追い詰められると見えるモノがある
私にはかつて、フルタイムで働きながら、10年間にわたりワンオペ育児をしてきた経験があります。
妻の単身赴任がそのきっかけでした。
多くの方は、このような状況になるとご自身の両親を頼れるかもしれません。
しかし、私の場合、母はすでに他界しており、父も体を壊して施設に入っていました。
✅平日は戦いの連続
幸いにも、私は妻の両親の力を少しだけ借りることができました。
仕事で保育園のお迎えに間に合わない時、代わりに行ってもらえたのです。この助けがなければ、本当にどうなっていたことか……。
妻の両親は焼き鳥店を営んでいたため、長時間預かってもらうわけにはいきません。
仕事が終わると、急いでお店まで子どもたちを迎えに行く毎日でした。
そこから買い物を済ませて子どもたちと帰宅。
すぐにお風呂の準備をしつつ、間髪入れずに夕食の支度に取り掛かります。
「人間は食事を摂らないと元気が出ない」と、食事は特に大切にしていました。毎日の献立を考えるのが、これほど大変なことだとは、このとき初めて知りました。
そういえば学生の頃、母からよく「今日の夜ご飯、何が食べたい?」と聞かれたことをふと思い出します。
食事が終わると、娘、息子、私の3人で一緒にお風呂に入ります。
当時住んでいたアパートのお風呂には追い焚き機能がなかったため、一度に入ってしまうのが最も効率的でした。
しかし、そのおかげで、学校や保育園での出来事について話す、貴重な親子のコミュニケーションの時間にもなっていました。
お風呂の後は、我が家恒例ののんびりタイムです。
お風呂上がりはすぐに眠くならないので、子どもたちが自然と眠くなるまで、当時契約していたスカパーのアニメや、TSUTAYAで借りたDVDを一緒に見て過ごしました。
2時間ほど経つと子どもたちも眠気を催してくるので、一緒に寝室へ行き、寝かしつけをします。
最初は苦手だった絵本の読み聞かせも、慣れると役になりきって読めるようになったものです。
✅土日の平安
土日は妻が単身赴任先から帰ってきます。子どもたちはもちろん、私自身も心から休まる時間で、本当にホッとしたのを覚えています。
正確には、金曜の仕事が終わるとすぐに出発し、夜9時ごろに帰宅する妻を、親子3人で「わー!」と賑やかに出迎えるのが常でした。
やはり、大人の手が二つになると、これほど楽になるものかと実感する瞬間です。
このときばかりは子どもたちが「ママと一緒にお風呂に入る!」と言うので、私は束の間、一人でゆっくりと湯船に浸かることができました。
また、私が苦手な子ども服の買い出しに付き合ってくれたり、息子の爪を切ってくれたり。
そういった妻の細やかなサポートが、本当にありがたかったと今でも思います。
休日が楽しい分、月曜日の朝はとても辛く、寂しい時間でした。
妻は日曜の夕食後、ギリギリまで家にいてから単身赴任先へと帰っていきます。
そのたびに泣いてしまう息子の姿を見るのは、本当に胸が痛みました。私も慣れるまでは、寂しがる子どもたちの気持ちを立て直すのに、とても苦労したことを思い出します。
✅まとめ
世の中の多くの父親は、自分がいかに妻に頼っているかに気づいていないのではないでしょうか。
妻たちが、夫が家事や育児を“やらない”ことに対して不満を口にする理由が、この経験を通して痛いほどわかりました。
子育てには、言葉では言い表せないほどの大変さがあります。
しかし、その大変さを経験したからこそ、普通の父親が見過ごしがちな、かけがえのないものを見つけられたと、今では思っています。
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