売上3行を渡したら、資料ではなく"動くダッシュボード"が届いた。ChatGPT『Codex』入門
こんにちは。RINDAのジェイです。韓国・大田(テジョン)のAIスタートアップでCOOをしています。 【※筆名・自己紹介はnoteアカウントの設定に合わせて調整してください】
見積計算のスプレッドシート、社内ツールの小さな修正、LPの文言差し替え。エンジニアに頼むほどでもない「ちょっとした開発」が、気づけば2週間放置されている。開発者が社内にいるうちの会社ですら、そうなります。
7月9日、ChatGPTが大きく再編されました。画面上部のChatとWorkの2タブは解説記事が増えましたが、デスクトップアプリに同居する第3の顔「Codex」は、「開発者専用でしょ?」で素通りされがちです。
でも、公式発表を読むと、この素通りはもったいない。Codexは毎週500万人以上に使われていて、そのうち100万人以上は開発以外の仕事に使っていた。いま話題のWorkという製品自体が、このCodexの「想定外の使われ方」から生まれています。エージェント時代の原点はこちら側にある、という話です。
🎯 この記事で分かること
⚠️ この記事は2026年8月4日時点の公式情報をもとにしています。提供状況はプランやアカウント、地域によって異なる場合があります。最新の条件は記事末尾の公式ページで確認してください。
🚀 Codexの正体。Workの「母体」だった開発エージェント
まず位置づけから。OpenAIの整理では、ChatGPTには役割の違う3つの顔があります。Chatは質問に短く答える従来の顔。Workは時間のかかる仕事を引き受けて完成ファイルを返す顔。そしてCodexは、ソフトウェア開発と技術作業の専任です。公式ヘルプでは、コードを書く・デバッグする・テストやコマンドを実行する・変更をレビューする・リポジトリ(コードの保管庫)を扱う仕事はCodexの担当、と線が引かれています。
出典: OpenAI公式ヘルプ「ChatGPT Work and Codex」
誕生は2025年5月。「コードを書いてくれるAI」と紹介されがちですが、実態はもう一歩先です。修正計画を自分で立て、コードを書き換え、テストを回し、結果を報告する。人間のエンジニアに仕事を振ったときの一連の流れを、1人で最後まで進めるタイプのエージェントです。
そして冒頭の数字。OpenAIは7月9日の発表ページで、Codexが毎週500万人以上に使われ、100万人以上が開発以外の仕事に使っていたと明かしました。コーディング道具のはずが、資料づくりや調べものに流用されていた。その実態を一般業務向けに仕立て直した製品がWorkです。つまりWorkはCodexの子ども。「目標を渡すと成果物で返ってくる」働き方は、コードの世界で先に完成していました。
出典: OpenAI発表「ChatGPT は、あなたの最も意欲的な取り組みのパートナーに」(2026年7月9日)
同じ再編で、単体だったCodexアプリはChatGPTデスクトップアプリに統合されました。左上のメニューでChatGPTとCodexを切り替える方式で、履歴も別管理です。Web版の画面にCodexタブが見当たらないのは廃止されたからではなく、デスクトップ専任になったためです。
【画像①: デスクトップアプリ左上メニューでChatGPT/Codexを切り替える実画面】
🧪 実測の記録。同じ売上3行で、Workは「資料」を、Codexは「道具」を返してきた
では、その働きぶりを。すぐるさんのWork解説記事で使われていた売上3行のデータを、今度はCodexに渡してみます。同じ入力で納品物がどう変わるかを見るためです。
【実測メモ: 公開前にデスクトップアプリのCodexで下記プロンプトを実行し、日時・所要時間・実画面スクリーンショットに差し替えてください】
打った指示文はこれひとつです。
架空の月次売上データから、経営会議でそのまま映せる売上ダッシュボードを1枚のHTMLファイルで作ってください。データ: A商品120万円(前月比+8%)、B商品85万円(前月比-3%)、C商品210万円(前月比+15%)。棒グラフ・前月比・合計売上を表示し、ブラウザで開くだけで動くようにしてください。【画像②: Codexに指示文を送った直後の実画面】
Workに同じデータを渡すと、届くのはWord文書でした。Codexの納品物はHTMLファイル。つまり、開けば動く「道具」です。
【ここに実行過程の記述を実測で埋める: 計画の提示 → コード生成 → 自己テスト → 完成報告の流れ。合計415万円や全体前月比+8.8%を頼まずに計算したか、途中でエラーを自分で直したか、が見どころ】
【画像③: 実行中の途中経過(計画やテストの表示)】
届いたファイルをダブルクリックすると、ブラウザにグラフ付きのダッシュボードが開きます。所要時間は【◯m◯s】。ここが分かれ目です。Workは「資料」を納品し、Codexは「道具」を納品する。 同じ3行のデータでも、返ってくる形がまるで違います。来月また数字を差し替えて使い回せるのは、道具のほうです。
【画像④: 完成したダッシュボードをブラウザで開いた実画面】
