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理解できること、わからないことの正体

人には、すんなりと理解できることもあれば、何度説明されても腑に落ちないことがあります。その違いはどこから来るのでしょうか。

もしかしたら、それは単なる知識や経験の差だけではないのかもしれません。
人それぞれの考え方の癖や、過去の経験からくる心の傷が、物事の見え方や感じ方を無意識のうちに左右していることがあります。

「なぜ、あの人はあんなことで怒るのだろう」「どうして、自分のこの気持ちを分かってもらえないのだろう」

生きる中で、そんな風に人間関係や自分自身のあり方に悩んだ時、一度立ち止まって「自分は何を理解しやすく、何が分かりにくいのか」を探ってみるのは、新しい視点を得るきっかけになるかもしれません。
それは、自分の中に眠る「敏感さ」と「鈍感さ」の正体を知る旅のようなものです。


✅センサーが鋭いところ ― なぜ、そこまで敏感に感じ取ってしまうのか

私たちの心には、非常に鋭敏なセンサーが備わっている場所があります。
他の人が気づかないような些細な変化を察知したり、言葉の裏にある感情を深く感じ取ったり。その敏感さには、大きく分けて二つの背景があるように思います。

一つは、まだ癒えていない「心の傷」がある場所です。

例えるなら、治りかけの切り傷のようなもの。普段は意識していなくても、何かが少し触れただけで、鋭い痛みが走ります。
痛みがあるからこそ、その部分を守ろうと、私たちは無意識のうちに神経を尖らせてしまうのです。

過去に誰かから言われた一言に深く傷ついた経験があれば、似たような言葉や状況に過剰に反応してしまったり。
裏切られた経験があれば、人の親切心を素直に受け取れず、裏の意図を探ってしまったり。
その痛みは、他人の同じような痛みを深く理解できる共感力にもなりますが、同時に、あなたを疲れさせ、臆病にさせる原因にもなり得ます。

もう一つは、生まれ持った「才能」と呼べるような繊細さです。

これは、誰かに傷つけられたわけではなく、元々その部分の皮膚が薄く、デリケートである状態です。
例えば、私たちの眼球が、ほんのわずかな光も敏感に捉えて「見る」という能力を発揮するように、生まれつき特定の感覚が鋭い人がいます。

人の感情の機微を読み取るのが得意だったり、美しいものに心から感動できたり、物事の本質を直感的に見抜く力があったり。
それは、社会で生きる上では「気にしすぎ」「考えすぎ」と捉えられ、生きづらさを感じる原因になるかもしれません。
しかし、見方を変えれば、それは他の誰にもない、あなただけの特別な才能なのです。
その繊細さが、素晴らしい創造性や深い洞察力の源泉となります。

✅分厚い皮膚で何も感じないところ ― なぜ、そんなに平気でいられるのか

一方で、心には驚くほどタフで、少々のことでは動じない部分も存在します。
周りが慌てふためくような状況でも冷静でいられたり、他人からの批判を柳に受け流せたり。
この「鈍感さ」にも、二つの側面があると考えられます。

一つは、数々の経験によって作られた「強さ」という名の鎧です。

骨折した骨が、治る過程で以前よりも太く、強くなるのに似ています。
何度も同じような失敗を繰り返したり、厳しい批判に晒されたりするうちに、その刺激に対して心が鍛えられていくのです。

例えば、人前で話すのが苦手だった人が、何度もプレゼンの経験を積むうちに、緊張はしても堂々と話せるようになる。
これは、経験によって心に「タコ」ができたような状態と言えるかもしれません。
あるいは、毎日地面を踏みしめる足の裏が、次第に硬くなり、少々の小石なら気にせず歩けるようになるのと同じです。
この鈍感さは、私たちが厳しい現実を乗り越え、学び、成長していくために不可欠な強さなのです。

もう一つは、前に進むために必要な「鈍感力」という推進力です。

もし人間が、目に入るもの、耳にするもの全てに敏感に反応していたら、情報過多で一歩も前に進めなくなってしまうでしょう。
目標に向かって突き進む時、周りの雑音や些細な障害をあえて「感じない」ようにする力。
これは、夢を実現したり、大きな物事を成し遂げたりするために、非常に重要な能力です。

周りの人が「そんなの無理だ」と笑っても、自分の信じる道を突き進める。
細かい手続きや人間関係のしがらみを気にせず、本質的な課題に集中できる。
この鈍感さがあるからこそ、私たちは逆境にも負けず、自分の人生を切り拓いていく推進力を得られるのです。

✅まとめ

私たちの心は、非常に敏感で繊細な部分と、驚くほど強くて鈍感な部分が同居する、複雑で美しいものです。

自分のどの部分が「敏感」で、どの部分が「鈍感」なのか。その特性を理解することは、人生という名の道を歩くための、自分だけの羅針盤を手に入れることに他なりません。

自分の敏感さ(才能)を活かして誰かの心に寄り添い、鈍感さ(強さ)を活かして困難な壁を乗り越えていく。
時には、敏感さゆえに深く傷つき、鈍感さゆえに誰かを傷つけてしまうこともあるかもしれません。

しかし、その両方の特性を知り、どちらも自分自身の大切な一部だと受け入れること。
そして、状況に応じてどちらの特性を活かすかを選択していくこと。
そこに、「生きる」ことの奥深さと面白さがあるのではないでしょうか。

あなたが「理解できること」と「わからないこと」
その境界線は、あなたの心の地図そのものなのかもしれません。


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