたコント、みたいに言われてるようなネタなんですよ。でも金属が話し出した話って、哀愁とかって言うよりも切なさ、人間ってこうやってすれ違っていくよね、誰も悪くないんじゃないか、っていう感じなんで。むしろ僕は1本目肉の部位ネタの方が、ちょっと寄せてきてる感じがして嫌だったぐらい。それはそれでダサい見方かもしれないけどね。1本目、2本目、3本目全部変えてきて、全然普通に優勝する気があったと思う。失礼だよ。
起案(3)「THE SECOND ファッションチェック」
芽:なんか、いいファッションいました?スタイル。
小:あんまその角度で見てないんすよ。
芽:最近僕はファッションの勉強をしてるので、その角度込みで見てたんですよ。
小:まあだったらその、その出で立ちもあるんでしょうけど、ヤングの嶋仲の方。あのシャツルックはかっこいいねすよね。
芽:嶋仲ね。いいですよね。明るい感じではないのがあっている。あ、ちょうどヤングの話をしたかったんですけど、ツッコミの坊主の寺田がスカジャン着てるじゃないですか。
小:はい。
芽:スカジャンってどうですか?
小:着たいです。でも、まだ僕には早い感じがしてます。
芽:僕は、異常にスカジャンが似合う男なんですけど。柄シャツが似合うし。体型もそういう体型なんですけど、実は僕はスカジャン着れないんですよ。
小:着れない?なんでですか?
芽:これはおすピーのピーコの、逸話として残ってるのを読んだっていう話で。ピーコがファッションチェックしてた頃に、ミリタリーパンツを履いてる人のファッションチェックをすることになって。まあ本当かどうか分からないんですけど、すごいざっくり言うと「ミリタリーパンツは軍由来のものだから私は評価できません」、みたいなことを言ったらしいんですよ。戦争ベースの話だからっていうことで。俺この、この話を見た時にすげえ、相当衝撃を受けて、「あ、ファッションってそうやって見てもいいんだ」っていう。
小:はいはい。
芽:その考えが全くなかったから。ピーコが亡くなった時には別の例とかも出てきて。例えば、お母さんに編んでもらったみたいなセーターを着てる人がいて、「私はこれは評価できません、もう一生大事に着てください」と言ったとか。
小:おおー。
芽:まあ、それに比べておすぎは、って感じなんですけど。
小:そんなことないだろ。
芽:ってなった時にスカジャンなんですけど。僕、柄シャツが異常に似合うから、スカジャンも一回着てみたんですよ。太田さんも着てるし。で、実際に異常に似合ったんですけど、ピーコの逸話を思い出して、確か、スカジャンの由来って軍の基地にいた人たちが着てたものだってなったんですよ。調べたら、やっぱそうで。このピーコの言葉を知っちゃったから、俺はもう着れないなと思って。
小:参戦という言葉を使わないようにしているのであれば、という。
芽:そう。特に基地がめちゃくちゃある沖縄でこれを着るっていうのは無自覚なことになっちゃうので着れない。しかも、これを沖縄で着ることが危ういことだなってなったんで、僕が着れないんですよ。良くない意味が出ちゃうっていう。っていうのがファッションについて1つ。あと気になったファッションが、タモンズとリニアなんですけど、三枚重ねというか、ああいうの何て言うんですか、スーツの。
小:シャツ着てベスト着て。スリーピースってやつですよね。
芽:そうそう。どっちもまあ、タモンズの安部とリニアの酒井がどっちもこれを着てるんですけど、これって見かけが重くなるじゃないですか。ってなった時に、タモンズ安部の、おじさんが結婚式に来て、おしゃれしている感じはすごくニンに合ってるんですけど、リニアの酒井が着ちゃうと動きが重く見えるんですよ。
小:もうちょっと詳しく教えてください。
芽:ネタの振る舞いと、この洋服の重さがミスマッチになっちゃって。だからリニア酒井はもっと軽いスーツにした方がいいと思ったんですね。
小:詳しく聞いてもだったな。そんな思う人いないですよ。
芽:でも小林さんの言うことは本当にそうで、全く重く感じないから誰も言ってないのか、いい角度なのか、これはもうドロップして判断してもらうしかないんですけど。
小:これX上では、リニアの酒井はウエストランド井口に似てるっていう、卵が先か鶏が先かみたいな話になってるんですが、井口がM-1優勝した時の舞台衣装を見てみると、M-1優勝した時はセーターみたいなやつを着てるんですよね。
芽:うん、赤じゃないかな。
小:さすが、赤です。赤セーターも重いんじゃないかと思うんですけど、セーターはどうなんですか。
芽:これも考えました。やっぱウエストランドとちょっと似てるじゃないですか、芸風的に。もっと言うとシルエットもどっちも似てるから。
