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理論正論「ぽいもの」との距離感

世の中には、たくさんの
「もっともらしい言葉」が溢れています。


転職、考えてみようかな。
起業してみようかな。

そういった思いから、ビジネス書や自己啓発本を開く。
ネットで調べ始めてみる。

すると、転職サイトやキャリア診断、
「成功の法則」や「マインドセット」「脳の仕組み」の解説で
SNSのタイムラインが埋め尽くされていく昨今。

アルゴリズムって、
ホントよくできてるなぁ…と感心しながら、
魅力を感じるようなキラキラした言葉たちに
目を奪われていきます。


読み進めていくと、
なんだか科学っぽいものや、学問っぽいものに
どんどん興味を引かれていることに気づくんですよね。


わたしは、専門学校で学んだときに
スポーツ心理学には少し触れてきた身ではあるんですが、
詳細に覚えていることってほとんどなくて。

でも、心理学・哲学っぽいものに触れるのは大好きなので、
なおのこと、そういった発信が
目に留まりやすいのかもしれません。


ただ…わたしのちょっと偏屈なところがありまして。

「へぇ!そうなの?面白いなぁ」と感心した話について、
その場ではいったん受け止めつつも、
時間が経ってから、もう少し知りたいなって、
調べ直すことがあるんですよね。
(図書館まで行かずに、ネットで調べることが増えましたが…)


すると、科学的な話のように受け取っていたことが、
ただのフィクションだった、
ということなんかがあったりします。


たとえば…
自己啓発や、コーチングの場でも例えに挙がる
「ノミの実験」のお話。

ノミをガラス容器に入れて蓋をして過ごさせると、
頭をぶつけない高さまでしか跳ばなくなる。
蓋を外したあとも、ノミはその高さまでしか跳ばない。
人間のポテンシャルもこれと同じ。
自分で勝手に蓋(限界)を作っているんだ。

聞いたことがある方も多いと思います。
そして、この話には解決編もあるんですよね。

じゃぁ、どうすればノミはまた高く跳べるようになるのか?
答えは簡単。
高く跳んでいるノミのグループの中に、そのノミを戻してあげること。
そうすれば、ノミは「もっと跳んでいいんだ」と思い出して、
再び高く跳べるようになる。
だから、成功している人たちの環境に、あなたも身を置きましょう!

希望があって、わくわくするお話ですよね。

わたしも、このお話を聞いたときに
「駆除したい対象として見ているノミを、
 熱心に研究してるの面白いなぁ。」
「ほかにも同じような環境で実験されたりしてるのかな?」

と気になったので、調べてみました。


…これって「寓話」らしいですね。


科学的根拠があります、
学問として研究されています、
といった話の流れの中で、寓話が忍び込んでいる。


その事実を見ると、
興ざめしてしまう人もいると思います。

「え? ウソなの? 作り話?」って。


わたしは、調べてから
「どゆこと?」と、混乱しました。


もしかすると、
怒りに似た感情さえ覚える人もいるかもしれませんね。

ただ、この話をしてくれている人たちは、
本当に実験に基づいた話だと信じているんだろうな、
とも思っています。


誤解しないでほしいのは、
わたしは「創作話(フィクション)がすべて悪だ」と
言いたいわけではないんです。


教育現場やマーケティングの手法として、
誰かの背中を押すために物語が使われること自体は
よくあります。


わたしたちが、勇気をもらったり、
1歩を踏み出すきっかけになったりするものって、
別に「ガチガチの証拠があるもの」だけではないですよね。


ゲームや小説、ドラマ・映画のセリフから、
自分の生き方を変えるような学びを得ることだってある。

日本昔話やグリム童話のような寓話も、
もともとは、そうやって人々に大切な教えを
伝えるためのものでした。


物語には、人を動かす「すてきなチカラ」がある。


ただ、わたしが
ちょっとイヤだな…と不快に感じてしまうのは、
さっきのノミの実験のような話が
「科学的・学術的に正しいデータです」
という文脈で語られているから、なんですよね。


「物語」として差し出されれば、
「興味深いお話だな」と受け取れる。

けれど、
「脳科学的には・・・」「心理学の実験では・・・」と、
絶対的な正解っぽく滑り込んでくるから、
受けとる側は混乱してしまうことがある。


わたしも、こうやって発信している身なので、
気をつけていこうと思います。


もっともらしい理論や正論っぽい言葉の
すべてを遠ざけよう、というわけでもなくて。

こころが疲れて動けないときに、
そっとカラダを預けて羽休めさせてもらうことも、
きっとあると思うんです。


だからこそ、言葉や物語にしがみつき、
振り回されるのではなくて。

ほんの少しの拠り所として捉えてみる。



ほどほどの距離感を持っておくことが、
小さなお守りのようになる気がしています。



では、また。


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