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日記 │ 心を傷つける本


低評価のレビューが多かったので心して読んだのに、取り入れやすくて素敵なコーデが多くておどろいた本がある。

けれども文章の部分を読んでみると「あ」と思わず声が出た。

最後まで読み終えてなんとも言えないきもちになったわたしは、レビューに目を通して納得した。

評価が2極化している。



タイトルを見たとき「これは甘めの服が好きだけど、年齢を重ねて困っている女性の背中を押してくれる本なのだろう」と感じた。
表紙にはピンクの甘めの服がいっぱい。

個人的には、若い頃から「シンプルな服は好きじゃないけど、甘すぎると自分のキャラじゃなくて苦手」だったので、参考になるだろうか? とあまり期待せずに読みはじめた。

ところが開いてみると、シンプルな中に甘さがきらりと光るようなコーディネートが多く、結構好みだった。
どんなふうにしたらいいのかも書いているので、再現もしやすそう。

なんでレビューが低かったのだろう。




その理由は、文章の部分を読み進めていくうちに、わかった。




まずはひとつめ。
表紙の期待値による落差だ。

タイトルや表紙を見たときに感じたものと真逆な印象になったのだ。

表紙は甘さ8:辛口2くらいの比率に見えるものだったのだけれど……
実際に紹介されているコーデは甘さ1:辛口9という感じ。

もともと甘めが好きなひとだとかなり物足りないのではと感じる。なんなら、甘さが行方不明のものもある。


次に、圧の強さ。

「これは駄目」「あれも駄目」と、あらゆるものを禁止されているみたい。わたしもこの本の「想定読者」年齢(ミドサー以上)に入っているのでちょっともやもやした。

なんていうのだろう。
好きなものを否定されているような気分になりそうだ。

とくに、最近、80代の素敵な女性が、甘さも辛さも圧倒的なおしゃれ具合で着こなしている本を読んだからなおさらである。

ちなみにその本の対象読者は、おそらく50代からシニア層。また、わたし個人の骨格だとかテイストに似合うものではなかったので、日々の着こなしに役立つかというと、まったく有益ではなかった。

なのに、めくる手が止まらなかった。
読後に強烈な印象が残った。

ほう、とため息がこぼれるような。
とにかく素敵だったという気持ちでいっぱいになった。


中でも驚かされたのは、超モードな雰囲気の辛口な服も素敵に似合っていたけれど、同じ80代の女性ががリボンのついたカチューシャをつけているのも可憐で見とれてしまったことだ。
胸元にビッグリボンのついたブラウスも、かっこよく着こなしている。

そういうものを見て、いくつになっても、着こなし次第で「好き」は体現できるのだとわくわくしたあとだったので、余計に。


気になったことの3つめ。
強い言葉。

この記事で「こんなふうにするとメルヘンおばさんになりますよ」みたいな言い回しが好きじゃないと書いた。

この本の中には、ゲシュタルト崩壊しそうなくらいたくさんの「おばさん」「イタい」「大人の女性なら」という言葉が登場していた。
あらゆるシーンで「甘さ=悪」になっていた。

甘さ3:辛口7くらいにしたいわたしにとっては、紹介されているコーディネートはとても素敵だと思ったし、似たものを試してみたいと思っている。

けれども、この言葉の数々には、そもそも「甘めの服を好きである自分」ごと“恥ずかしいもの“としてばっさりと切られたような冷たさを感じたのだった。

※ただし、レビューや他サイトでの感想も2極化していて、絶賛しているひとも多い。私は本の内容は絶賛で、メンタル的な部分では悲しいという、はじめて感じる読後感。


わたしの中で、実用書というのは、前に進むための勇気をくれる本である。

だから、実用的なことが書いてあっても、心を傷つけるようなタイプの本にならないように、細心の注意を払っていこうと思った。

また、Web記事でも「タイトル詐欺」という概念があるけれど、書籍でこれを行なった場合の落胆度や怒りは比じゃないくらい大きいのかもしれない。
タイトルや表紙の期待値を大きく裏切るような内容にならないこと。
ひとりの著者として、これもまた、意識していきたいことだ。


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三條 凛花 最後までお読みいただき、ありがとうございます♡