小:はい。
芽:やっぱりどうしても比較されちゃうんですけど、そう考えた時に暖色系でああいう感じの衣装だと、やっぱファニーさが出せる。
小:ああ、井口のチェック柄のジャケットで。
芽:そうそう。だからどんなに毒舌を言っても、それのエクスキューズになるんじゃないかっていう、言い訳というか。これは嘘でーす、おもしろでーすっていうね。本当は、YouTuber大好きだし、佐久間さんを尊敬してまーすみたいな。
小:ああ、ああ。
芽:だから、酒井みたいなスリーピースだったらちょっと重いんですよね。マジ感が出過ぎちゃうって言うか。逆に、しょうへいの衣装をもっと重くしてもいい。そうすると酒井に対して、さらに、全然動じねえなっていう感じが出るというか。
小:ああ、なるほど。
芽:酒井がめっちゃ喋って動いたりするから、どっちかって言えば軽い方がいいんですよ、色とかも。セットアップだと軽すぎるから、難しいんだけど。で、それに比べてしょうへいは、まあなんかどしっとしてて、ついていってんだか、ついていってないんだか分かんない、みたいな。だから本当に、酒井のことをやや冷めた目で見ているみたいなキャラクターにするためには、相撲取りがスーツ着てるぐらいに、動じないっていうイメージが望ましい。その対比がいいんじゃないかなって気はするんですけど。動きと見た目だけの話をすると、リニアは、わんぱく相撲感をもっと出した方が絶対にネタの動きが映える。
小:考えたことがない視点すぎて、ここでは判断つきかねますね。
芽:まあ、一意見として(笑)。でも、誰かファッション好きな人とかに届いてほしいなあ。分かる、あってますよ、って言われたい(笑)。で、僕が普通に真似したいのは黒帯の大西とか、金属バット友保みたいに、スーツに柄シャツは普通に使いたいなと思ってる。あんま、黒は似合わないんですけどね。
小;僕あんま服見てなかったですけど、友保がジャケット脱いで振り回し始めた時のあの格好良さったらなかったですね。
芽:友保の本当はこれ今日一番話したかった話ですので最後に回すとして。
小:THE SECOND感想会で一番話したいことが友保のシャツ? そんなわけないだろ。
芽:コンビとしての衣装でいうと、やっぱトットですよね。単純に格好いいのはトット。生地の色は揃えてるんだけど、スーツの作りが全然違うっていうのが、調べたらブリティッシュスタイル、英国スタイルらしい。それでなんか国宝の動きをするっていうのがいいですね。やっぱトットはちょっと、もうルックがすごく良かった。容子がいいってやつですね。これがもうちょっと若いと鼻につくんだろうなっていう。桑原は見た目はシュッとしててかっこいいし、ツッコミの多田はちょっと可愛い系、ロザン系みたいな。それが40になってやっと落ち着いてきたというか。スーツもぴったりはまったっていう感じな気はしますけどね。そう考えると、やっぱTHE SECONDっていう舞台が、芸歴を重ねている人っていう前提で見るから、意識していたり、していないにせよ。シュッとしてたとしても、ってなるのかもね。
小:昔の緑のスーツより、寄せてる感がないのもよかったと思います。
芽:でここから本編の、 金属バット友保の柄シャツの話なんですけど。
小:長い前振りだったんですね。
芽:今までは、余談(笑)。これ実は、一本目で金属を見た瞬間に気づけたんですけど、これ「eanbe」っていう沖縄発のアロハシャツなんですよ、ブランドというか。
小:へえー。そうなんだ。
芽:「eanbe」っていうとこで、なんなら僕ちょっと買いに行こうかなってこないだ思ってたぐらい、身近に行けるところなんですけど、東京だと吉祥寺にもあったり。
小:へえー。
芽:で、このeanbeって実は結構芸人とかもモデルに使ってるような、インスタが結構おしゃれで。ザ・マミィの酒井とか、肉の塊の岡野とかもインスタに乗ってるんですよ。
小:あ、見たことあります。これピエール瀧とモデルやってませんでした?ドラッグ後の。
芽:そうそう。多分使ってたと思う。eanbe(いいあんべえ)っていうのは、いい感じに酔ってる、ほろ酔い、気分がいいみたいな感じなんですけど。
小:はい。
芽:で、この、友保が着てるのが、「月桃(ゲットウ)」っていうデザインなんですよ。この月桃っていうのは、沖縄に自生している花で、ムーチーっていう餅を包む葉っぱとかに使用したりするんですけど、そのくらいちょっとなんか日常生活というか、生活に根ざしたもの。で、結構甘い、いい匂いの花を咲かせるんですよ。
小:へえー。