🗺️ 何を任せられるか。4分類と5つの入口
公式ヘルプの記載を整理すると、Codexに任せられる仕事は次の4種類です。
コードの作成と修正: 新機能の実装、バグの原因調査と修正
テストとコマンドの実行: 書いたものが動くかの確認まで自分で回す
変更のレビュー: 人間が書いたコードの査読役
リポジトリ単位の作業: 大きな整理や移行を、複数タスクに分けて同時進行
入口も1つではありません。標準はデスクトップアプリのCodexビューですが、ターミナル用のCodex CLI、エディタに同居させる拡張機能、席を外しても向こう側で作業が進むクラウド実行があります。スマホのChatGPTアプリにはRemoteタブがあり、デスクトップで走っているCodexの作業を外出先から確認できます(Web・モバイル版のチャット履歴には残りません)。
さらにデスクトップアプリでは、Voice(音声)でCodexに話しかけてタスクを始めることもできます。「あのバグ直しておいて」と口頭で振れる時代が、もう来ているわけです。
出典: OpenAI公式ヘルプ「ChatGPT Work and Codex」
✅ 自分は使えるか。プランと入口の条件
結論から言うと、条件は2つです。有料プランであること、デスクトップアプリを入れること。
入口条件デスクトップアプリのCodexビュー有料プラン(Plus/Pro/Business/Enterprise/Edu)、macOS/WindowsWeb版・モバイル版Codexは選択不可(ChatとWorkのみ)スマホのRemoteタブデスクトップのCodexチャットを閲覧
プランに含まれる作業量には上限があり、使い切った後の追加購入の仕組みも用意されています。詳細はCodexの公式料金ページが一次情報です。
【※対象プランと含有量は変わりやすいため、公開前に公式ページで最終確認してください】
🧠 頭脳はGPT-5.6。並列4エージェントの「ultraモード」
7月9日にデビューした新モデルGPT-5.6は、Codexにも同日から入っています。最上位のSol、バランス型のTerra、軽量のLunaの3兄弟で、考える深さも段階的に調整できます。
Codexならではの目玉がultraモードです。1体のAIを長く考えさせるのではなく、エージェント4体を並列で走らせて大きな作業を分担させる方式で、OpenAIの発表では、コーディング試験Terminal-Bench 2.1のスコアが88.8%から91.9%に上がったとしています。CodexではPlusプラン以上で使えます。1ファイルの修正には過剰なので、コード全体の大掃除(リファクタリング)のような大物向きです。
出典: GPT-5.6発表ブログ(OpenAI) / Codexモデルページ
⚠️ 使う前に知っておきたい3つの注意
①利用枠はWorkと共有 公式ヘルプいわく、WorkはCodexと同じ利用枠の仕組みで動きます。資料仕事でWorkを使い込むと、Codexの枠も減る(逆も同じ)。特にultraモードは消費が大きめなので、大物タスクは枠の残りを見ながら計画的に。
②ローカルフォルダの権限は最小限に Codexはパソコンの中のフォルダを直接読み書きできます。便利さと危うさは表裏一体です。渡すのは作業に必要なフォルダだけにして、最初は実行前に承認を求める設定で挙動を確かめてから、任せる範囲を広げるのが安全です。
③個人プランは学習設定を先に確認 個人向けプランでは、やり取りをモデル改善に使う設定が初期状態で有効です(設定のデータコントロールからいつでも無効化できます)。社内コードや顧客データを渡す前に、ここだけは確認しておいてください。
🧭 まとめ。「丸ごと任せる」の波は、コードの外へ
要点を3行に戻します。
CodexはChatGPTの開発専任エージェント。デスクトップアプリで動き、コードという「動く道具」を納品する
Workの母体はCodex。毎週500万人が使い、100万人以上が開発以外に流用していた実績が、いまのエージェント時代の起点になった
利用は有料プラン+デスクトップアプリから。枠はWorkと共有、ローカル権限と学習設定は先に確認
最後に、少しだけ私たちの話を。
「目標を渡すと、成果物になって返ってくる」。この働き方はコードの世界で先に完成し、Workで資料仕事に広がりました。次に来るのは、もっと外側の業務だと私たちは見ています。
私たちが韓国で開発しているRINDAは、海外販路の開拓を丸ごと任せるタイプのエージェントです。8億件の企業データからバイヤー候補を探し、1社ずつ内容の違う打診メールを書き、返信の仕分けまで進める。Codexがコードを、Workが資料を納品するなら、RINDAは「海外との商談機会」を納品する、という位置づけです。海外調達や輸出に関わる方は、参考のひとつに覗いてみてください。
LINEお問い合わせ: https://line.me/R/ti/p/%40590xymny
あなたの仕事で「丸ごと任せたい」業務は何ですか。コメントで教えてもらえたら、次の実測テーマにします。
出典(公式ページ) この記事の数字や記載は次の一次情報で確認できます。