芽:そうそう。こないだもたまたま自生してるの見たぐらいのレベルの花なんですけど。サムネにするために撮っときゃよかったな。で、これ友保が、まあただ柄シャツを着て、黒いジャケットを着てるってだけじゃなくて、実はこの月桃って、沖縄で言うと「平和のシンボル」みたいな花なんですよ。シンボル的な。「鳩」とかと同じ。
小:うん。
芽:まあデザインがいいっていうのもあるんですけど。で、これ冷静に考えてみると、金属バットの2本目、小林が実は右派思想、国粋主義的な思想の人なのかなって、なりそうでならないっていうネタじゃないですか。それに対して「平和のシンボル」をまとった人間が、そいつに向かって、いかつい思想って言ってるっていうのは、これめちゃくちゃ味わいが出ちゃうんですよ。
小:へえー!すごい視点。
芽:そう。すごい嫌な言い方をすると、右派と左派みたいな。これはもう、正直、俺でなきゃ見逃しちゃうね案件なんで。あ、小林が着てるのってeanbeの月桃だな、あれ、月桃って……ってなって。これで友保が来年とかにこの衣装を辞めたら、これが回り回って恥ずかしくなって辞めちゃったのかなってなっちゃうかもしれないけど。だから、ファッションの勉強してると、あ、こういうことに気づける。面白かったです、これ。
小:計算してやってたらすげえなあ。
芽:金属バットのネタの話に戻ると、「思想強い」って使い始めた時は、使い方が稚拙で、僕は批判的な感じだったんですけど。やっぱ2本目はすごい良かった。「思想強い」いじりを完成させたって言っていいんじゃないかな。ここまでいうと、おみそれしましたってなる。ちょっとミルクボーイの血もちょっと感じたし。
小:ああ、確かに。ちょっと入ってますね。
芽:そうそう。考えの余白があるからすごい良い形で進化してるというか。ミルクボーイの血が入っているっていうのは、悪い意味ではなくて、ツアーとかやって関係性があるからってことなんですけど、グッと来ますよ。総合すると、漫才師としての今年の大会で金属バットは漫才師としての力量がすごい出てたんですよ。4分近く一人で語ってるのを聴かせるっていうのは漫才上手くないと聞いてらんないですよ。あれが、作戦だとか、温存だったとか、優勝を取るより生き様を選んで見せたっていう論争が起きるってことは、漫才として成立していないと起きないから。やっぱ、ただのもう危ないことを言ってるだけじゃないよ、ちゃんと漫才師としてのスキルも上がってるっていう、だからこそ、ヤングにも、ニンだけで押し切ろうとしたタモンズにも勝てた。だから、小林に落語やらせたらすごいんじゃないかって思ったぐらい凄かったから、3本目の語り口が。
小:そうっすね。何回もやれるネタじゃないでしょうし。それで数少ないチャンスをものにしてる。とかすごいいっすね。
芽:下手したらもう2、3回、そんなになんかやらないでもいいネタというか、叩かないでもいいネタだから。本当に1回2回やって、ぐらいのネタになってくると思うんすけど。はい、っていう感じだな。
芽:だから今年の総評としては、総じて渋かったな・・・ですね。
小:そのスロースタートがゆえに、東野が盛り上げようとしてくれてる感じも良かったですよね。
芽:じゃあ、感想はこんぐらいで締めますか。来週は「ポスト・宮司愛海アナのドレス」ですね。
小:あ、絶対にそれはしないです。……はい、そんな感じで終わりましょうか。
芽:でも僕結構本当宮司愛海さん好きなんでなんか最近なんかおじさんになるにつれてなんか頭が良さそうな人が好きになっちゃって頭が良さそうっていうかちゃんと自分で考えている人っていうかあと最近のフジテレビを背負ってる感じもあるし。判官贔屓じゃないけど頑張ってほしいけどあんま背負いすぎて欲しくはないなっていうのもあるんですよね。
小:まだ喋ってる!
話者紹介
芽むしり
ファッションが、表象と文脈ということが分かってからはかなり理解度が高くなりました。
最近は毎朝、星野源の「SUN」を聞いて、ヒムケンのことを思う日々。それとは別に、『バナナムーンGOLD』のゲスト:ネコニスズ回がとてもよかったです。あんなにネタを見てきているのに、全く歴史を知らなかったので、二人を掘り下げていたのも良かったし、何よりヤマゲンがフリースタイルラップを振られた際に、流れで新ネタになりえるくらい面白い展開が出来てた。
記事の、Xでの引用拡散、本当に嬉しいのでよろしくお願いします。
でも、トットの理屈でいえば、Twitter辞めた僕が一番偉いのでは?
小林
最近X上で、吸っているタバコの銘柄を「サブカル御用達」と揶揄されており、やめてよ~><となった。何も間違ってないんだけどさ。
そして今回から、文字起こしツールを一新。精度が非常に高く、「月桃(ゲットウ)」は文字起こしツール側からの提案。稟議内容がAIに追い越される、リンギュラリティもすぐそこまで来ている。
